- Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751524756
作品紹介・あらすじ
楽しいバカンスを過ごすために別荘にやってきた人はみんな、「ねこがいたらいいのにな」と思います。その願いをかなえてくれるのがピーターサンドさんでしたが、ある夏事件が・・・。「ゲド戦記」の翻訳者、清水眞砂子が13年ぶりに手がけた小学校初~中級向け童話。
感想・レビュー・書評
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大好きな
ルイス・スロボドキン。
原著出版は一九五四年。
夏のおわり
島の別荘でバカンスを
過ごした人々を、
桟橋から見送る猫たち。
ピーターサンドさんが
さよならと手をふると、
船に向かい一斉に尻尾
をふる猫たち。
この作品で一番好きな
シーンです。
どうしてこんな素敵な
絵を描けるんだろう・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ゲド戦記」の翻訳者・清水真砂子氏が、13年ぶりにてがけた子供向けの本であるらしい。
原作と挿絵は、「百まいのドレス」「てぶくろがいっぱい」などで有名なルイス・スロボドキン。
この名前を聞くと、細めの線で描いた魅力的な挿絵をすぐ思い出す人も多いだろう。
この作品も例外でなく、ページの隅にちょこっと載っている挿絵まで実に生き生きとしている。
笑えるのは、二箇所だけ挿絵にミスがあること。
9匹いるはずの猫が、8匹しか描いていないのだ。でもそれもまた楽しい。
アメリカで出版されたのは1954年ということだが、内容はすこぶる現実的で児童書にしておくのは惜しいほど。
避暑地のホタル島にやってきた人々は、これで猫さえいればもっと幸せなのにと、
島で漁師をしているピーターサンドさんから猫を貸してもらうのだ。
ところが、避暑地から去るときには、猫たちはもう見向きもされない。
大勢の猫と同居しているピーターサンドさんは、入院しているときでも猫の心配をし続けたというのに。
そしてある年、島の掲示板にピーターサンドさんからの驚きの伝言が張り出されるのだ。
挿絵の可愛らしさでつい笑顔になるが、今もなお続く深刻な問題を実に上手く提起している。
かくいう私にも17匹の猫がいる。
この作品のように、すべての人が猫好きであるなら問題は小さい。
しかし現実はそうではない。
児童書と言う形で問題提起し、小さな子供のやさしさが解決への糸口になっていくのは、心が救われる。
スロボドキンて、すすんでるなぁ。 -
「楽しいバカンスをすごすために、別荘にやってきた人たちはみんな「ねこがいたら、いいのにな」と思います。その願いをかなえてくれるのが、ピーターサンドさんでした。でも、ある夏、事件が―」
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2023年にブックサンタで選んだ本
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ねこを可愛がること と、ねこを本当の家族のように生き物として愛すること は、全く別である。
ピーターサンドさんと子ども達から、それを知る事ができる。
言葉が少ないピーターサンドさんの思いは、行動や日々の暮らしから分かる。 -
自分たちの都合や気分だけで動物を飼ってはいけないね。結局最後に信頼できるのは子どもたちだった。
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人の勝手で動物を飼ってはダメです!
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ほのぼのしているだけの本かと思いきや、ちょっと重めのテーマも含まれていました。飼うということ、飼われるということ、さらっとした文章ですが、いろいろ考えさせられます。
大人の視点で、また子どもの視点で、飼い主の視点で、飼い主でもない人の視点でなど、人とねこの関係について異なる見方も描かれています。
http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=291666 -
夏、ホタル島の別荘ですごす人たちは、「ねこがいたらいいのにな」と思います。そこでピーターサンドさんからねこをかりて、夏中かわいがるのですが、夏の終わりにはねこのことなんか忘れてかえってしまうのでした。ところが、ピーターサンドさんがけがをして、入院することになり、だれもねこのことを世話してやらなくなると…。ねこを愛するピーターサンドさんとこどもたちのすてきなおはなし。
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町でくらす人たちが夏にバカンスにおとずれるホタル島。たくさんのねこをかっているピーターサンドさん。町からきた人たちは、夏の間だけピーターサンドさんのねこを別荘に連れて帰りかわいがっていた。ところが、ピーターサンドさんがけがをして、本土の病院に入院することになった。ねこたちの世話をたのんだ診療所の先生も、急に島をはなれることになり…。