スモールマート革命 -持続可能な地域経済活性化への挑戦-

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750338729

作品紹介・あらすじ

グローバル企業との対比の中で地域企業の優位性を論証し、資金循環による地域経済のあり方を包括的、理論的に論じるとともに、地産地消、地域通貨、エコロジーとの連携、起業活動の促進、ローカルな証券取引市場の創設等、地域の自立のための方策を具体的に示す。

感想・レビュー・書評

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  • これを読む前に「里山資本主義」という本を読んで、それがあまりにもつまらなかったのでAmazonに文句を書こうとしたら、他のレビュアーが「こっち読んだ方がいい」と書いてあった本。定量的な論拠や論文をふまえて、地方都市は大企業よりも中小規模に資本を投下した方が商圏内のGDP(及び資金流入)を増やすことにつながる、という話。

  • アメリカの地域経済の専門家による地方創成の本。地域に根差したスモールマー卜や、地域内でお金を循環させることが地域経済活性化のポイントなのです。アメリカの事例が中心ですが、日本でも適用可能なものが多いうえに、消費者・投資家・起業家・政策担当者など様々な視点で検証されているので読み手の立場に合わせて読むことができます。
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  • なかなか含みのある中身だった アベノミクスの限界を教えてくれる

  • 筆者が整理した地元オーナーシップの利点
    1.長期的に富を生み出す
    2.破滅的な結果に終わるケースが稀
    3.高い労働基準と環境基準
    4.成功のチャンスが多い
    5.高い経済乗数

  • 我々にとっての常識は、大規模な工場や大量流通というスケールメリットによって、我々の暮らしは豊かになり満たされるという考え方だった。少なくとも20世紀までは。

    ところが我々のニーズは多様化し、環境や安心といった質的充足こそがビジネスにおける差別化要素となる中で、実は地域に密着したスモールビジネスこそが最先端なのではないかという動きがアメリカでは興りつつある。

    アメリカの平均的な家庭における2002年度の家計支出の順序は以下の通りである。
    ①住宅(32.7%)②交通(19.1%)③食物(13.2%)④年金・社会保障(8.6%)⑤医療(5.8%)⑥娯楽(5.1%)⑦衣料(4.3%)⑧寄付(3.1%)⑨雑費(2.0%)⑩教育(1.9%)

    これらを見ると、住宅、交通、食物という生活に必需な消費財が2/3を占めており、一方でこれらの富はかなり地域外に流出しているものでもある。もちろん、同様の家計支出調査は日本でも可能であり、恐らくアメリカよりも地域外依存度は高くなるであろう。

    住宅を建てるときには地域の素材を使うだろうか、ローンを組むときは地域金融で借りているか、クルマは、ガソリンは、野菜は、肉は、穀物は、、これらの要素のかなりの部分を地域外に依存している。

    大規模なビジネスを展開するグローバル企業に生活の大部分を依存するということは、そのグローバル企業の株主や役員、海外の富裕層といったところに富を集中させていく作用があり、格差が拡大していくことを意味する。

    一方で地域に密着したローカルビジネスから買うという選択肢を実践すれば、近所のお店の人がまた別のお店で消費したり、顔見知りの家の子どもたちが目と鼻の先にある畑で採れた野菜を食べたりといった作用が生まれる。地域を住みよくすることと暮らしの安心を提供することが両立できる地域活性化モデルと言える。

    私たちが毎日行なう消費とは、一種の投票行為でもある。顔も知らないグローバル社会に投票するか、顔の見える地域社会に投票するか、我々自身が決めることなのだ。

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著者プロフィール

弁護士、経済学者、作家。メイン州バックスポートのTDCの副理事長。『ゴーイング・ローカル―グローバル時代に自立するコミュニティを創る』(ルートレッジ、2000)を出版し、地元所有企業についての専門家として全米で知られている。
幼年期をロングアイランドとセントルイスの郊外で過ごし、スタンフォード大学で国際関係及び経済学を専攻、1979年卒業。1982年に同大学院で法学の学位を取得。1980年には「核戦争の防止手段」について核研究者会報のラビノビッチ・エッセイコンクールで一等賞を受賞。自治体の首長や議員の参加する国際的なアドボカシー組織「革新的外交センター」を共同設立し、進歩的なシンクタンクである政策研究所のディレクター、アフリカ系アメリカ人に関わるビレッジ財団の一部門であるエンパワーメントと起業家研究所の代表を務めた。1987年及び1990年にはケロッグ財団のケロッグ全米リーダーシップ・フェローとなる。
地域経済の活性化についての近年の活動として、メリーランド州でのコミュニティ所有の養鶏場、ベイ・フレンドリー・チキンの創設、ニューヨーク州での大学、政府、ビジネスの協働の組織化、メイン州での新たなローカルビジネスの可能性についての研究、UNDPによる旧ソ連の地方分権によるインパクトの分析、家族経営の農家のマーケティング活動支援のためのウエブ(コミュニティフードコム)の開発がある。『コミュニティ百科事典』のシニア・エディターであり、BALLEの共同創設者。
数冊の書籍の出版以外に、『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ネイション』『ウィークリー・スタンダード』『フォーリン・ポリシー』『パレイド』『クロニクル・オン・フィランソロピー』等の各誌紙に100近くの原稿を寄稿。世界各地のコミュニティや大学で、週1回の割合で25年にわたり講演を続けている。現在、妻のデボラ・エプスタインと二人の子供、アダムとレイチェルと共にワシントンDC在住。

「2013年 『スモールマート革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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