中野ブロードウェイ物語

著者 :
  • 亜紀書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750517384

作品紹介・あらすじ

《竣工55周年記念出版》


来る者を拒まず、去る者を追わず――
その存在は常に変わりゆく時代とともあった。
1966年から変転を続けるNBW(中野ブロードウェイ)の世界へようこそ


屋上プール付き分譲マンションと「まんだらけ」などのサブカル店舗群が同居した異空間。活況のインバウンドとコロナ禍を経て、“昭和の不沈艦” は今なおアメーバ的進化を続ける。
当地に暮らす著者がその全貌に迫った異色ルポ。


中央線文化圏を先導した巨大建造物の伝説と現在


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〈本書に登場する中野ブロードウェイのお店とゆかりの人々〉
■古川会長率いる「まんだらけ」
■激安弁当の「シャルマン」
■8段ソフトクリームの「デイリーチコ」
■店内コンサートで賑わう「中野名曲堂」
■高級時計店の老舗「ジャックロード」
■占いの「染心堂」「ばるばら」
■村上隆の「Tonari no Gingaro」

「TRIO」三田隆司、渡辺浩弐、大槻ケンヂ、タブレット純、沖縄電脳少女彩、春日武彦、渡辺浩弐、青島美幸、金子義孝……他多数。

感想・レビュー・書評

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  • 都知事が住んで、ジュリーも暮らした。弁当屋あり、工務店あり。まんだらけが占拠して、時計屋が来て、外国人が爆買い。築56年。ハイソな住まいが、水漏れに悩まされる住居に。こだわる人あり、出ていく店あり。…サブカルに興味があるわけではない。この建物にも行ったことがあるか定かではない。中野という地名に魅かれて手に取った。新宿まで5分。特快止まり、緩行線も東西線も始発で座れる。中央線ユーザにとって羨ましい駅。「ブロードウェイ万歳!」とまでは思わないが、それでも楽しめた。デイリーチコの8段ソフトは是非食べてみたい。

  • 近くに勤務している者です。
    興味深い内容で一気読みしてしまいました。

    ブロードウェイより後にできた中野サンプラザ、中野区役所はリニューアルされます。ブロードウェイ の今後はどうなるのか、注目したいと思います。

  • ブロードウェイの歴史を知ることができて、へぇーという感じ。このまま残してほしいと思う反面、水漏れなどの設備の老朽化は気になるところ。建物が変わるとどうしてもあのカオス感は無くなってしまうと思うから。何とかならないものか。

  • 中野ブロードウェイと言えば、漫画やフィギュアなどを売っている「まんだらけ」がある所で有名だ。





    しかし、中野ブロードウェイの歴史をたどると、オタクの聖地とは全く違う姿があった。





    1966年に誕生した。商業地でもあるが、住宅地の顔もあった。まさか人が住んでいるとは思いもしなかったので驚いた。




    最高級マンションとして売りに出されて、当時のキャッチコピーは「東洋一のビルディング」だった。





    地下2階と3階は機械室、地下1階から4階までが商業施設、5階から10階が居住スペースで、およそ200世帯以上の住民が生活している。





    かつて東京都知事、参議院議員を務め、テレビ番組「意地悪ばあさん」でも有名だった青島幸男や、歌手の沢田研二が住んでいた。





    しかし、1980年代になると、シャッター通りが並んでいたそうだ。





    その原因は、77年3月3日に開業した西武新宿駅に隣接した商業施設「プリンスプロムナード・ペペと、73年9月15日にオープンした当時の国鉄新宿駅から西武新宿駅を地下で結ぶショッピングモール「新宿サブナード」の存在だ。




    そこに1980年、中野ブロードウェイ2階にオープンした「まんだらけ」が後に中野ブロードウェイの救世主的な役割を果たす。





    月日が流れ、2010年代になると、高級時計ショップが次々と中野ブロードウェイに店を構えるようになった。





    そんな中野ブロードウエイも老いが忍び寄ってくる。2022年元旦に水漏れが発生した。天井裏にある配管は建設当時の年代物で、腐食と劣化が目立っていた。




    中野ブロードウエイは、区分所有者だけで500世帯以上あり、耐震補強工事一つとっても、コンセンサスを取るのが難しかった。




    中野ブロードウェイの未来はいったいどうなっていくのか、ふと気になった。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058296

  • ふむ

  • 私は赤べこに乗って31歳で東京に来たため、メディアなどで見聞きしているうちに東京に来たら必ず行ってみたいと思っていた場所が幾つかあった。その1つが本書の舞台、中野ブロードウェイである。

    東京に来てすぐ、中野ブロードウェイを訪れ、それから中野自体の街並み(特に優れた飲食店の多さ)も気に入って、比較的頻繁に通っていた。が、唯一無二のユニークさを誇る中野ブロードウェイがどのような歴史を持つものなのかは全く知らなかったため、本書で語られる建設当時から今に至る歴史が面白すぎた。

    商業施設と分譲マンションを融合させた建物のコンセプト(なにせ知らなかったが屋上にはプールまである!)は完全に森ビルなど現代のディベロッパーの先がけと言えるし、当時にしてよく思い切った建設投資が出来たものだと思う。そして、まんだらけを筆頭に中野ブロードウェイで商売を営む様々なテナントオーナーたちの物語や、自治会長が語る建物の維持管理の大変さなど、個々のエピソードも読みごたえ十分。

    これを読んで久々に中野ブロードウェイにいって、テナントを見て回りつつ、幾つか入っているレトロな飲食店で楽しみたいという欲求を抑えられずにいる。

  • 中野に所縁のある身としてはリアルな情景のうかぶ物語でした。

  • 新築から55年。サブカルの聖地中野ブロードウェイ。この建物に幼い頃から親しみ現在は上階に暮らす筆者が描いた歴史と未来。

    中野ブロードウェイといえばニュー新橋ビルとならんでカオスな建物として年数を経てだけ味のある建物。

    まんだらけのイメージが強いが下階の店舗も区分所有。時代に合わせテナントは大きく入れ替わる。コンセプトのない店舗展開がカオスを産んでいる。

    本書の中に紹介される中野ブロードウェイを引用した作品、こち亀の秋本治と泉麻人の慧眼。

    一つの建物を、深く愛し一つの作品に昇華させる。筆者のブローウェイ愛が産んだ力作です。

  • 住んでる人じゃないとかけないなあ。やっぱり漏水は大変なんだ。へえがたくさん。

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著者プロフィール

1970年5月13日東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクションライターに。05年より中野ブロードウェイに在住。『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』(白夜書房)、『私がアイドルだった頃』(草思社)、『ギャルと僕らの20年史 女子高生雑誌「Cawaii!」の誕生と終焉』(亜紀書房)、『いつも気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『生と性が交錯する街 新宿二丁目』(角川新書)他、著書多数。

「2022年 『中野ブロードウェイ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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