くもりときどき晴レル

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 98
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652200490

作品紹介・あらすじ

子どもを書き続ける作家が6人の子どもそれぞれの今を描く最新短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 休憩時間に少しずつ読んだ本。
    公共図書館のティーンおすすめ本にも紹介されていた。

    小学校高学年から中学1年生くらいの子ども達が主人公の6つの短編集。
    どれもすっと読める短さ。
    でも、物足りなさは全くない。

    思春期に差し掛かり、自分でもうまく説明できないモヤモヤ感を抱えたこの年頃の子どもの心情を、ちょっとした行動や言動の描写などで、見事に表現している。

    中学生といっても、自分はまだ小学生気分なのに、すっかりオトナになったように見える友達との気持ちのズレとか、好きとかそんなのじゃないけど、なんか引っかかる、などなど。

    椰月美智子さんもこの年頃の子どもの漠然とした心の有り様を「あなた、良く覚えてますね!」と言いたくなるほどに描くが、岩瀬成子さんもなかなかスゴい。他の作品も読んでみたい。2020.6.30

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  • 桃井さんはそれから、「ちょっと触るよ」と言って、ぼくの二の腕を掴んだ。掴まれると、急にそこに自分の腕を感じた。「人の体はあったかいよね」桃井さんは手を放した。「帰ろうか」桃井さんは言った

  • ⭐️アスパラ
    アスパラに同情する気もちがわきかけたけど、わたしはその落とし穴には落ちないように気をつけた。気もちの落とし穴に。
    すぐに泣いたり、だれかをかわいそうに思うのは気もちの落とし穴で、罠みたいなもんだから、やすやすと罠にはまってしまってはいけない。いい人ぶるのは、いやだ。

    ⭐️恋じゃなくても
    あの人が悪いっていうんでなくて、誰も悪くないのに、わたしには棘がいっぱい刺さってしまってる。たぶん、みんなちょっとだけ卑怯で、みんなの卑怯が集まっての棘だと思う。でも棘は痛いからね。それに…

    人は思ってもいないことを言ったり、ほんとうみたいな嘘だってつくし、言いたいことはどこか別のところに置きっぱなしにしていたりする。

    ⭐️こんちゃん

    ⭐️マスキングテープ

    ⭐️背中

    ⭐️梅の道
    なりたいものに、人はいつか、なるんじゃないの。なりたいと思ったこともないものには、人はなれないでしょう。

    勇気がむくむくわいてきた。

    子ども心情が書かれていて、こういう気持ち、あったなぁ、と思いながら読みました。


  • ああ、あったなあ、あんな気持ち。まだふわふわの心を持って、形が変わりやすい時だったあの時のこと。ちゃんと、丁寧に、優しく、そのまま掬い上げていて好き。
    岩瀬さんの小説に流れる静かで緩やかな空気がとても良い。

  • 新しいことをしてその一つ一つに新たな発見があって。
    今ではもうあまりない感覚をあの頃は生きていたんだなあとしみじみ思った。
    新緑芽生えるようなあの空気。

  • 【図書館】6編の短編集。6人の子供のそれぞれを描いている。人生ってうっとうしくもあるけど、ときどき青空が見えることもあるんだよね、タイトルの意味が分かる気がしました。

  • 短編集。子どもがたくさん出てくる。
    大人に対する理不尽さ。

  • 思春期にさしかかる少年少女の心に吹く一瞬の風をとらえるような、6つの短編集。

    「恋じゃなくても」が好き。

    思春期、って今そこにある瞬間はきっと気づかないし指摘されるのも嫌だよなー。
    そうやってくくられるのもきっと嫌だ。

    ずっとずっと晴れじゃないし、雨でもない。
    風が吹き抜けていく瞬間を感じた。

  • 特に気になったのは「アスパラ」・・・それは母親に置いて行かれた小一の男の子
    いつもニコニコしている。

    この子はこんな方法しか知らないのではと・・・

    この子を守ってあげたい小5の女の子の気持ちが書かれている。
    いじめ問題等が子供の目を通して書かれていて、表現が分かりやすい。

    児童文学なのだけど大人が読んでも読み応えが有るのでは・・・

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著者プロフィール

1950年、山口県生まれ。
『朝はだんだん見えてくる』で日本児童文学者協会新人賞、『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』で小学館文学賞と産経児童出版文化賞、『ステゴザウルス』と『迷い鳥とぶ』の2作で路傍の石文学賞、『そのぬくもりはきえない』で日本児童文学者協会賞、『あたらしい子がきて』で野間児童文芸賞、『きみは知らないほうがいい』で産経児童出版文化賞大賞、『もうひとつの曲がり角』で坪田譲治文学賞を受賞。そのほかの作品に、『まつりちゃん』『ピース・ヴィレッジ』『地図を広げて』『わたしのあのこあのこのわたし』『ひみつの犬』などがある。

「2023年 『真昼のユウレイたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩瀬成子の作品

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