ノクツドウライオウ ―― 靴ノ往来堂

著者 :
  • あすなろ書房
3.64
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本棚登録 : 130
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751531389
#YA

作品紹介・あらすじ

突然、家業の5代目店主候補だった兄が消えた。シューズデザイナーを夢見ていた夏希は、靴職人として100年続く老舗靴店を継ぐべきか、悩める日々――。そこに、クラスのイヤミ男、佐野宗太がひょんなことから急接近!さて、夏希の運命は?
進路に迷うYA世代に贈る職人物語。

感想・レビュー・書評

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  • 代々看板を守って、見守られて、
    人と人とが繋がって、続いていく、
    飾らない、そのままの、靴屋さんの物語り。
    見習い中学生からの視点が、子どもたちにも共感しやすくて、入り込めるかな。
    職場体験、職業調べの学習からも、とっかかりやすい題材かも。
    THE定番な、課題図書。
    早速感想文コーナーにオススメしよっと。

  • 家業があるからこその悩み、って感じ。良くも悪くも中学生らしい主人公たち。
    オーダーメイドシューズって履いたことないけど、きっと良いんだろうなぁ。でもけっきょく最後までお兄ちゃんは出てこないのか…。

  • 中学生が主人公のお仕事小説。老舗靴屋「往来堂」で、「マエストロ」と呼ばれる祖父のもとシューズデザイナーを夢見る夏希。店を継ぐはずだった兄が突然出奔し、自分の将来を中学生らしく考えている。そこへ絡んでくるのは同級生の宗太。嫌味ったらしい宗太を鬱陶しく感じる夏希だが、職人になりたいとマエストロに直訴してきたことをきっかけに、嫌でも関わらなくてはならなくなる。
    どこも個人商店は厳しい時代だ。職人の高齢化、後継者不足、品質よりも安さを求める消費者。それをあぶり出しながらも、中学生の職人見習い達が明るい未来を感じさせてくれる。文章は平易で一人称、読書が苦手な子どもでも比較的読みやすいと思う。

  • 中学生らしい、深く考えない、直上的だけれど、素直な主人公。
    家庭間には2人ともなかなか重いけれど、お互いが分かり合いつつ、将来を見据えていき、未来が明るく終わるところはYA文学として分かりやすかった。

  • 『105度』と同じような将来の岐路に立つ若者の夢と現実のはざまで揺れ動くYA小説。

  • 老舗靴店の伝統を守る4代目と孫。伝統を守る,靴作りの良さは何だろうか。5代目候補の兄が突然家を出た事により、シューズデザイナーとして、カラフルで可愛いオシャレなものを作って沢山の人にお店に来て欲しい孫の夏希は5代目となり、夢を叶えるのかと思ったが、そうではなかった。
    靴作りの細かな手法やお客さんと向き合う接客、何が良いのかわからないという考え方が、結婚式直前トラブルで早急に靴と小物を造り替えないといけないバタバタから、やりがいを見出す。
    同時にいけすかない同級生が見習いとして工房に出入りする。この子との関係性の変化。
    後半ドタバタ詰め込み感はあったが、児童文学として面白い。

  • 5.6年から。不思議なタイトルも、主人公たちと一緒にすっきりと爽やかに終わるところが○。子どもの等身大な悩み方と、子ども目線での社会の人たちとの関わり方も自然で良い。が、お兄さんのことだけが読んだ後も気になる!

  • 経営が危うくなる中、有名人の依頼から一躍繁盛店になる展開。。
    最後の最後まで読んでも、なぜ兄が結局家出してどこで何をしているのかは分からなかったな。けど、手紙のやり取り?をして、兄から返事が届いているということは、住所は分かるんだよね?!

    夏希はどうしてこんなに宗太の事を毛嫌いするんだろう。一方的に酷い扱いや仕打ちを受けたわけじゃないのに…いつだって嫌なやつって決めつけて接していた。割と後半(宗太の兄が亡くなっていると知るまで)まで冷たくて、むしろ夏希の方に違和感をずっと感じてしまった。宗太がなぜ人と距離をとって接してきたのか説明があったけどさ〜夏希は??

    宗太がマエストロと連絡をとって、靴職人を目指している中、マエストロの気持ちも宗太の気持ちも考えず夏希は自分の気持ちだけを一方的に押し付けてて、読んでてなんかツラい…

    ちょいちょい「えらく」って言葉が出てきて、気になった。私が住む地方では馴染みがあるけど、関東にすむ子たちも使うのかな?

    あと、夏希のちょいちょい自分を卑下するときの言い方が嫌だ〜〜「クソ生意気なガキだと思っているんだろうな」とか…そんな風に書かれてると、読者の私も、ええ、ええ、可愛く無いですね!!となるよ!

    宗太もストライプさんも覆っていた皮をとって、素になったら結構好きなキャラかも。靴のことを誤解して、少しずつ客として馴染んでからは纏っていた空気も変わってるもん。ストライプさん絶対こっちの方が人気でるよ!

    宗太、人に教えるの上手いなあ。だけじゃなく、飲み込みも早い。問題集の的確なアドバイスや、クロッキーブックの写しを手書きでやったら全部頭の中に入っているとかさ。よく話すようになってから、彼のキャラクターも生き生きしだした。

  • 2024.04.19

  • 2024年度読書感想文課題図書 中学校の部

    「突然、家業の5代目店主候補だった兄が消えた。シューズデザイナーを夢見ていた夏希は、靴職人として100年続く老舗靴店を継ぐべきか、悩める日々――。そこに、クラスのイヤミ男、佐野宗太がひょんなことから急接近!さて、夏希の運命は?
    進路に迷うYA世代に贈る職人物語。」

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著者プロフィール

『水色の足ひれ』(第22回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞・BL出版)で作家デビュー。主な著書に『スーパーキッズ 最低で最高のボクたち』(第28回うつのみやこども賞受賞)『ぼくのネコがロボットになった』『リジェクション 心臓と死体と時速200km』『雨の日が好きな人』(以上、講談社)、『セイギのミカタ』(フレーベル館)、『つくられた心』(ポプラ社)、『一〇五度』(第64回青少年読書感想文全国コンクール中学校部門課題図書)、『アドリブ』(第60回日本児童文学者協会賞受賞)、『世界とキレル』(以上、あすなろ書房)など。
イタリア在住。日本児童文学者協会会員。季節風同人。

「2023年 『おはなしサイエンス AI(人工知能) ロボットは泣くのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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