- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642071697
作品紹介・あらすじ
中世日本の浦々には、海賊・水軍などと呼ばれナワバリを生活基盤とする〈海の勢力〉が存在した。彼らは武士の世でいかなる存在だったのか。武家政権に重用されるも、戦国乱世に巻き込まれ、やがて姿を消すまでを描く。
感想・レビュー・書評
-
2013年刊行本の再刊。中世日本の浦々に割拠した海上勢力について、その多面的な実像を探り、近世への移行と共に姿を消さざるをえなかった、その特性を描き出す内容。社会の変革期としての戦国時代を感じられる視点でもあった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
波の上から:
湘南の悔
内海と御厨
「悔の武士団」
武士と海の親和性
網野癌彦氏の悔と「梅を志向する武士」
明るい海の残像
「海の武士団」の矛盾
戦国時代からの激変
問題の多い「海の武士団」
広義の「海賊」と呼べるか
〈海の勢力〉
はずれ者の世界
上からも下からも
ナワバリの変質
港と武力と徳政:
暴力の港:
不運な「唐船」
寄船慣行
港で積み荷が濡れたら
妥協の方法
津料は関税か?
ナワバリと上乗
ヒラヒラ
ローカル・リスペクト
ローカルとビジター
国質とは
分国法の配列
ヨソモノへのアレルギー
ヨソモノの対処
〈海の勢力〉とヨソモノ
政治権力と関:
関の乱立
経済関論と初穂論
港の光景①東の和賀江島
港の光景②西の兵庫津
津料の二類型と徴収担当者
ローカルとビジターへ
津料は拒否できるか
そして徳政:
ふたたび和賀江島から
御成敗式目
幕府と〈海の勢力〉
その伏線
徳政としての式月
往阿弥陀仏とは
泰時の徳政と道家の徳政
田舎の習と中央の法
徳政モニュメントとしての港約
鎌倉硲府の海賊禁圧
幕府のジレンマ
和賀江島の変質
ナワバリを越えて:
北条氏権力の置き土産:
〈海の勢力〉と手を結ぶ室町幕府
癒着の温床
室町幕府と〈海の勢力〉の編成
冬の時代へ:
戦国大名と他国者
廻船衆の台頭
織田信長と〈海の勢力〉
秀吉海賊停止令の読み方
エピローグ 旅立ちの海