よみがえった奇跡の紅型

著者 :
  • あすなろ書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751529430

作品紹介・あらすじ

琉球の染色芸術「紅型」の歩んだ道のりを、
実践者であり研究者でもある鎌倉芳太郎、城間栄喜、芹沢銈介の熱情の生涯、
また、その時代背景と共に紐解いていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の美しさに思わず手に取った本。
    沖縄の歴史を紐解きながら、紅型について紹介していく。
    紅型をよみがえらせ発展させた3人の人物伝。

    ・琉球と中国王朝の蜜月
    →東南アジアの中継ぎ貿易の中心であった。
    ・島津藩の侵攻。王家・島津の二重搾取
    ・明治政府の廃藩置県。「沖縄県」→450年続いた琉球王国の滅亡
    ・戦中の沖縄。苛烈な上陸戦。被害にあった一般市民の人々の悲劇。
    ←琉球・沖縄の歴史を知ってから考えると、巻き込まれた怒りや、やるせなさを感じてきた。

    「紅型」の紅→さまざまな色、型→模様
    →型染めの技法は中国から、図案の方法は東南アジアの更紗から、多彩な色使いインドの染めから。
    王家から手厚く保護されていた紅型職人
    世界大戦で全てを失ったが、技術を持つ人や、紅型に魅了された人々の手でよみがえった。

    ●鎌倉芳太郎(沖縄文化研究者・染織家・人間国宝)
    琉球に魅了されたヤマトンチュ。
    戦前の沖縄の様子がわかる写真は彼が残したものだけ。
    首里城の保全や紅型の研究・資料収集に力を尽くした。

    ●城間栄喜(紅型宗家・城間家十四代当主)
    型紙は子孫に受け継がれていく祖先の魂。
    父・栄松に技術と心を教えられる。
    戦争では、妻と子を亡くし、戦争後は米軍のゴミ捨て場や日本軍の跡地から、紅型の材料を拾い集めた。
    職人だけでなく、紅型を習いたいという全ての人に門戸を開いた。

    ●芹沢銈介(型染め作家・人間国宝)
    デザイナーとして成功していたが、「好き」だけで仕事をしていいか、悩んでいた。
    紅型と出会い、その鮮やかでおおらかな色と模様に心を奪われる。妻のたよさんが、理解者でありすばらしいパートナーであった。
    生涯の師は柳宗悦
    書籍の装幀も数多く手がけた。
    『絵本どんきほうて』←読みたい

  • 美に魅せられた人々の物語 「よみがえった奇跡の紅型」 - 広告する日記
    https://blog.goo.ne.jp/rintaro-uchida/e/21e9e3b23ad56ebe3a7b0926fe6b8135

    あすなろ書房【よみがえった奇跡の紅型】
    http://www.asunaroshobo.co.jp/home/search/info.php?isbn=9784751529430

  • 出版社サイトより引用

    沖縄を代表する染色芸術「紅型」は、琉球王朝時代に完成しました。
    しかし、沖縄戦でなにもかもを失い、途絶えるかにみえた「紅型」は、実践者であり研究者でもある鎌倉芳太郎、城間栄喜、芹沢けい介たちにより奇跡的によみがえります。独特の美しさに魅了された3人の熱情の生涯を、彼らの生きた時代背景と共に物語ります。

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著者プロフィール

山梨県生まれ。日本児童文学者協会理事。『水底の棺』で日本児童文学者協会賞受賞、『天游』、『龍の腹』(くもん出版)。『水底の棺』『有松の庄九郎』(新日本出版社)、『茶畑のジャヤ』(鈴木出版)で全国課題図書作品に選定。19年11月に初のノンフィクション『よみがえった奇跡の紅型』(あすなろ出版)刊行。

「2021年 『バトン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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