この空のかなた

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 57
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515526

作品紹介・あらすじ

「われわれは何も知らなかった」
宇宙について知れば知るほど、その思いが強くなる

夜空のかなたに広がる宇宙を見るその時、この世界の知られざる姿が浮かび上がる。宇宙で起きる銀河同士の衝突、かなたから届いたとてつもなく小さな時空のさざ波、探査機がとらえた15億キロ先の景色、巨大な星の誕生と最期、私たちの体は星くずからできている……!?
美しく壮大なカラー写真を入り口に、宇宙物理学者がそこに潜む不思議を語る。ページを開けば、そこは宇宙。

感想・レビュー・書評

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  • ハワイ島マウナ・ケア山頂から望む天の川の写真。何度眺めても息を飲む美しさだ。
    ただただ美しい空のかなた。本書には目をみはる幻想的な宇宙の写真がたくさん掲載されている。
    ハッブル宇宙望遠鏡の修理作業中の宇宙飛行士と背景の地球の青さには圧倒され、宝石のような惑星状星雲に魅了される。
    探査機カッシーニが観測したのは、巨大な土星と美しい環、球形や面白い形の衛星たち。作り物ではない宇宙の不思議さは、いつまで見ていても飽きることはない。カッシーニは7年かけて土星の周りを回る軌道に到達し、約10年間にわたり多くのデータを地球に送り続けた。太陽系の天体の中で土星が一番好きなわたしは、カッシーニの使命と大気圏に突入し燃え尽きなければいけなかった最期を思うと目頭が熱くなる。お疲れ様、ありがとう。

    約46億年前に誕生した太陽は、50億年後に寿命を迎えるらしい。その際に、遠く離れた地球をのみこむほど大きく膨らんだ赤色巨星となり、最期には、あの宝石のような美しい惑星状星雲の一つとなるものと予想されている。
    いつの日にか太陽も地球も寿命を迎える。無数の星々も、誕生し成長を続け、やがてその一生を終える。その結果、宇宙空間に撒き散らされた物質を新たな原材料として、次世代の星が誕生する。その繰り返しが、今もあの空のかなたで起きているのだ。
    それは、この地球という星で誕生し死んでいくわたしたち人間もおなじこと。わたしたちの体の大半も、超新星爆発の結果、宇宙に撒き散らされた元素からできているのだから。
    一度生まれたものは無くならない。
    姿を変えて宇宙を巡りつづける。

    「われわれは何も知らなかった」
    わたしたちは、いまだに宇宙のほんの一部に触れただけなのだ。

  • 星の写真が美しい。

  • 美麗な/ときに一見退屈な、天体写真を深く味わうための一冊
    地球に始まり太陽系、太陽系の外の惑星と地球外生命、銀河から宇宙の果てまで、夜空と天文のおもしろいとこを重要な画像と一緒に(知識がなくとも)楽しめます!

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著者プロフィール

東京大学大学院理学系研究科教授

「2021年 『ものの大きさ 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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