草にすわる

制作 : 市河 紀子 
  • 理論社
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本棚登録 : 59
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079904

作品紹介・あらすじ

3.11後、平熱の選詩集。

感想・レビュー・書評

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  • 選詩集  草にすわる

    心の中に風が吹き通るような
    くすぶった視界から チラチラ光が見えるような
    好きな詩を読むと そんな気分になります。

    集められた詩は素直に好きなのが多くて 少し
    恥ずかしいような気がしました。
    何故だろう、、、


    書き留めておきたい詩


    自分自身に     吉野弘

    他人を励ますことはできても
    自分を励ますことは難しい
    だからーーというべきか
    しかしーーというべきか
    自分がまだひらく花だと
    思える間はそう思うがいい
    すこしの気恥ずかしさに耐え
    すこしの無理をしてでも
    淡い賑やかさのなかに
    自分を遊ばせておくがいい



    • りまのさん
      hiromida2さん
      こんにちは。コメントありがとうございます!とても嬉しく思います。
      コンプレックスの多い私に、この、吉野弘さんの「自分...
      hiromida2さん
      こんにちは。コメントありがとうございます!とても嬉しく思います。
      コンプレックスの多い私に、この、吉野弘さんの「自分自身に」という詩は とても心に響きました。
      自分で自分を励ますこと、難しいけれど忘れないでいようと思います。
      2021/06/26
    • hiromida2さん
      りまのさん、
      ホントにそうですね。
      私もコンプレックスだらけの人間
      でも、コンプレックスのない人間なんているんだろうか?
      コンプレックスなん...
      りまのさん、
      ホントにそうですね。
      私もコンプレックスだらけの人間
      でも、コンプレックスのない人間なんているんだろうか?
      コンプレックスなんて微塵も感じない人を見ると羨ましく感じるけど、少し怖くて…近寄り難い存在のように思えます。

      コンプレックス…
          それはきっと、伸びしろ(笑)

      自分を励ますってこの言葉に励まされました

      自分を励ますってことはおろか、自分と向き合う事って、本当に難しいといつも思う。
      でも、きっとすべてはそこから始まるって気もします  “自分はまだひらく花…”

      また…素敵な詩をきかせて下さいね♪
      2021/06/26
    • りまのさん
      hiromida2さん
      素敵なコメントをいただいて、とても嬉しいです。
      今日は、良き日となりました。
      どうもありがとうございます!
      hiromida2さん
      素敵なコメントをいただいて、とても嬉しいです。
      今日は、良き日となりました。
      どうもありがとうございます!
      2021/06/26
  • 「草にすわる 」    八木重吉

     わたしのまちがいだった

     わたしの まちがいだった

     こうして草にすわれば それがわかる


    たった3行の詩だというのに、
    その破壊力はすごい。

    四方を囲んでいた壁が忽ち崩壊し、
    真上からは陽の光が射し込むかの様な。

    そういう
    居場所をいつでも作ってくれる
    素敵な詩集。

    他に、
    谷川俊太郎、工藤直子、まどみちお、草野心平・・・etc。
    どのページも柔らかい光に包まれている。

  • 図書館で出会い、なんだか気になる詩集だなと思って手に取ってみたのだが、予想以上の素晴らしさであった。
    絶妙なセレクトのアンソロジー詩集。工藤直子、まど・みちお、八木重吉、谷川俊太郎、吉野弘、大木実、井上ひさし…。瑞々しい言葉のひとつひとつに触れ、季節の移ろいや自然の美しさ、雄大さを感じ、その中に生かされている命の尊さやありがたさがすごく心にしみる。
    生きとし生けるものの歩みがこの一冊に凝縮されていて、「詩」という形で表現されているからこそ素直に受けとめることが出来るのかなと。
    保手濱拓氏によるイラストとカバー写真、池田進吾氏による装丁も本当に素敵。

    • メイプルマフィンさん
      薔薇★魑魅魍魎さん:お久しぶりです!コメント嬉しいです♪正直、図書館に返却するのが惜しくて(笑)買ってもいいかなとすら思っています。よく知っ...
      薔薇★魑魅魍魎さん:お久しぶりです!コメント嬉しいです♪正直、図書館に返却するのが惜しくて(笑)買ってもいいかなとすら思っています。よく知っている詩も、すごく新鮮に感じられました。
      2013/01/22
    • 薔薇★魑魅魍魎さん
      ありがとうございましたメイプルマフィンさん  この詩集にはまってしまって幸福です
      ありがとうございましたメイプルマフィンさん  この詩集にはまってしまって幸福です
      2013/02/15
    • メイプルマフィンさん
      いや~嬉しいです!!そう言って頂けて、私も本当に幸福です!!
      いや~嬉しいです!!そう言って頂けて、私も本当に幸福です!!
      2013/02/15
  • 素敵な詩の数々。
    中でも以下の詩が好き。

    『間違い』
    『さようなら』
    『朝』
    (谷川俊太郎氏)

    『もう すんだとすれば』
    (まど みちお氏)

    『自分自身に』
    (吉野 弘)

    『月に吠える』
    (阪田寛夫氏)


    特に谷川俊太郎氏の三作は、心に深く響いた。

    『間違い』は八木重吉氏の『草に すわる』を受け、
    自らの人生へ広がる展開と結末が苦しい。

    『さようなら』は、どこかで目にしたことがあったけれど、
    あらためて読んでその深さに打ちのめされた。

    『朝』はそのスケールの大きさに、ただただ感動。
    ラストにこの詩をもってきたのはナイスセレクト。

  • 他人を励ますことはできても
    自分を励ますことは難しい
                      谷川俊太郎 「自分自身に」


    この本は読書仲間のメイプルマフィンさんに導かれて手にしたもので、市河紀子選詩の八木重吉の詩『草にすわる』というタイトルのもとに集められた37編の詩のアンソロジーですが、小学2年生以来、身体の半分以上どっぷりと詩に満たされて至福の時を刻んできた私にとって、しばらく忘れかけてきた詩の、言葉の、本来の姿を取り戻す契機に、つまり近年 小難しい顔をして思想的・理論的な側面ばかりにこだわって詩を読んできた結果ドグマに陥ったり、あるいはここ数年来、政治的・修辞的に眩惑されて大半を失いかけていた言葉の真実、否、人間への信頼を取り戻すきっかけになったといっても過言ではない貴重な読書体験でした。

    この本のラインナップは・・・・・、

    草にすわる  八木重吉
    ひかる  工藤直子
    春のうた  草野心平
    さくらの はなびら  まど・みちお
    葬式  工藤直子
    声  吉原幸子
    ぺんぎんの子が生まれた  川崎洋
    薔薇二曲  北原白秋
    地球の用事  まど・みちお
    ゆずり葉  河井酔茗
    未明  大木実
    あさがお  八木重吉
    ことり  まど・みちお
    間違い  谷川俊太郎
    問い  茨木のり子
    前へ  大木実
    なのだソング  井上ひさし
    素朴な琴  八木重吉
    ぶどう  与田準一
    田舎の駅  大木実
    マツノキ  まど・みちお
    北  立原道造
    さようなら  谷川俊太郎
    もう すんだとすれば  まど・みちお
    自分自身に  吉野弘
    木の葉聖書  阪田寛夫
    ぼくが ここに  まど・みちお
    過ぎし日のうた  阪田寛夫
    雲は雲のままに流れ  工藤直子
    朝の あやうさ  八木重吉
    (無題)  八木重吉
    月に吠える  阪田寛夫
    ゆび  まど・みちお
    わたしはたねをにぎっていた  山村暮鳥
    道が一本ありました  江國香織
    いのち  工藤直子
    朝  谷川俊太郎

    ・・・・・という37編ですが、それはみなどれも極めて短い単純なあっけないといえばいえる詩ばかりで、人によってはなんだこんな頼りない単語の集まりから何を汲み取ろうというのか馬鹿馬鹿しい、ということになるかもしれません。

    逆に私は頼りなく無造作なようなその短い言葉の中に、広大無辺の啓示や暗喩が潜んでいることを再発見しました。

    あっ、と、いけない、またしても詩に有意味を求めるという愚行を侵してしまいそうな未熟者の私です。詩を、言葉を、研ぎ澄まされた感性だけで読むという原初的行為に戻らなければ、とうてい現代の兇暴と夢魔に立ち向かえるものではないと自覚しなければならないと思います。

    私は、およそ3週間かけてこの本の詩を一言一句味わい、そしてこの本に登場した作者の実際の詩集を手にしたり、あるいはどうしても抑えきれない欲望のもとに、図書館で借りたこの本をもとに、自分の手作りで私家版『草にすわる』を、PCとコピー機で一冊、もう一冊は父がむかし愛用していたガリ版と模造紙を使って作りました。本物の綺麗に印刷されたこの詩集ももちろんすばらしいものですが、偽物の手作りの安っぽい粗末な私が作成した詩集も愛おしく素敵です。

  • 昨年よいタイミングでお友だちがクリスマスプレゼントとしてくれました。冒頭の「草にすわる」を何度も読み返します。

  • 「ぺんぎんの子が生まれた」「前へ」が好きだな。

  • 理論社の本、、、何か嬉しい

    理論社のPR
    「震災を忘れないために、熱を持った言葉から、平熱の根を持ったゆるがない言葉へ。八木重吉、谷川俊太郎、工藤直子、茨木のり子、吉野弘…今とは何なのか、この場所とは何なのか。日常が戻っても、以前とは確実に何かが違うからこそ、深く沁み入る詩のアンソロジーです。
    ●編集者コメント
    2012年やまぐち新進アーティスト大賞を受賞した美術家・保手濱拓による写真と絵、池田進吾による装幀で、美しく温かみのある双子の詩集となっています。日本人による日本の詩を味わう時間を、ぜひ。」

  • 井上ひさし「なのだソング」
    与田準一「ぶどう」

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