バーナード嬢曰く。 (6) (REXコミックス)

著者 :
  • 一迅社
4.22
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本棚登録 : 343
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758069540

感想・レビュー・書評

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  • 1巻のひねこびた雰囲気から、徐々にほんわか路線へ。
    それもまたよし!

  • 神林さんがますます可愛らしく思える「ちょっと ええ話(T.T)」が満載(*^^*)♪表紙にもある知的ギャグ「オドロキ オドラデク!」使ってみたいな~(゚∀゚)

  •  10周年を迎えた読書あるある漫画「バーナード嬢曰く。」。
     刊行そのものは6巻とスローペースだが、その内容は相変わらず濃厚であり、読書(家)あるあるは読み手を飽きさせない。

     個別に見ていっても、この巻は実に濃厚だ。
     例えば88冊目では、実は名探偵の方のコナンが好きだという長谷川さんが、思わずグッと(オタクムーブを)抑える様が描かれている。
     そこでの説明は実にわかりやすい。わかりやす過ぎて刺さり過ぎる読者もきっと居るだろう。(例えば私などがそうである)
     しかもその後描かれた「彼女が思い描くコナンファンの理想的な会話シナリオ」に見えるオタク度の高さは凄まじく、実に充実していた。
     そりゃ町田&神林コンビも言葉に困るよ。(笑)

     89冊目での長谷川&遠藤コンビの会話は、尊い。
     そこには読書の美しさと、青春の美しさが共存するあまりに尊い物語があった。
     この短い話の中で、どこまでも心打たれる一話だ。
     こうしたエモは92冊目や93冊目、あるいは97冊目の町田&神林コンビの対話でも見られている。
     特に97冊目「心を読まないで」の青春模様の描写は本当に素晴らしい。
     8ページしかない一話の中で、後半の3ページを言葉少なに描く様には圧倒される。

     また、未読読者に論破された愛読者が描かれた90冊目「フランケンシュタイン」や、続編を読みたくないとワガママを言い出す91冊目「悪童日記」など、読書家的なネタも豊富である。
     中でも98冊目「山月記」は秀逸の極み。
     若さゆえに傲慢に振る舞えと論を振る町田に対し、完璧に応えてみせた遠藤少年の山月記☆1.0レビューは本当に秀逸。
     これこそ読書感想の正しいあり方だろう。明確な論理があっての星一つは、むしろ絶賛レビューと同質と言っていい。

     99冊目「『かいけつゾロリ』と罪の記憶」が描く旧悪の痛みもエモい。
     103冊目「続きがなかった話」は、どこか示唆深い話が繰り広げられた一方、そこから推し進める話がない感じなどは少し面白い。
     本当に最初からずっと、身の詰まった内容しかないと感心させられる。

     そして最後、104冊目「デス博士の島」。
     この一話が最後に配置された構成は、あまりに美しすぎた。
     引用された言葉があまりに(一部の)読書家にとって温言であり過ぎる上、神林に甘える町田の風情もまたエモの塊である。
     読後感をまとめるにふさわしい、本当に美しい一話だった。

     本当に驚かされるほど充実した一巻だった。
     あるある系漫画は刊行を続けることでネタが尽きていく問題と無縁ではいられないが、この作品はスローペースの刊行ではあれど、ネタの質が安定して良好だ。
     そして何より、彼ら四人の関係の充実がもたらす読後感は本当に快い。
     彼らが話しているだけで楽しく、その上でネタまで上質なのだから、読者としてはたまらない。

     文句なしに星五つ。可能であれば、星を9個くらい送りたい良巻だった。
     あまりに素晴らしかったので、一部(山月記の部分とか)を未読の知人に見せたくらいである。素晴らしかった。

  • 自分の好きな本を褒めたい。
    自分の友だちの好きなところを言いたい。
    今回は、長谷川さんが愛しい。

    そして『かいけつゾロリ』の苦い思い出。
    まさか、ド嬢に泣かされるとは(TへT)

    試験勉強とか、図書委員の仕事とか
    思い出したように「高校生活」ネタが
    入るのも楽しいし。

    神林が実験させられる
    人が本を読み終えて放心しているのを見ると
    いったいどんな本かと興味を惹かれる説。
    『本当にあった!特殊乗り物大図鑑』
    読みたくなっちゃったじゃないか!

  • 図書館に集まる高校生たちが読書を介した交流を深める「読書マンガ」

    古今東西に数多の本が溢れているために、話のネタである「本」自体が尽きることはない。
    しかし、このマンガは「読書礼賛マンガ」でありながら、高校生たちの交流の深まりを描くことを忘れていない。

    巻を重ねるごとに交流を描くことの比重は大きくなっていた(特に主人公の町田と神林)
    しかし、この巻は交流の深みと描き方がこれまでよりも思いっきり振り切っている。
    例えば、図書委員の女子生徒長谷川と斜に構えたところがある読書家の男子生徒遠藤の交流。その2人が同じバスで帰ることになり……
    例えば、『フランケンシュタイン』に対する神林と遠藤の考えの違い。そして最後に出てくる町田の行動。
    本や読書を介した登場人物の交流とそのときの気持ちの描き方が巧みだ。

    特に町田と神林の交流の描き方はえらいことになっている。
    97冊目(97話目)は図書室が開くのを待っている2人の交流が描かれている。本の話題は出しつつも、主軸は2人の交流。後半の台詞がほとんどない展開とオチには驚かされた。エモい……
    あと『かいけつゾロリ』の話も胸にぐっときた。


    根本的な本や読書の面白さに触れるところも忘れることなく描かれている。
    自分が紹介した本がおもしろかったと言われることの嬉しさ。当たり前すぎるけれど、嬉しすぎるよね。
    『山月記』に各々の感想。遠藤の評価は辛辣でありながら、おもしろさも兼ね備えている。

    読書のおもしろさに触れられるマンガ。
    また、コミックスを追い続け、4人の関係性を知っている人ならなおさら楽しめる巻。

  • グータラ読書家・バーナード嬢こと町田さわ子。彼女と友人たちが語り合う図書室での読書トーク。実在の本の感想を、まるで自分の友だち同士が語り合っている風景のように読めるところが魅力!

    さわ子と神林の甘酸っぱい関係性もアクセントに。表情を見て心が読めると調子に乗ったさわ子。わかるからこそ誠実に対応したんだと伝わってきてよかった。その後の回では、神林がさわ子の変化を敏感に感じ取って手を差し伸べているのも素敵だった。巻数を重ねるごとにキャラ描写も厚みを増していく。

    「読んでる時の心が動いた瞬間に価値があるんだろ」
    本の内容だけじゃなく、心の動きもまた宝物。かと言って、あの文化史を読むことははばかられる。あの本、図書室に置いてあっていいのか(笑) 続編の話も好き。ぼくもここで終わらせたいって作品があるから、自分で物語をあえて止める読み方は憧れる。

    リモートお茶会で本棚を見せるシーンも面白かった。ぼくの周りでも本棚を見せることに抵抗がある人がいる。ぼくは割と見て見てこんな本があってお薦めだよ!みたいなタイプなので、理由を聞いてなるほどと。ぼくは好きな音楽の趣味を曝け出す方が抵抗あったりする。きっとそういうことなんだろうね。

  • 読書好きあるあるネタも面白いし、キャラ設定も良い。特に女の子3人の絶妙なキャラクターが好き。
    読書愛好家たちはとりあえず読んで損はない。

  • いつも遠藤が読んでる本を買っている

  • スロースタートにも程がありますが、2022年の初読了本です( ´艸`)

    まだ6巻ですが、ド嬢が10周年であることに、「オドロキオドラデク!」(´⊙ω⊙`)
    (このオドラデクって、カフカの短編に出てくる謎生物らしいです)

    今回、引用されている本はやや少なかったように思います。
    それがつまらないとか物足りないとかではなく、逆に町田、神林、長谷川、遠藤の4人の会話が、いつもよりさらに心に入ってくるように思えました(相変わらずマニアックで、ゆるくて、鋭くて、青春してて、っていう面白さ)。

    本巻の個人的ビビッとは、アゴタ・クリストフの「悪童日記」です。
    雑誌「ダ・ヴィンチ」の創刊号の表紙で、モッくんこと本木雅弘さんが持ってたもので、僕にしては珍しく単行本で買ったんですが、未だ積読本です…
    (読了日:1月17日)

  • 遠藤くんと長谷川さんが一緒に帰る話がとても良かった。善でエモ。
    あと、「悪童日記」は未読なので読んでみたい。

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著者プロフィール

代表作『バーナード嬢曰く。』『鬱ごはん』『銀河の死なない子供たちへ』『オンノジ』『ヨルとネル』など多数。2014年に第18回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞。2016年10月には『バーナード嬢曰く。』がアニメ化される。

「2019年 『ハナコ@ラバトリー 新装版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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