交通・都市計画のQOL主流化――経済成長から個人の幸福へ

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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750352268

作品紹介・あらすじ

人口減少時代の道路交通に対して、経済規模拡大・経済効率性の観点のみではなく、接続する交通ネットワークや心を癒す地域の関連環境の整備を含めた、市民への統合効果としてはかる、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)による評価法の確立を目指す。

感想・レビュー・書評

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  • 第Ⅰ部 QOLに基づく交通と都市の新たなプロジェクト評価法――公共事業評価からSDGs、GNHまで

    第1章 なぜQOLなのか?
     1.1 将来世代が求めるインフラと国土・都市
     1.2 現行の費用便益分析による事業評価の矛盾
     1.3 社会変化・気候変動・パンデミックなど変化と新たなニーズへの対応評価を可能に
     1.4 国民経済GDP評価から個人幸福QOL評価へ
     1.5 コンパクト・プラス・ネットワークの評価
     1.6 異なる種類のプロジェクトの比較を可能に
     1.7 SDGs「誰一人取り残さない」、GNH「国民総幸福」の評価を可能に
     1.8 広い適用対象への対応を可能に:交通プロジェクトからスマートシュリンクまで

    第2章 最終帰着効果で測るQOLアクセシビリティ法
     2.1 QOLに関するこれまでの研究の概観
     2.2 QOLアクセシビリティ法の提案
     2.3 QOL評価指標の設定
     2.4 QOLアクセシビリティ法の効能と広い応用範囲

    第3章 QOL評価における価値観の比較分析
     3.1 人々の価値観の推定方法
     3.2 国際比較アンケート調査による比較分析の事例
     3.3 日本における生活環境と移動環境に関する価値観の分析

    第4章 ケーススタディ:都市・交通プロジェクトへのQOL評価の適用事例
     4.1 交通プロジェクトにおけるQOL評価手法の適用
     4.2 QOLアクセシビリティ法による都市構造分析
     4.3 スマートシュリンクを中心とした土地利用政策におけるQOL評価手法の適用:名古屋都市圏におけるエコ・コンパクトな市街地形成
     4.4 スマートシュリンクを中心とした土地利用政策におけるQOL評価手法の適用:インフラ老朽化を考慮した市街地維持費用の推計と市街地拡大抑制策の検討

    第5章 QOL評価のSDGsへの展開
     5.1 SDGsと都市・交通
     5.2 QOLアクセシビリティ法とSDGsの関係
     5.3 まとめ


    第Ⅱ部 国際シンポジウム:交通と都市の計画評価におけるQOLの主流化――Wider Economic ImpactからGNH、SDGsへ

    開会の挨拶と趣旨説明
     1.ウェルカムスピーチ
     2.開会挨拶
     3.シンポジウムの趣旨説明

    セッション1:欧州と日本におけるプロジェクト評価の歴史的変遷と代替アプローチ

    1 拡張効果から変革効果へ:大規模プロジェクトにおいて展開されるイギリスのアジェンダ(Roger Vickerman)
     1.イギリスにおける交通プロジェクト評価の現在
     2.HS2におけるケーススタディ
     3.結論
     4.質疑応答

    2 広範な経済効果(WEI):ドイツにおけるプランニングの実践(Werner Rothengatter)
     1.現在のドイツにおける交通プロジェクト評価
     2.現在の方法に対する批判と提案
     3.これからの経済効果分析
     4.質疑応答

    3 フランスにおける費用便益分析と都市交通への投資:アクセシビリティ転換を目指して(Yves Crozet)
     1.CBAと「グラン・パリ・エクスプレス」
     2.速度の向上と「アクセシビリティ転換」
     3.アクセシビリティ地図を読む
     4.結論
     5.質疑応答

    4 日本における道路事案の評価:防災機能評価の取り組みについて(八尾光洋)
     1.道路事業の評価の概要
     2.道路事業の防災機能評価
     3.まとめ
     4.質疑応答

    セッション2:QOLアクセシビリティアプローチ

    1 QOLアクセシビリティ法とそのケーススタディ:シンガポール、南京、高蔵寺ニュータウン、インド高速鉄道、バンコク、COVID-19パンデミック(林良嗣)
     1.QOLアクセシビリティ法
     2.南京、シンガポールにおける都市鉄道・コンパクトシティのケーススタディ
     3.高蔵寺ニュータウンにおけるケーススタディ
     4.インド高速鉄道におけるケーススタディ
     5.バンコクにおけるQOL-MaaSのケーススタディ

    2 SDGs達成に向けた運輸部門の貢献度評価のためのQOLアクセシビリティ法の拡張(竹下博之)
     1.QOLアクセシビリティ法のSDGsへの拡張
     2.ケーススタディ

    3 日本におけるQOL評価の実践:高速道路とストリートデザインへの適用(森田紘圭)
     1.新たな機能評価の必要性とQOL
     2.道路事業へのQOLの適用
     3.高速道路事業のケーススタディ
     4.街路再整備事業のケーススタディ

    4 QOL評価の都市のスマートシュリンクへの応用(加知範康)
     1.「小さな拠点」形成による生活の質(QOL)と防災力の向上
     2.生活サービス施設と居住地集約のシナリオ設定と評価項目
     3.居住者QOLの評価方法(個人の価値観×生活環境)
     4.長崎県壱岐市を対象としたシナリオ分析

    5 セッション2の発表者4名へのコメント(James Leather)
     1.林良嗣氏(セッション2-1)へのコメント
     2.竹下博之氏(セッション2-2)へのコメント
     3.森田紘圭氏(セッション2-3)へのコメント
     4.加知範康氏(セッション2-4)へのコメント
     5.全体へのコメント

    セッション3:ポストコロナ社会におけるプロジェクト評価

    パネルディスカッション
     1.COVID-19後の社会とQOL評価
     2.COVID-19後の交通行動
     3.QOL指標を活用した政策決定プロセス
     4.COVID-19が渋滞回避の感度分析に
     5.環境から広範な経済効果そしてQOLへ
     6.これからの社会成長に必要な考え方
     7.1分コメント
     8.まとめ

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著者プロフィール

中部大学卓越教授、清華大学傑出客員教授、名古屋大学名誉教授、ローマクラブ執行役員・正会員・日本支部長、日本工学アカデミー中部支部長
世界交通学会会長、土木学会副会長、日本環境共生学会会長などを歴任。都市化、低炭素交通、人口減少時代のQOLに基づく都市・農村のスマートシュリンク研究の国際的リーダー。1990年代に、究極の大渋滞に見舞われたバンコクへの都市鉄道導入を提案、実現。東京湾アクアライン、つくばエクスプレス、インド新幹線のもたらす経済、環境、QOL、GNH、SDGs分析は、政策判断にも応用されている。著書に『持続性学――自然と文明の未来バランス』『レジリエンスと地域創生――伝統知とビッグデータから探る国土デザイン』『交通・都市計画のQOL主流化――経済成長から個人の幸福へ』(共編著、明石書店)、『Intercity Transport and Climate Change』(共編著、Springer)など。

「2024年 『人類は退化していないか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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