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- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642063449
作品紹介・あらすじ
『古事記』はひとつの完結した作品として把握されねばならない。「高天原」「葦原中国」「黄泉国」「根之堅州国」の位置付けに新たな見解を示し、『古事記』が上中下巻を通して構築する独自の世界観・主張を解明する。
感想・レビュー・書評
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『古事記』のテクストそのものにもとづいて、そこにえがかれている世界観を解明する試みです。
著者は、『古事記』を『日本書紀』の世界観を明確に区別するべきだと主張します。『日本書紀』が陰陽の原理にもとづく世界創成を語るのに対して、『古事記』では「高天原」の神々によって「葦原中国」が包摂されるという世界観にもとづいて、神々と天皇の物語が進展していくと著者はみなします。本書はこうした立場に立って、「黄泉国」や「根之堅洲国」、「ワタツミ」といった『古事記』に登場する世界の関係を解明し、さらに『古事記』中巻および下巻であつかわれることになる天皇の物語において「天下」はどのようにえがかれているのかという問題についても考察をおこなっています。
著者の「記紀神話」批判にまつわる主張にかんしては、たいへん説得的だと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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