そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757211964

感想・レビュー・書評

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  • ブクログユーザーさんのレビューで「だえん問答」に興味を持ち、本棚登録していた。
    同じころ、ある書評サイトで、面白い書評だな、と思い、誰の書いたものなんだろう、と確認すると、豊崎さん。ん?この人って確か、と本棚に確認に行くと、やっぱり!
    そこから、みるみる興味がわき、著書の情報などにもアクセスしてみると、この「そんなに読んで、どうするの?」に行き当たった。紹介文には【闘う書評家&小説のメキキストトヨザキ社長、初の書評家。某大作家先生が激怒した伝説の辛口書評を特別袋綴じ掲載】とある。
    なんだこれ、面白そう。読まなくては。2005年のものと言うことで、当然、書評もそれ以前のものになるけど、でも読みたい。袋綴じの書評に物凄く興味を惹かれてしまったことは言うまでもない、、、

    さて、実際手にしてみると、分厚い。そりゃそうだ。239作品分の書評だ。とりあえず、袋綴じは後のお楽しみに取っておくとして、本編を読んでみて、と思ったのだが、あまりの分厚さに弱気になり、いや、ちょっと先に袋綴じを読んでしまおう、と言うことで先に読んでしまった。
    いやー、豊崎さん、すごいですね。闘う書評家と言う名に偽りなし、誇張なし。え、大丈夫なんですかね?書評を載せる雑誌も、出版業界。小説家先生に気を使って、仕事ほされたりしないんですかね?
    と思って読んでいたら、しっかり仕事に影響出てるんじゃないですか!しかしそこでひよらない。すごいですね。・・・これ全文をどこかで読めないんでしょうか?

    そして、あとがきで著者が触れていることにとても共感した。
    いきなり、袋綴じに行き、本編の感想をとばして、あとがきについてで、何だこのレビューは、と言う感じなのだけれど、、、
    この本のタイトルでもある「そんなに読んで、どうするの?」と言う周囲からの問。『これまでの人生で親や友達や恋人からそう訊ねられたことが一度や二度はあるはずです』
    ありますよね。あります。しかも、ただ本が好きだと言ってもまた、ビジネス書やノンフィクションしか読まない、と言う人と、小説ばかり読んでしまう、と言う人では少し違うのではないか。ビジネス書好きからの「小説なんて役に立つ?」。それから漫画をこよなく愛する人からの「恋愛や人生やそういう学びは漫画でも十分得られるよ」とか。
    そうなってしまうと、私の貧弱な思考力と語彙ではうまく答えることができないのだ。特に、漫画好きに言われる「漫画でも得られる」は、漫画もそれなりに好きな自分としても、そうだよなあ、、、なんて思ってしまうところもあり。その『意外に核心をついているのかもしれない質問』に豊崎さんなりの答えが書かれている。
    『人間を非・理解の不幸なループから救うのは、想像力です。そして本を読むという行為は、想像力を培うのにもっとも有効な手だてなのです。「そんなに読んで、どうするの?」今度訊かれたら、こう答えたいと思います。「想像力っていう、強いチカラを身につけんの」』

  • 長い間、豊崎さんの書評を参考にして、海外文学を購入してきたが、僕の現状では、「そんなに積んでどうするの?」と言われても仕方がない。
    まあ、そんなことはさておき、いずれにしても大酒呑みのオヤジギャルならぬオヤジオバサンを思わせるtwitterアイコンにもかかわらず、豊崎さんが小説の読み巧者であることは間違いないだろう。
    読むほどに彼女の小説への熱い思いが伝わって来る。
    この本を読めば、誰でも読みたい本が山のように増えてしまうに違いない。
    やっぱり、豊崎の書評は、面白いんです!


    豊崎の書評は、面白いんです!

  • 38893

  • ボリューム感が半端ない。そして、内容の濃さも圧倒的。ひたすら書評を読み続けると飽きが来るので(自分だけ?)、少しずつ、ちょっとした隙間時間とかに読み進めてきました。その間、ここで気になった作品をいくつか手に取ったりもしながら。社長の書評には鉄板の型があって(まあそれは当たり前のことなのかもしれないけど)、それが分かってからの方が、理解もすんなり出来るし、共感度も上がってくる感じ。って、これも当たり前か。書評してる本について感想を書くってのもなかなかむべなるもので、空疎な気持ちがしてきたのでもう止めます。でも今後も、この中から何冊も読むことになりそうだし、繰り返し手に取ることと思われます。

  • 2005年12月9日、初、並、帯付

  • 読みたい本を見つけるために読みました。

    海外文学には疎いので、いくつか発掘。
    ただ、日本文学に比べて書評のテンションが低かったように思います。
    「ですの」口調がうっとうしいと思う人には不向きかも。

    11.12.16

  • 2011/12/16購入

  • 「文学賞メッタ斬り」シリーズを見れば分かる通り、作家の経歴だろうが受賞歴だろうが、誰が褒めていようがけなしていようが、己の感性でぶった斬る、豊崎由美の書評本です。
    彼女の書評を読書の指標にしている人も多いのでは?もちろん、ワタクシもその一人。日本文学はもとより、海外文学も網羅したこの本は、私の良き読書の羅針盤となってくれそうです。

    軽快な文章で紹介される本達は彼女の手によって立体感を増し、印象を強めます。手放しで褒め、薦め、全力でけなす!けれど、読んでいるこちらが身震いするような辛口批評も、本に対する飽きなく愛!があればこそ。

    巻末についている、袋綴じ辛口批評はまだ見ていません。見たいけれど……、もうちょっと熟成させておく!

  • 239冊の書評

  • 「文学賞メッタ斬り」シリーズを見れば分かる通り、作家の経歴だろうが受賞歴だろうが、誰が褒めていようがけなしていようが、己の感性でぶった斬る、豊崎由美の書評本です。
    彼女の書評を読書の指標にしている人も多いのでは?もちろん、ワタクシもその一人。日本文学はもとより、海外文学も網羅したこの本は、私の良き読書の羅針盤となってくれそうです。

    軽快な文章で紹介される本達は彼女の手によって立体感を増し、印象を強めます。手放しで褒め、薦め、全力でけなす!けれど、読んでいるこちらが身震いするような辛口批評も、本に対する飽きなく愛!があればこそ。

    巻末についている、袋綴じ辛口批評はまだ見ていません。見たいけれど……、もうちょっと熟成させておく!

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著者プロフィール

1961年生まれ。書評家、ライター。「GINZA」「TVBros.」「共同通信」などで書評を多数掲載。主な著書に『ニッポンの書評』、大森望との共著に『文学賞メッタ斬り!』など。

「2017年 『村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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