戦神

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.04
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本棚登録 : 82
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413350

作品紹介・あらすじ

日本(ひのもと)一の武士(もののふ)、大友の宿将・戸次(べっき)鑑連(あきつら)(後の立花道雪)。
鬼と呼ばれた男の凄烈な運命と愛。無名にして最強。
『大友二階崩れ』で颯爽とデビューした著者の、魂ふるえる最高傑作。(書き下ろし)

戸次(べっき)鑑連(あきつら)(後の立花道雪)は、父・親家(ちかいえ)が主君の怒りを買い、
その責を負って切腹し果てた母から生まれた。
新たに主君となった大友義鑑(よしあき)に認められた鑑連は、
次々と戦功をあげ、多くの家臣に慕われて、大友最強の将と称えられた。
ついには幼馴染で永年想い続けていた重臣入田(にゅうた)家の娘・お道と結ばれ、
評判のおしどり夫婦となったのだが……

感想・レビュー・書評

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  • 鬼と呼ばれた大友の宿将・戸次鑑連をえがく。
    引きこまれる物語。

    心の底から相手を信頼し、たいせつに思い、言いたいことを言い合える。
    鑑連夫婦も戸次家臣団も、とにかく登場人物が魅力的。

    アットホームで、貧しくとも幸せな戸次家。
    外では負け知らずで恐れられる鑑連が、愛妻や家臣の前で見せるやわらかな一面は、ほほえましい。

    深い絆がある彼らだからこそ、苦渋の決断はせつない。
    何度もじーんときた。

  • 2023.8.28完了
    ほとんど知らない戸次鑑連を中心とした大友勢の話。
    まぁ最後が悲しくて悲しくて、こんなことがあったのかと、初めて知る。
    信長の野望勢としては入田家なんて気にしたこともないから知り得ることもなかった。
    非情の戦国時代が描かれていた。

  • 戸次鑑連の小説。哀しくも美しい。でも、やっぱり哀しい。愛しているのに、大切なのに、引き裂かれる。自分の力では、どうしようもならないことがある。
    人々が愛する者たちと平和に安心して生きていくことができる世の中が良いね。
    赤神さんの文章、好き。

  • 九州大友の宿老戸次親家は、主の大友親治の子(五郎九郎)を養子に貰い星野実房との戦いに出陣して後に片腕を無くす傷を負いながらも五郎九郎を死なせて親家の逆鱗に触れ子を宿す妻お梅の切腹を言い渡すと共に役を解く。お梅は自分で腹を切り子を取り出し死す。その子八幡丸(後の立花道雪)は武勇に優れ育つ。大友家は親家は亡くなり子の義鑑の時代に移る中、筑前が大友の宿敵である中国地方の大内家の攻めを負うと復活を狙う片腕の戸次親家が認めら総大将に命じられるも病に倒れる。八幡丸は、武勇を誇り群れを嫌う白杵親連、親家を陥れた文官入田親廉の子親誠らと戸次家の復興を願う八幡丸は親家の後妻お孝を説得して戦いに向う。白杵親連援軍の元八幡丸は数に勝る大内軍に勝利するも後日、白杵親連が早命で亡くなり八幡丸は戸次鑑連と名す。。。。

  • 大友の猛将、戸次鑑連(べつきあきつら)の物語。「大友二階崩れ」や「大友落月記」などに続く大友家モノ。作者の赤神氏がなぜに大友家にまつわる作品が多いのかは知らないけど、今作は前半、戸次鑑連の強さ、家臣や正室のお道とのやり取りの軽妙さなど、バランスが良くかなり気持ちよく読めた。しかし、戦のなくなる中盤以降、一気に地味モードになり、あれ?なんの話だっけ?ってなって、最後はわかるんだけども、その流れでそう思う?ってなってしまって、なんだか乗り切れないまま終わってしまった。

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著者プロフィール

1972年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒。法学博士(上智大学)、上智大学法科大学院教授。弁護士。2017年、「丹生島城の聖将」(単行本時のタイトル『大友の聖将(ヘラクレス)』)で第12回小説現代長編新人賞最終候補となり。同年、「義と愛と」(単行本時のタイトル『大友二階崩れ』)で、第9回日経小説大賞を受賞。

「2022年 『友よ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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