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- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784753102785
作品紹介・あらすじ
―― 二人の思想家をめぐる知と闘争の歴史 ――
いまあの中国で、批判的知識人たちが熱烈に魯迅と毛沢東を読み返している。二人の対照的〈思想家〉の実践を軸に、内戦、抗日、建国、文革、改革開放へといたる全革命史を、中国特有の近代化への試行錯誤として捉え直し、いま思想と政治経済社会との関係を問う。
感想・レビュー・書評
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作家ないし政治家であることを越えて、真のモダニティを獲得するために「精神を変える」革命を志した二人の思想家にして活動家の足跡を追い、それによって両者の著作の問題設定を新たな光の下に照らし出す労作。毛沢東が、「阿Q」の革命への参加へ向けて魯迅をどのように読んだかもさることながら、日本における魯迅の受容史も興味深い。竹内好が「掙扎=抵抗」として魯迅を読んだことを、今どのように受け止めるかという問題は、現在の問題でもあろう。魯迅の「硬訳」の思想が紹介されている点も重要。中国革命の歴史のなかで両者の思想と活動を描き出すという問題設定からして致し方ところもあろうが、両者の作品の内実について、『帝国の亡霊』のような考察があれば、個人的には嬉しかったところ。
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