- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784752960027
作品紹介・あらすじ
「難経」は、黄帝内経の重要ポイントを81章にまとめあげた珠玉 の聖典であるが、これを現代人に理解しやすいよう解説した。1難から81難に至るまで生理、病理、治療と順を迫って説いており、また六部定位 の脈診による治療法など、臨床を中心としたところに特徴がある。
感想・レビュー・書評
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O4-1/9/1
1989年10版を所蔵詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『黄帝内経』と並んで鍼灸のバイブル的存在として『難経』という本があります。これは、『黄帝内経』をベースにしながら、より実践的、臨床的な部分を81の章にまとめて書かれたと言われ、著者は扁鵲とも言われています。
経絡治療の元となる「虚したらその母を補い、実したらその子を瀉す」とは、『難経』の六十九難から来ています。その他の記述もすべて臨床に役立つことばかりで、無駄のないエッセンスが凝縮された内容になっています。
しかし原典に書かれた本文はとても簡潔な文章で、その文が示す中身を理解するのは容易ではありません。『難経』が世に生まれてから、様々な医家が解説をしており、その中でも元の時代の滑伯人(滑寿)の書いた『難経本義』などは日本でも親しまれてきた古医書の一つです。
本書『難経の研究』は、経絡治療草創期の本間祥白氏によって書かれた本で、『難経』を読み始める古医書初心者の方にはお奨めです。本間先生は、上述した『難経本義』をはじめ、当時にあっても多くの原著を読まれている方なので、原典に触れている著者の幅広い知識と、その内容の的確さがそこにはあります。初版が発行されて40年以上経ちますが、その内容は未だに示唆が多く、経絡治療、本治法、古典的な鍼灸術を学ぶときには、常に傍に置いておきたい一冊です。
またこの本は、本間先生の遺作ともなりました。序文には、本間先生の師匠であった井上恵理先生のお話などもあり、日本経絡治療の基礎を築いた方々の遺志を今に伝えています。
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