チェコとスロヴァキアを知るための56章【第2版】 エリア・スタディーズ (エリア・スタディーズ 27)

著者 :
  • 明石書店
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本棚登録 : 56
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750329109

作品紹介・あらすじ

数多くの歴史遺産が残るチェコ、素朴な町並みや山岳風景が印象的なスロヴァキア、欧州の中央に位置する両国の魅力を描く。「チェコスロヴァキア」としての独立運動、社会主義体制の崩壊から、分離後のEU加盟など最新の動きを踏まえ、個性的な芸術や文学も紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館貸出期間を延長してもらったものの、飛ばし読みというより拾い読みしかせず申し訳ない。
    しかしこのエリアスタディーズも、チェコ(プラハの街並みとビール)も良い。

  •  チェコ旅行に備えて、彼の地の歴史・文化の総合的な読み物は……と探したら、入手しやすいところではほとんどコレしかなかった。期待通りたいへん総合的で、読みやすく、こちらの興味をさらに深めてくれる良書だった。
     中欧の歴史はなかなか複雑だが、チェコについても例外ではない。そこをチェコ王国、モラヴィア辺境伯領、シレジアの3地域(まとめてチェコ王冠諸邦)から構成されていたというところからはじめて、カレル4世の次代、フス派の時代、ハプスブルク王朝、「チェコ人」としての自覚、といった具合に順を追って解説してある。二つの大戦、ドイツからの圧力、共産主義、プラハの春と弾圧、ビロード革命、EU参加への道。ほんとにたいへん。経済・社会、報道、スポーツ、食生活、余暇の過ごし方などなど、盛りだくさん。とても詳しい人から「チェコ人ってこういうタイプで……」という講義を聴かされているようで、わかりやすく勉強になった。

  • 読了

  • 学校のヨーロッパ史では、私レベルでは大国と大事件中心でチェコとスロヴァキアのような小さな国はほとんど登場しません。
    私が知っていたのはスメタナ、ドヴォルザーク、チャスラフスカぐらい。おとなになってビールが美味しいことを知り、最近それ以外も少しずつ知ってきたけど。

    この本で今まで知らなかったことや勘違いしていたことがたくさんわかってとても面白かったです。
    たとえば大戦後に主体性なくソ連に押さえつけられていたイメージがあったけど、本当はこういうことです。
    >チェコスロバキアの社会主義への道のりは、むしろ国内的な一定の要請と国際的要因が複合した、いわば漸次的な化学反応のように進んだと考えるべきである。

    またドイツにやられっぱなしのように見えるけど、「ステーデンのドイツ人追放」という事件の詳細を知ると、12世紀以降ドイツ人がチェコ辺境地帯に移植し技術を伝え貢献した歴史があるのに、大戦後こういうことが起きたということ。まあ、これは相手がドイツだからこうして後々まで問題になったとも言えるかもしれないけど。

    また、チェコとスロバキアが後からEUに入れてもらうには、走っている電車に飛び乗るみたいに大変だったということ。

    などなど、歴史舞台には出てこなかった面白い事実満載です。

  • スロヴァキアの発生過程が面白い。

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著者プロフィール

明治大学経営学部教授。
1959年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。専門は東欧・中欧の中世史および近世史。著書に『王権と貴族 中世チェコにみる中欧の国家』(日本エディタースクール出版部、1991年)、『プラハの異端者たち 中世チェコのフス派にみる宗教改革』(現代書館、1998年)、『物語チェコの歴史 森と高原と古城の国』(中公新書、2006年)、『辺境のダイナミズム(ヨーロッパの中世3)』(共著、岩波書店、2009年)、『図説チェコとスロヴァキアの歴史』(河出書房新社、2021年)などがある。

「2024年 『チェコを知るための60章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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