五色のメビウス――「外国人」と ともにはたらき ともにいきる

制作 : 信濃毎日新聞社 
  • 明石書店
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750353166

作品紹介・あらすじ

日本ジャーナリスト会議「JCJ大賞」&新聞労連「ジャーナリズム大賞優秀賞」W受賞! 新型コロナ下の外国人労働者問題に切り込んだキャンペーン報道を書籍化。技能実習、特定技能、留学生、日系人労働者、外国人花嫁、非正規滞在、入管問題を網羅した現場ルポ。

感想・レビュー・書評

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  • 信濃毎日新聞などにJCJ大賞 外国人テーマの2作:時事ドットコム
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090300710&g=soc

    五色のメビウス - 信毎web
    https://www.shinmai.co.jp/feature/moebius/

    五色のメビウス - 株式会社 明石書店
    https://www.akashi.co.jp/book/b601759.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆日本の「頼み」地方から警鐘[評]望月優大(ライター)
      五色(いつついろ)のメビウス 「外国人」と ともにはたらき ともにいきる 信濃毎日新...
      ◆日本の「頼み」地方から警鐘[評]望月優大(ライター)
      五色(いつついろ)のメビウス 「外国人」と ともにはたらき ともにいきる 信濃毎日新聞社編:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/173413?rct=book
      2022/04/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      技能実習制度30年 実態を検証
      評 角岡伸彦(フリーライター)
      <書評>五色(いつついろ)のメビウス  「外国人」と ともにはたらき ともに...
      技能実習制度30年 実態を検証
      評 角岡伸彦(フリーライター)
      <書評>五色(いつついろ)のメビウス  「外国人」と ともにはたらき ともにいきる:北海道新聞 どうしん電子版
      https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/684104?rct=s_books
      2022/05/23
  • もう、20年以上前になるけれども
    日本に出稼ぎに来ていた
    日系ブラジル人の夫妻と親しくなった時に
    かの国の郷土料理である「フュージョン」を
    ご馳走してもらった時がある
    その時に、移民としてブラジルに渡って来たけれども
    貧しいがゆえに、まともな食材が買えない
    それで、当時の南アメリカではアメリカ人が捨ててしまっている牛の臓物を煮込んだ「豆料理」が「フュージョン」なのですと教えてもらった
    そのころから
    日本に出稼ぎに来ている 異国の人たちのことが
    ずいぶん気になっている
    ブラジル、チリ、中国、最近では ベトナム…

    さて、今 この国に「技能実習生」の名のもとに
    さまざまな国から、日本に出稼ぎに来ているさまざまな国籍の人たちがいる
    私たちの すぐそばで働いている彼らたちのことを
    私たちは どれほど意識しているのだろう
    私たちは どれほど分かっているのだろう

    徹底した取材に裏打ちされた
    素晴らしいルポルタージュです

  • 日本語教師になって24年目。
    その間、教える相手がいろいろ変わってきた。
    日系人、日本人の配偶者、日本で生まれた外国籍児童、そして技能実習生。

    5年前、技能実習生は日系人など永住が保証されている人より日本語を学ぶ意識が高いと思い、入国後法定法講習を行う学校の開校に携わった経験があり、技能実習制度に嫌気が差し、職場を離れてからも、在住外国人をめぐる様々なことには関心を持ち続けていた。

    この本は、他の類書と比べても、だんとつに充実していた。

    日頃私が感じていることも多く書かれていた。

    「言語教育充実は国の責務」
    「政府、自治体の共生施策はいまだ『支援』が中心」
    など。

    「国内の業界団体などの要望を受け、政府が受け入れ制度を広げたり、増やしたりし、外国人労働者を求めている」
    というのは、うすうす感じていたものの、やはりそういうことなのかと。
    そんな、「安価な労働力」として求められているとも知らず、「日本の高い技術や日本人の働き方を学びたい」と言っている(言わされている?)のを聞くと胸が痛む。

    政府への提言、更に地域社会、自治体及び企業、事業主への提言も、すべて私が言いたかったこと。

    「岸田首相には、外国人労働者への関心が以前より後退している印象を受ける」とあとがきにありました。

    私の周りも外国人住民に関心のない人、迷惑だと思っている人の方が多いですが、この本を読んで現実をよく理解し、お互いに気持ちよく暮らせる社会になってほしいと心から思います。

  • 大変勉強になった。「外国人」の問題を網羅的に扱っているが、一つ一つが薄っぺらではない。当事者、専門家にも十分な取材をされていて、解説もわかりやすい。多くの人に読まれてほしい。今、中島京子さん原作の「やさしい猫」がドラマ化されている。なかなか自分のことと捉えられない日本人に、実情を知らせる意味で、いろいろな媒体がわかりやすく知らせていくことはとても重要だと思う。
    難しいのは、状況が絶えず変化し続けるということだ。この本の出版時には、見送りになった入管法改定も結局良くない形で先月成立してしまった。
    技能実習生の廃止については、いいことだけれど、形を変えるだけで同じだったり、よりひどくなったりするかもしれず、注視していなければいけない。とにかく絶えず情報をキャッチしなければならない。私たちは自分の生活で忙しいのだ…

    10の提言はとても良かったと思う。読みながらもあまりにも問題が多岐に渡り、私の頭は混乱。とてもよく問題点がまとまっていた。ありがたい。そのように政治が変わっていってほしい。自治体任せではなく、ボランティア任せではなく、国がしっかりしてほしい。

    いつも食べているレタスが「未明から」実習生の手で収穫されているとは知らなかった。
    落雷で命を落とした実習生に心を痛めてはいたが、具体的な状況を知って、本当に日本人として申し訳ないと思った。
    そう、日本人として申し訳ないことが多すぎるのだ。少子化で外国人の力を借りなければ回っていかない日本。これからどんどんその状況が進んでいくのに、助けてもらわなければいけないのに、酷すぎるのだ。喜んで来て、働いて、楽しんで生活してもらわないといけないのに。

  • 新型コロナ下の外国人労働者問題に切り込んだ、信濃毎日新聞社のキャンペーン報道を書籍化。「第64回JCJ大賞」「第26回ジャーナリズム大賞優秀賞」受賞。「最も弱い立場の人たちが泣いているのを黙って見ていない」ジャーナリストたちの矜持を感じた。

  • 弱いものと、それに群がる小悪党・・・という構図は「お主もなかなかのワルよのう」「お代官様こそ」「わっはっは」の時代からちっとも変わっていない。しかもそれをなんとなしなくちゃ、と思うのがボランディアだったり小マスコミだったり、大した「権力」を持たない側というのも変わらない。人間がちっとも進歩していなのか、というか人間というのはしょせんはこの程度なのか。日本人だってかつては貧乏出稼ぎする立場だったくせになぁ、と思いつつ読む。これからの日本は日本で働く外国人の手を借りないと立ち行かないし、そうなるべきだと思う。アメリカ型成功主義、成り上がる人は頂点まで、失敗するとどん底まで、というのが正しいとは思わないが、その中庸、ちょうどいいところというのは選べるのではないだろうか。日本は真剣に考えるところに来ているのでは?

    新聞連載をまとめたものみたいだけど、ともすれば微に入り細に入りすぎ、全体が見えにくくなるきらいはある。

  • 八ヶ岳へは何度も訪れていて麓に広がる高原の風景にはいつも心を癒される。信州は私の大好きなところだ。

    農家の人手不足、技能実習生の問題はニュースなどで知ってはいたが、その実情は本当に知らない事ばかりだった。恥ずかしいことに、その地域の誤ったイメージや外国人技能実習生への先入観や偏見といったものも自分のなかにあったのかもしれない。それは一地域だけの問題ではなく私たち全体としての問題なのに。

    技能実習生の問題にとどまらず、外国人労働者全体に取材対象を広げ、社会のひずみから生じるこの問題をどうしたら解決できるのか、政府への具体的な提言にまで及んでいるのは驚きだった。

    地方紙から問題を提起していく事には大きな意味があると思う。こういう新聞社、応援したいと思う。

  • 技能実習生や外国人妻、日系労働者、非正規滞在者といった長野県が直面する外国人を巡る問題を丁寧に取材し、長野と日本の未来のための提言を行う。
    勇ましい言葉を並び立てたり都合の良い話に縋ったりせず、現実と冷静に向き合える勇敢なメディアが長野の地に在ったことは我々にとって幸運だと思う。

  • 外国人労働者の実態を知れば知るほど心が痛む。個人の心の中でいくら嘆いても、行動に出なければ社会は良くならない。この著者のように実態を伝えるような行動こそが大事なんだと思うのだが。

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著者プロフィール

1873(明治6)年7月創刊。現存する国内一般日刊紙で3番目に古い。長野県を中心に朝刊、夕刊を発行する。県内部数42万2千部余り、占有率73.9%(日本ABC協会レポート2021年10月新聞市郡別)。桐生悠々、風見章ら著名な言論人を多数輩出している。新聞連載の書籍化は、いずれも新聞協会賞を受賞した『認知症と長寿社会』(講談社現代新書、2010年)、『不妊治療と出生前診断』(講談社文庫、15年)、『検証 御嶽山噴火』(信濃毎日新聞社、15年)など。『依存症からの脱出』(海鳴社、18年)、『記憶を拓く 信州 半島 世界』(信濃毎日新聞社、21年)も好評。
〒380-8546 長野市南県町657 電話026・236・3000(代表)

「2022年 『五色のメビウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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