- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642067638
作品紹介・あらすじ
中世社会を頻繁に襲う旱魃・長雨・飢饉・疫病などの災害。さらに物資・人員の略奪や殺害などの戦争被害。過酷な環境で人々はいかに生き抜いたのか。実態を克明に探り、民衆に焦点をあてた豊かな歴史像を提示する。
感想・レビュー・書評
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民衆の歴史というので感心したことは無かったが、これは具体的な例を出し、一方的な被害者ではなかったことや領主も領民の保護に努めたなど事実をベースとした書きぶりが素晴らしい。
戦禍が酷ければ、その反対に平和の価値が高くなる。そこから秀吉の統一が高い評価を受ける。
近世封建社会の抑圧性を強調すれば戦国時代の流動性が高く見られる。
そこは個人の価値観が強く出るが、弱者は平和の方が良いことは確か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鎌倉から戦国時代の飢饉と一揆と戦が書かれています。
日本にも奴隷として人が売り買いされていたこと、戦いのときに略奪が行われていたこと、それを禁止したことも書かれています。
保元平治の時代から関ケ原の戦いまでの干ばつ、水害、飢饉、疫病のデータがグラフにまとめられています。それらの頻度を見ると、現在の異常気象や新型コロナが、歴史的観点からすると特別ではない起こりうる現象の一つなような気がします。
歴史の登場人物が戦の戦略のみではなく、飢饉のとき、戦のときにどういった政策をとったかをこの本を読んで知って、好きな歴史上の「推し」をもう一度考え直そうと思います。現在の気象や政治を考えるきっかけにもなりました。
210.4 -
人々が食えなくなった時に乱世が始まる。飢餓から生じる様々な社会変動の中、鎌倉期からの徳政令など貸借関係のコントロールや、戦国期の人身売買の激しさなど、財や人のイレギュラーな動きが描かれる。一揆の多発や悪党・足軽の跳梁、また村落の自衛に至っては「七人の侍」さながらの世界。人々の安全保障が大名の存在価値にも関わるところは、上も下も生き残るのに必死だった有様が見て取れた。
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東2法経図・6F開架 210.4A/F59k//K