君と綴るうたかた(1) (百合姫コミックス)

著者 :
  • 一迅社
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本棚登録 : 230
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784758022026

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとだけ展開が無理やりなのが長過ぎてダレる

  • 雫と夏織にとって『付き合う』とは何を意味するのだろう?思わずそんな事を考えてしまうくらいに二人の恋人ごっこはどこか歪

    恋人でない者達が恋人のフリをするなんて、古今東西のラブコメにおいて乱造されるネタであるのだけど、本作にて描かれる恋人のフリは甘酸っぱいものではないね
    それというのも、雫が夏織に三種類の弱みを握られているから
    最初の弱みは自作小説。これを握られている限り、雫は夏織の不興を買えない
    次の弱みは物書きとしての性か。自分の作品を評価し、更には新しい題材を提供してくれる夏織を邪険に出来ない
    最後の弱みは過去の呪縛か。他者を傷付ける事に酷く怯える雫は夏織の提案を強く拒絶できない
    夏織がこれら雫の事情をどこまで把握した上で『恋人ごっこ』を始めたかは定かではないけれど、突如始まったこの関係は甘酸っぱさがすぐに結びつかない奇妙な関係となっているね

    というか、恋人ごっこを始めるのは良いとしても、夏織が恐ろしいまでに積極的である点はよく判らないね
    雫の家に2日連続で押し掛けるし、雫が服がないと言えば一揃え提供するし。ごっこ遊びと馬鹿にした雫に同調して始めた関係の割に費やす労力が本物の恋人よりも重々しいものになっている気がする
    かといって夏織の表情からは雫を貶めようとかそういった裏を感じさせるものは見えず、むしろ積極的に雫との恋人ごっこを楽しもうとする意図が感じさせる
    奇妙な関係なのに、そこで交わされる感情はポジティブなものばかりという辺りに本作の歪さが見えてしまう


    ただ、夏織が本当に裏表のない人物かと言えば、そうで無い部分もほんの少し見えてくるんだよね。何かしらの思惑は有る。
    例えば、雫と一緒に朝顔の種を植えたときに強く祈り雫に縋る様子とか、水族館デートの際に雫の横顔を見てから名前呼びに変えた様子とか、夏織が何かしらを抱えているのだろうとは想像できる
    けれど、それが何なのかが判然としない

    そういった歪さが決壊するかのようなラストの告白。これは二人の『恋人ごっこ』にどう根付いているのだろうか?

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