- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750514055
作品紹介・あらすじ
子どもの学力は人間関係の「つながり」で決まる
離婚率の低さ――家庭・家族と子どもとのつながり
持ち家率の高さ――地域・近隣社会との子どもとのつながり
不登校率の低さ――学校・教師と子どもとのつながり
貧富の格差が、学力格差を生むのではない。家庭、地域、学校での、子どもたちと周囲との「つながり」格差が学力に強く影響する。人間関係のありようが相対的にゆるやかな「いなか」では子どもたちの学力形成にポジティブに作用する。「つながり」という画期的な視点から、これからの日本の教育の進路に欠かせない論点を提示する。
感想・レビュー・書評
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学力格差を生むのは貧富の格差ではなく、家庭、地域、学校での、子どもたちと周囲との「つながり」の格差。それまで学力向上に課題のあった2県を例に、コミュニティ内のつながり方、先生の関わり方を紹介。「いなか」の関わり方が子どもたちの学力形成にポジティブに作用する。
経済資源、社会関係資本、文化資本、のなかで学力にもっとも作用するのは社会関係資本。お金で解決できない部分。地域での関わり方は「しんどい層」にアプローチしている。また秋田ではしつけも含めた学習のよう。
学力は今二極化し、ふたこぶ -
開発目標4:質の高い教育をみんなに
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99658278 -
◆1/28オンライン企画「わたしの“モヤモヤ”大解剖―わがまま論・つながり論を切り口に―」で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=GTaAW7pHRII
本の詳細
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=692&kw=%E3%80%8C%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8A%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E3%82%92%E7%94%9F%E3%82%80 -
まずは「格差」の「個人差」との違い、集団における是正を必要とされる差であると明示される。 1964年の学力調査と2007年のそれにおいて、躍進した秋田県と凋落した大阪府の衝撃も。
多変量解析によって遺伝形質、家庭背景、学校過程、社会構造と絞り込んでゆく。格差の要因は個々ではなく、さまざまな「つながり」ではないか。
1960年代以降のイギリスの例では、競争的な新自由主義の導入による、想定外の格差の是正が示される。
2012年の国際調査(PISA)に、凋落傾向にあった日本の読解力、数学、科学リテラシーのレベルと格差縮小のV字回復が見られたらしい。しかし、地域固有の問題など、さらなる改善への著者の挑戦は続くのである。 -
筆者の重視する「つながり」は大事だと思う。「つながり」の「質」に言及していたが,もっと分析があっても良いかなと感じた。後半は,学校を中心に「つながり」が論じられていたと思うが,家庭や地域の「つながり」についてももっと言及してほしかった。
最終章でイギリスを中心に外国の教育政策が説明されていた。「しんどい層」の学力向上に取り組む点が各国に共通している点だという。イギリスはニューレイバー政権のときに学力格差を縮小できた。他方で,日本はその点ではとりたてて何もしていない。しかし,日本はPISA2012で結果がV字回復し,学力格差も縮小した。この点を著者はどう考えているのか知りたい。詳細な分析による単著を待ちたい。。。 -
全国の小中学校で学力向上の取組が行われている。学力格差を生むのは貧富の差ではなく、家庭・地域・学校のそれぞれのつながりの差であると筆者は言う。トップクラスの秋田や福井は、指導方法の工夫も行われているが、一番は家庭や地域が落ち着いているからだ。ということは、学力向上の近道は、家庭や地域のつながりを強くすること、つながりを復活させないといけないのか。
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「データや根拠にもとづかない主張はしない」という持論のもとに書かれた本。
学力格差という社会問題が個人的に気になっていたので、読みました。 海外の事例や、日本の地域の例、スクールバスに例えた学説などなど、わかりやかったです。納得できる部分も多かったです。 「経済資本がない子供でも社会関係資本が充実すれば学力は向上する」ということには、希望を持てました。
著者は他にも、いろいろ教育問題について執筆されているようなので、読んでみたいと思いました。
余談ですが、フランスの教育現場や、イギリスの教育現場(の歴史)も知ることができたのも面白かったです。 -
全国学力テストの結果を元にした分析結果や欧米の学者の引用などが多く、教育社会学の概要がつかめるが、著者の経験談等、主張に偏りがある気がした。
関西出身の学者さんのようなので、大阪のテーマが多い。
研究半ばと言った学者さんの現状報告書のようなもの。 -
子どもの学力は人間関係の「つながり」で決まる。「つながり」という画期的な視点から、これからの日本の教育の進路に欠かせない論点を提示する。OPAC → http://t.co/8Nhkr2xYpD