アオイココロが地球を割る(削る)(1) (ビッグガンガンコミックス)

著者 :
  • スクウェア・エニックス
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757549968

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  • 中々に破壊力のあるラブコメだ
    ラブコメ好きな人は、表紙を見て感じた相性はまず気にしないで読んだ方がいい。私は星四つくらいの気配を感じて購入を決めたが、実際に読んでみたら、星五つのレベルだった(仮に、十点満点評価であったのなら、8か9である)
    斬新、そこまで言ってしまうと、やや誇大だな、と思うので、目新しい、に留めておくことにするヒロイン・蒼井こころは異能者である。ただし、自分で念動力(かな?)を自在に発動できる訳じゃなく、あえて言うのなら、自動反射式の能力者だ
    彼女が念動力を発動させてしまう条件、それは心に刺激を受ける、正負関係なく
    チョロインの気がある彼女は「カワイイ」等の褒め言葉に弱く、気持ちが浮かれたり、照れてしまうと、周囲の物を耐性など関係なしで壊してしまう。逆に、心へ不安が押し寄せてくると、力が暴走してしまいそうになる
    この手のヒロインのお約束であるように、彼女もトラウマを抱えている
    イジメられていた経験が、彼女の心に暗い影を落とし、外から見ると回復しているように見えていても、ふとしたキッカケで傷が開いてしまう
    ある意味、この『アオイココロが地球を割る(削る)』は、ラブコメでもあるが、ヒロインの心の回復もテーマなのだろう
    彼女の心を癒すのはもちろん、蒼井こころに興味もとい淡い恋心を抱いたクラスメイトの男子、須藤総一だ
    この総一、良くも悪くもバカな男子高校生なのだけど、底抜けにイイ奴だ。何と言うのか、異性からの評価は低いが、同性からは妙に人気がある奴だ。私も結構、好感が持てる
    そんな総一の押しの強さに、蒼井こころも次第に絆されていき、彼を異性として意識していくのだが、その恋心は周囲に被害を生むのだから、皮肉だ
    総一は、蒼井こころの危険性を知った上で、彼女に能力をコントロールする術を身に付けさせるべく、協力を惜しまない、どんなに酷い目に遭っても
    彼の長所は多いが、私としては、蒼井こころの心の傷に気付いた上で、見て見ぬフリではなく、自分から話してくれるのを待って、他の事のように根掘り葉掘り聞こうとしない思慮深さが一番だ、と思う
    また、この手のラブコメらしく、人間関係も、それなりに単純じゃないので、彼らの関係の変化も気になるトコだ、今後
    ネタバレになってしまうのかは微妙だが、蒼井こころは母親との関係がイイとは言えない。ただ、これは私の勝手な推測(深読み)なのだが、娘にキツい言葉を顔も見ずに浴びせる母親、もしかして、彼女もかつて、自分の感情の揺れ幅で周囲を壊してしまう存在だったんじゃないだろうか。だからこそ、自分同様に力をコントロールできる娘の苦しみを判った上で、それは自分で超えるしかない、と考えて、自分の心が痛む、娘に怨まれるのも覚悟で冷たく接している? 母娘が和解する日も、また楽しみだ
    私がお勧めしたい回は、上記したが、総一がカッコいい所を見せてくれる第7話だ。イジメる側が100%悪いのは誰でも分かっている。けど、苛められていた側は、自分に非があるから苛められるんだ、と思いこまされちゃう、誰も助けてくれないと。蒼井こころの場合、自分の意志で加害者に暴力を振るって怪我をさせたならまだしも、溜め込まれた負の感情が爆発した拍子に大事件を起こしてしまったからこそ、傷が深くなっちゃったのかもな・・・先で、総一の待てる点はカッコいいと書いたが、その一方で、前に踏み出して、ヒロインが作っている壁に体当たりしなきゃならない時があるのも確かだ
    この台詞を引用に選んだのは、総一に惚れ直したから。私も、惚れた女に、特別な意識もしないで、これくらい、涼しい顔でクサい台詞を言える男らしさを育みたいもんだ。まぁ、イイ事を言った後に、ちっと余計な事を言っちゃうのが、総一の玉に瑕なトコだが、それも含め、やっぱ、コイツはカッコいいな

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