めでる国芳ブック どうぶつ ([バラエティ])

著者 :
  • 大福書林
4.25
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本棚登録 : 44
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756247599

作品紹介・あらすじ

想像をこらした未知の生物から表情豊かな身近な動物まで

江戸の絵草紙屋にタイムスリップ。眺めて飾って細部を味わう60枚
絵草紙屋の店先で気に入った絵を選ぶように、1枚の絵をB5判の1ページ大で楽しむ趣向の「めでる国芳ブック」シリーズ第3弾。

全作品に日・英解説がついており、本としても読めますが、切り離すことができる仕様となっています。江戸時代の人々が絵草紙を楽しんだように、現代の私たちが作品を雰囲気を楽しめるよう、考えてみました。気に入ったものを1枚ずつ切り取って、自由に楽しんでいただくのが、本書の正しい使い方です。

第3弾は、「ねこ」編とは別に編んだ、「どうぶつ」編です。
思わず抱き上げたくなるかわいい子犬や、巨鯨・大緋鯉・鰐鮫などの恐ろしい題材をダイナミックに描いた三枚続の作品群、はたまた表情豊かな金魚や蛸・雀といった国芳お得意の「人を演じる動物」。どれも命を持つものへのあたたかい想像力があふれ出ています。人が動物に抱く観念や神秘を感じとり、人との関係を多彩な形で表現した、国芳の動物画をめぐる1冊。
「かわいい動物の絵には昨今恵まれている。しかし、それだけではない、もっと多様な、もっとありのままの人と動物の関係はどうだろうか。国芳の作品には、ストレートにそれが表れているように思う。世界的にみて、日本は動物をめぐる多彩な美術を営んできた国である。それを生み出したのは、複雑な人と動物との関係と、それを具現できる国芳のような画才である」。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 数年前に
    京都に「国芳展」に寄せてもらったことがある
    かなり 大きな会場だった記憶がある
    「立ち止まらずに 歩きながらご覧ください」
    を避けるために 平日を選んで行った

    いゃあ 面白かったなぁ
    の 感覚だけが残っている
    奇想天外、吃驚
    大胆で緻密
    そして
    上質のユーモア

    その感嘆を再び
    こうして じっくり味わえる

    それが この一冊
    B5版の大きさがまた嬉しい

  • 前回に引き続き、歌川国芳のねこを含めたどうぶつをモチーフにした作品群を解説してくれているのが本書です。前回と同じ作品を上げられているのもあり、解説が似通っていてアレっと思ったら、作者が「ねこと国芳」と同じく金子さんでした。

    本書では、かわいい犬を書いた丸山応挙風の子犬、なのに何故だか成犬になるといかつくなる不思議な作風の犬や小雀、金魚に亀、蛙に虎、とたくさんのどうぶつたちが登場します。かわいい作品からちょっと気持ち悪い作品まで幅広く網羅させています。

    6の船橋屋前の解説で、犬が6匹とあるのに絵のページを見ると5匹しかおらず、何で?と思いますが絵のほうは次のページまで続いています。(つまり三枚続きになっています)

    きれいに切り取って並べることも出来ますが、当然図書館の所蔵本ですので、切り取り禁止です!!切り取ってみたら壮観なんだろうなとは思うので、気に入った方は是非ご購入下さいね。

    本書の個人的お勧め作品は、8の本朝剣道略伝犬江親兵衛です。着物の柄の犬張り子が大変かわいらしい作品です。国芳作品にはしばしば駄洒落が登場しますので、この時代は歓迎されてたんだな、と、そのあたりの言葉遊びにも注目して見ていけば面白いですよ。

    図書館スタッフ(東生駒):homusa

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=1100398947

  • 武器がナメクジかー

  • 歌川国芳が書く金魚が大好きなので表紙につられて購入。
    猫や金魚以外にもたくさん書いていたことを知ることができました。
    1ページごとに絵が1枚ずつ載っていて嬉しかったです。
    (大抵の本だと動物はひとくくりで小さく収められてしまうので)

    製本がわざと1ページずつ切り取れる様になっています。
    本の形のまま保管したい人は少し不安になるかも。

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著者プロフィール

金子信久(かねこ・のぶひさ)
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館などを経て、府中市美術館学芸員。担当展覧会に「亜欧堂田善とその系譜」(福島県立博物館、1990年)、「司馬江漢 西洋との接触、葛藤と確信」(府中市美術館、2001年)、「亜欧堂田善の時代」(府中市美術館、2006年)、「リアル 最大の奇抜」(府中市美術館、2018年)など。「亜欧堂田善の時代」展の企画と図録論文で第18回倫雅美術奨励賞受賞。主要論文に「亜欧堂田善の銅版江戸名所図群に関する絵画史的検討」(『国華』1220、1997年)、「迫真と形象化‐司馬江漢と亜欧堂田善の油彩画」(『民族藝術』22、2006年)、「司馬江漢 西洋風景人物図屛風」(『国華』1336、2007年)など。著書に『日本美術全集14 若冲・応挙、みやこの奇想』(共著、小学館、2014年)、『もっと知りたい長沢蘆雪』(東京美術、2014年)、『子犬の絵画史 たのしい日本美術』(講談社、2022年)ほか多数。

「2022年 『作って発見! 日本の美術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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