日本の都市のなにが問題か (世界のなかの日本経済:不確実性を超えて)

著者 :
  • NTT出版
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757123212

感想・レビュー・書評

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  • 151027
    課題が論理的に明快に整理されていて、考えが整理された。

    学んだこと
    借地借家法により賃貸人は自身の意思で賃貸人との契約を解除することができず(正当事由制度)、長期の賃貸の見通しが立たないため、リスクの大きい借家が広がらない。結果、戸建住宅の恩恵を受けられる人の範囲が狭くなっている。2000年に改正があったが、長期契約を途中で解約しても違約金の支払いが義務付けられていないなど、課題も多く残っている。
    また、建物を所有し土地の評価を下げ相続税を下げることが可能なため、30年で資産価値が0になるような低質な住宅しか建設されず、中古住宅市場が未成熟になっている。平均的価格が付けられる場合、価値の高い住宅は売りに出されず
    その価格より低い価値の住宅のみ売りに出されるため、中古住宅は価格以上に低質な住宅が多くなってしまう(コースの定理)。売買を前提とした住宅建設が行われれば、売却資金をあてにしたローンを組むことができ、結果よ多くの人が住宅の恩恵にあずかれるようになる。

著者プロフィール

山崎 福寿(ヤマザキ フクジュ)
共立女子大学ビジネス学部教授
1954年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。上智大学経済学部教授、日本大学経済学部教授を経て現職。経済学博士(上智大学)。著書に『土地と住宅市場の経済分析』(東京大学出版会、1999年、日経・経済図書文化賞)等。


「2020年 『経済学で考える 人口減少時代の住宅土地問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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