- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757221109
作品紹介・あらすじ
2012年7月30日、ひとりの柔道選手が世界の頂点をきわめた。松本薫、25歳。「獲物を狙うオオカミのような眼」で「狩人」のように攻め、「カタチではなく気持ち」で柔道を表現するアスリート-。胸に秘めた「約束」を果たした彼女がいま、全身全霊で取り組んできた柔道のこと、支えてくれた家族、恩師、仲間、これからの生き方、それらすべてをつないできた想いを語りつくす。
感想・レビュー・書評
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2012年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得した女子柔道の松本薫さん。
石川県金沢市に生まれ育つ。
彼女の子供の頃からの柔道へ向き合ってきた姿が記されています。
オリンピックでの試合を思い出しながら読んで、感動が蘇る感じです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夢をつなぐ
著者:松本薫
発行:2012年12月5日
アスペクト
2012年・ロンドン五輪の柔道競技、男女を通じて唯一の金メダルが女子57キロ以下の松本薫だった。しかし、見ていた僕はなぜか彼女の柔道が好きになれなかった。その時には分からなかったが、4年後のリオ五輪での彼女を見ていると、すごく〝汚い〟柔道だと思えた。襟を取りに行くときには、完全に相手の顔を殴っているように見える。相手が倒れ、待てがかかるのが分かっていても上に膝落としをしながら倒れ組む、プロレス技のパワーボムみたいなことをする・・・
(柔道トーシローの勝手な見方です)
そんな好きでもない柔道選手の本など、なんで読む気になったかというと、その当時に彼女が所属していた大阪の会社というのが、マルチ商法の会社であって、かつ、その3年前に特定商取引法違反により半年にわたって一部業務停止命令を受けていた(再三の警告にもかかわらずそれに従わなかった非常に悪質な企業であると当時の経済産業省サイト書かれていた)から。そんな会社に、どうして彼女が大学を卒業して所属したのか、それを知りたかった。もしかして、どんな会社かもろくに知らないで入社したのだろうか。
その点だけが知りたかった。
実を言うと、その会社の影の経営者(オーナー)は、僕も知っている人。若い頃、仕事上で知り合ってそれなりに親しくしてもらっていた人でもある。ただ、ある新興宗教の熱心な信者であり、世の役に立つうんぬんについてよく語り、そこに宗教の臭いプンプンだったため、こちらから遠ざかっていて、もう何十年もボツ交状態だ(恐らくこのまま一生そうだろう)。
その会社は、マルチ商法部門をやめ、やがて柔道部も廃止した。マルチ商法の末路、ほとんどの会員が大損するのみ、そのパターンだった。今は造園とか書いてある。ある自治体が出資するJ1のサッカークラブチームへのスポンサーにもなった時期があったが、そんな過去がある会社をスポンサーにすべきなのか?ということを問われ、知事もその点を認める発言を行い、その年限りでスポンサーを下りている。
松本薫は、この本を出した時点でまだその会社に所属していた。当然、悪くはかけない。入社については、「私は社会性が全然ない、できるのは柔道だけ」とした上で、その会社から「松本薫、本人そのものがほしい」といわれたことが決め手になった、としている。
読者としては、どうしてその言葉が決め手になったのか、よく分からない。
また、その会社は「社会貢献に力を入れているところなので、私は柔道を通じて少しでも社会貢献できればと考えた」ともしている。
そして最後に
「この選択は本当によかったと思っています」と結んでいるが、その後、リオ五輪を待たずに廃部になった時にも、同じように考えていたのだろうか。
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兄1人、姉2人、弟1人がいるが兄と弟の年齢はあまり気にしたことがないので覚えていない。仲が悪いわけではない。数字があまり得意じゃないだけ。
ドラゴンボールがイメージする一番近いもの。だから、憧れの選手を聞かれても「いない」と答える。あるのはドラゴンボールみたいな妄想だけ。
大学2年の夏に妖精を見た。道場で練習仲、麦茶のボトルに近づくと、フタがパカッと開いて中から小さい人が顔を出し、そのままふわーっと飛んでいった。7センチぐらいで緑色。丸い、ふわっとしたものに包まれている感じ。後ろにいた同級生は見ていなかった。
2010年から、世界柔道選手権の代表が各階級2人になった。ナショナルチームに選ばれると2人はずっと一緒に練習。これがオリンピック直前に半分に削られるため、一緒に戦ってきた仲間への思いが大きくなる。
控え室では対戦相手に声をかけるなど気さく。ふざけていたりする。「野生」「野獣」といわれる表情になるのは試合の時だけ。
ロンドン五輪最終選考会、結果は意外。優勝は世界ランキングで下位に沈んでいた宇高菜絵。松本は決勝で敗れる。松本のライバル佐藤は初戦で宇高に一本負け。
試合中は観客席の声が全部聞こえてくる。知っている声はすぐに誰だか分かる。
ロンドンの表彰台で笑ったのは、3位のオトヌ・パビア(フランス)が背中をくすぐったから。
上を見すぎないこと。くじけそうなときは、本当の目標よりずっと手前にある、いま自分ができること、やるべきことを見つけて、コツコツ努力する。 -
一流と呼ばれる人は、やはり常人とは違う何かを持っていますね。
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編集協力させていただきました