あの研修医はすごい! と思わせる 症例プレゼン〜ニーズに合わせた「伝わる」プレゼンテーション

  • 羊土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758118507

感想・レビュー・書評

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  • 2年次初期研修医です。私は昔から頭に描いたものを口に出して喋るという事が苦手で、思った様に上級医にプレゼンテーションできない瞬間が多々ありました。流暢に話す同期の研修医を横目に、自分はこういったスキルを持って生まれてこなかったのだと決めてかかり、半ば諦めの境地に浸っていました。しかしながら研修期間も2年目となり、自分より下の学年が現場に現れる様になって、先輩としてカッコ悪いプレゼンテーションを見せる訳にはいかないと思い立ち、この本を手にしました。何かしらのコツが一つか二つでも知れたら良いなと軽い期待を抱いて読み始めたのですが、実際はそれを凌駕する感動が詰まっていました。当たり前ですが、やはりプレゼンテーションには奥深いセオリーがあり、上手な方はそれを踏まえて臨んでいるという事実を今更ながらに知りました。つまり、そのセオリーさえ押さえれば、誰にでも良質なプレゼンテーションは可能なのです。具体的に踏み込むと、時系列や所見を伝える順番等の基本的な事から、プレゼンテーションの目的毎に構成や順序を整理する必要性まで、それぞれがフローチャート形式に図示化して解説されているので、視覚的に非常に分かり易いです。それを基に伝える内容を完璧にしてから、実際にプレゼンテーションを行う際のテクニックを次に学んでいきます。言葉の間のとり方や、時間配分等、意外と気付かない箇所がポイントとして挙げられていて、非常に勉強になります。更には、プレゼンテーションのために網羅的に患者の情報を事前に収集しておく事や、患者の状態を抽象化、共通言語化して聞き手と思考のプロセスの共有を図る事の重要性も丁寧に解説されていて、プレゼンテーション一つでここまで幅広い下準備が必要になるのかと目から鱗が落ちました。勿論実際に声に出す練習も必要です。理論だけでなく、プレゼンテーション自体に慣れる事、聞き手からフィードバックを受ける事に関しても触れていて、実践的な内容も豊富です。この本から、医師として成長する上でプレゼンテーションは不可欠なものなのだと教わりました。
    後半からは応用を利かせて、各シチュエーションに応じたプレゼンテーションの仕方について書かれています。デイリーのショートプレゼンテーションや、他科やコメディカルへのコンサルテーション、学会発表やレクチャーのポイントまでプレゼンテーションに関して幅広く話が展開されており、個人的に盲点であった箇所まで解説が施されていて、新たな気付きを促してくれました。私の苦手意識を払拭し、更には早くプレゼンテーションをしてみたいとも思わせてくれたこの本には誠に感謝しております。私と同じ様に、日々のプレゼンテーションで悩んでいる先生がいたら、強くこの本をお勧めします。読めばきっと、プレゼンテーションに対する考え方が変わるはずです。

  • B290

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