悪のしくみ (中学生までに読んでおきたい哲学 2)

制作 : 松田 哲夫  南 伸坊/案内人 
  • あすなろ書房
3.68
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本棚登録 : 163
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751527221

作品紹介・あらすじ

井上ひさし「万引き」、遠藤周作「善魔について」、池田晶子「いじめの憂鬱」など、“悪”とは何か?を考える楽しみに満ちた18編の短編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 悪いことを知らず悪事を働くのではなく。

    悪いことと分かっていて悪事を働くことの、後ろめたさや、背中がひんやり冷たくなる感じを、私は知らないとは言えないし、忘れることもない。

    偽善者を貫きなさいという言葉も。

    悪人正機説も。

    田中美知太郎の言うように「悪はわれわれ自身の奥底に根源をもっているのではないか」と思う。

    けれど、その根源に抗おうとする心があること、葛藤という心情の非合理性もまた、人間は持っているんだと思う。

    だから文学は面白い。

  • 読み終えて、
    例えばA国とB国が戦争していたら、
    C国はどちらの国を「悪者」と思うのだろう?
    と、考えた。

    「悪」は悪い、と読む。
    何故悪いか?などと考える前にまず、
    消去の方法を考えてしまう。

    悪魔、悪人、悪口、悪知恵、悪巧み…
    善、正義、平和…の前に
    あってはならない、やがて広がり収拾がつかなくなる黴菌的なモノ。

    しかし、悪について書かれた
    エッセイ、小説、論文、いろいろ読んでいると
    「悪」の元の元に「哀」が潜んでいる事に気がついた。

    全て、全てがそうではないが、
    「悪だから。」と断言するのならまず、
    何故悪か?を考え、答えを出してみる事も大事なんだな、と感じた。

    井上ひさしの「万引き」は確かに中学生には読んでもらいたいなぁ。

    • MOTOさん
      まっき~♪さんへ

      こんにちわ。
      コメントといいね!を有り難うございます♪

      私も正解も無い問いの答えをぼんやり探るのが好きです。...
      まっき~♪さんへ

      こんにちわ。
      コメントといいね!を有り難うございます♪

      私も正解も無い問いの答えをぼんやり探るのが好きです。
      <悪>もその顔が持つイメージだけで
      怖い、避けたい、消したい、と毛嫌いしてましたが、<悪>と腹を割ってよ~く話し込んでみると、根っから悪い、とは限らないんだな…なんて。
      そういう深いトコまで連れてってくれるから読書って面白いですよね♪
      こちらこそ、嬉しいコメントをありがとうございました!
      2015/12/24
  • 【収録作品】
    井上ひさし …… 「万引き」
    池田晶子  …… 「いじめの憂鬱」
    河合隼雄  …… 「生きる力を育てる」
    結城昌治  …… 「極楽往生」
    倉橋由美子 …… 「子供たちが豚殺しを真似した話」
    寺山修司  …… 「『狼が七匹の子やぎ』に冷たくされる理由」
    遠藤周作  …… 「善魔について」
    中野好夫  …… 「偽善について」
    渡辺一夫  …… 「偽善の勧め」
    亀井勝一郎 …… 「悪人の自覚」
    田中美知太郎…… 「悪はどこから」
    宇野信夫  …… 「鬼あざみ清吉」 
    星新一  …… 「七人の犯罪者」 
    江戸川乱歩  …… 「探偵小説に現れたる犯罪心理」
    堀田善衛 …… 「流血」
    埴谷雄高  …… 「政治について」
    吉野せい…… 「いもどろぼう」
    吉村昭  …… 「鰭紙」 

    中野好夫 偽善について、遠藤周作 善魔については激しく同意した。
    読み物としては井上ひさしの万引き、吉村昭の鰭紙も面白かった。
    本当にこのシリーズは、はずれがないなあ。

  • 230714〜230721

  • 今どきの小学生は、この難解な文章を読めるのか!?と

  • 悪の範疇に未明な時期の、ある意味で悪への入門書

  • 抑圧されている欲望を爆発させる時や、或いは理性で調和を維持できずに、感情が噴出して行動してしまう時、なんかには人間性維持の極限状況に追い込まれる。 人間には悪魔的なところが必ずある。人間性をすり減らすことはその悪魔を体に取り入れていることになる。我慢して不本意なものを売るということは、対価が入るようだが、実は悪魔が、体に入って来て溜め込んでいるということ。 悪は悪いことではなく、人間とは何か?その極限状況におかれた時その深みの淵を覗きみることが出来るような気がする。

  • 「中学生までに読んでおきたい哲学」第二巻。
    一巻より読みやすかったです。お気に入りは
    「生きる力を育てる」河合隼雄
    「偽善の勧め」渡辺一夫
    「七人の犯罪者」星新一
    「鰭紙」吉村昭

  • 某氏に紹介してもらった。最初に井上ひさしによる万引きの話がある。

  • 難解な文章が多かったな〜。
    小学生には咀嚼しきれないと思う。

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