- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757123830
作品紹介・あらすじ
実験経済学の研究から生まれた最新分野「行動ゲーム理論」の初めての本格的入門書。従来のゲーム理論がもっていた「クールで合理的な人間」という前提を修正し、感情をもった不合理な、リアルな人間の行動の解明をめざす。第1版刊行10年を経て、この間の研究の進展を反映してアップデートした待望の第2版!
感想・レビュー・書評
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行動ゲーム理論という新しい分野についての教科書。ゲーム理論の入門書を読み終えたあとに読むとよい。巷では行動経済学が一種の流行りである(ちょっと大げさ?)。が、本書のように、行動経済学と実験経済学の立場の違いをきちんと説明している書籍は少ないように思う。両者の論争やお互いの目指す道が本書では整理されていて、とても興味深い。
本書の記述は全体的にていねいで分かりやすい。ただし行動メカニズムデザインを取り上げた第6章はやや難しい(メカニズムデザイン自体が難しいトピックスだからだろう)。各章は章末にコラムがあって、中でもエクセルを使ったシミュレーションの手引きは面白いと思った。自分ですぐにでも結果を確かめることができるので、例えば学生のゼミ発表などに使えるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実践的なゲーム理論について学べる本です。本書を読む前に、予めゲーム理論の入門書を読んでおくことをお勧めしますが、ゲーム理論の基礎的な理解があれば、丁寧な解説で読みやすい印象を受けます。
「囚人のジレンマ」などが有名なゲーム理論の基礎的な考え方は、単純化されており私たちの実際の行動にそぐわないことが多いです。行動ゲーム理論は私たちの実際の行動を理論的に表すための研究分野になります。
本書は行動ゲーム理論を幅広く扱っており、利他的行動や読みの深さ、制度設計などの記載もあって行動ゲーム理論の面白さを理解することができます。行動ゲーム理論は実験による検証が難しい分野ですが、多くの研究者の尽力により、私たちの実際の行動の理論化が着実に進んでいることがわかりました。 -
東2法経図・6F開架:331.19A/Ka92k//K