いつかみんなGを殺す

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.02
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本棚登録 : 236
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758414425

作品紹介・あらすじ

鹿野森優花(かのもりゆか)は、東京の老舗超高級ホテル、グランド・シーズンズの総支配人だ。
この座を与えられてから1年、会長である祖父から譲り受け、社長となるには、今日行われるイベント・ミッドサマードリームナイトを成功させることが絶対条件だった。
だが、対抗する旧勢力から、思いもよらぬ邪魔立てが……! 
清潔かつ華美なこの空間に、居てはならない〝G〟を相手に、支配人、グランドシェフ、ベテランフロアマネージャー、新人ホテルマン、VIP客の歌舞伎役者、ピアニスト、
そして影のある清掃人など、それぞれの立場と思惑が錯綜し、昇華する!! 
そう、人は皆、いつか、〝G〟を殺す……。

感想・レビュー・書評

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  • 超高級ホテル、グランド・シーズンズが舞台でGがもしかして主役なのか⁇と思うほどのドタバタコメディとみた。

    祖父からホテルを譲り受け、若き総支配人となった鹿野森優花が気に食わない副支配人の穀句ローチ。
    なんとか彼女の改革案を阻止しようと老獪な手練手管を駆使して邪魔をする。
    そこにGだ。
    Gが声も出さずに勝手に登場するのである。

    高級で清潔で華美なホテルに絶対居てはならないGを相手に支配人と副支配人、清掃員にグランシェフ、新人ホテルマン、VIP客の歌舞伎役者にマネージャー、ピアニスト…彼らたちはGに踊らされる⁈

    ホテルならでは?の登場人物の多さと名前が…名前が特徴ありすぎて、ちょっとひく。
    Gを全面に出した物語にもいやぁなんとも…となる。

    G、しばらくお目にかかってないけれどリアルに見たような気になり、本を読み終えてからも床や壁をじっと見てしまった。
    飛んでるGや壁面を這ってるのは想像すべきではないな。

  • 端役では登場すれども、G(ゴ○○○リ)が中心に展開する小説なんて、これまでなかったのではないだろうか?
    このアイデアを思いついた著者はそれだけですごいな、と思う。

    超高級老舗ホテルの権力争いに使われるG。
    一歩間違えれば、ホテルものとも地に沈むことは間違いない。
    若き総支配人鹿野森優花は、この難局を乗り切れるのか…。

    ギャグとしか思えないエンタメ小説だが、Gは、何かの例えに使われているのではないかと勘ぐりたくなる。
    netgalley7.22

  • 舞台となるのは格式高い五つ星ホテル「グランド・シーズンズ」。1年の中で最も賑わうイベント「ミッドサマードリームナイト」の最終日、“G”と対峙しながら関係者全ての命運をかけた勝負の1日が描かれる。ホテル内の権力争い、殺G鬼の知られざる過去、Gにより人生を狂わされたもの、Gに身命を賭したもの、様々な思惑が絡み合う一夜は人生の岐路となる。挫折や苦悩を味わった過去を持つもの達はGを前にした時、自分と対峙する。果たして人は“G”を殺すことができるのか?

    といった感じの喜劇。いやいや、読んでいるこちらは笑ったかと思ったらまた笑い、ちょっとウルッときかと思えばまた笑い、そんな感じ。息詰まるくらいの緊迫感があれば、思わずツッコミを入れてしまう場面もある。グッとくる一行があれば次の一行で笑う。これでもかと起こるこの一夜の出来事は、丸一日エンタメ施設で遊び回るよりはるかにスリリングだろう。当事者にはなりたくないが、現場にはいてみたい。いや、たしかに『いつかみんなGを殺す』のかもしれないと思えば、ちょっとこんな1日があってもいいか?

    目次と人物紹介を見てツッコミたくなった方は、とにかく読んでみられることをおすすめします。ただ念のため、人前で読む場合はご注意されたほうが良いかもしれませんね。

    しかし、最後の一行はあらぬことを想像してしまいゾワワワっときた。過去の一件が連想されるけど、まさか…ね?

  • 正直、自分でもなぜこのタイトルの本を手に取ったかわからないけど、読み終わった後はつい「w」を文末につけたくなってしまうwここではあまり使わないようにしてたけど今回は使おうw


    本屋でタイトルに惹かれ?て本を開き、登場人物紹介のページにならぶ、
    ・穀句ローチ(こっくろーち)
    ・姫黒マリ(ひめぐろまり)
    ・市川硼酸次(ほうさんじ)
    ・霧吹太治(きりふきたいじ)
    ・クリスタルブラウン など…
    このわかりやすいG関連の名前になぜか心を掴まれてしまった記憶…w

    ここに表記したのは登場人物の一部ですが、調べたら他の登場人物もGに関連する名前のようで…迂闊に検索すると画像が出てきて後悔します。検索はおすすめしませんw


    ------
    本の舞台は東京にある老舗超の高級ホテル。ホテルにとってとても重要な日に突如、大量に現れたGを巡って、色々な立場の人のそれぞれの物語が進んでいきます。

    個人的には三谷幸喜さんの映画THE有頂天ホテルを思い出しました。ホテルを舞台にしたドタバタ喜劇。
    その中に、そこがそう繋がるのか!みたいな驚きもあり、自分の心に留めておきたいような一文もあり、おもしろく読めました。

    ただ、いかんせんずーーーーーっとGの話なので、人に勧めるのが憚られる…w
    Gが人に何かするわけでもなく"ただそこにいるだけ"なのだけど、私はGを退治する描写に「うぅっ…」となりながら読みました。

    Gを全く別のもの、例えば「この映画ではGの代わりにお花の映像を使用します」みたいな表現で映像化されないかな。おもしろそうなんだけどw

  • うーん、キャラクターが一通りそろうまでは、
    どんな展開かワクワクしたんだけど。

    心の傷やわだかまりをなんでもかんでもGに投影してしまう終盤が、ちょっとだめでした。
    やるならもっとコメディにコミカルに振り切ってほしかった。

  • 私の嫌いな虫ワースト1がGだ。
    昨年の夏、初めてエアコンを稼働した日に送風口から飛び出して来たGが私のパジャマの右肩に着地した。

    死ぬかと思った。

    命をも脅かす存在であるGが本作ではわんさか登場する。

    躊躇なく握りつぶす猛者もいれば、「Gは僕のすべてだ。」などとG愛をのたまう者もいる。

    東京の老舗超高級ホテルに集った個性豊かな面々が巻き起こすGとの闘いから目が離せない。
    登場人物のネーミングから始まり、Gと共にちょいちょい飛び出すギャグに頬が緩む。

    ただ私にプリンセス・ドリルをマスターする日は永遠に来ない事は確信した。

  • はちゃめちゃだけど、すごく面白かったです。Gの扱いがあまりにもひどくて笑っちゃうほどに。これだけとっ散らかしたドタバタ劇を最後にGを象徴化することによって強引にまとめる手腕も見事だったと思います。漫画的ではありますが、キャラクター造形が上手かったですね。

  • 非常に気持ちが悪いのに最後まで読んでしまう不思議。
    でもとても気持ちが悪い

  • 老舗超高級ホテル「ホテル・グランドシーズンズ」を舞台に、創業家の若き総支配人・鹿野森優花と、彼女を陥れようとする旧勢力との攻防。
    送り込まれたG100匹と、訳ありのVIPが持ち込んだビッグGを客に気付かれずに駆除し、無事に今日のイベントを乗り切ることができるのか。
    凄腕Gハンター、歌舞伎役者と特命を帯びたその付き人、殺虫剤メーカーの研究者、ピアニストなど、それぞれの立場と思惑が交錯する。
    そしてタイトル「いつかみんなGを殺す」の真の意味とは。



    面白かった〜
    Gを叩き潰すプリンセス・ドリルなる技は想像するだ恐ろしい。あの音、感触が蘇ってきて背中がゾワゾワする。だけど後半にかけて、それぞれ鬱屈を抱えた登場人物たちが自分の弱さに向き合い、それに打ち勝っていくという流れ、その弱さのシンボルとしてGが効果的に描かれる快感。
    ラストは絵に描いたような大団円。爽快でした。

  • やっぱりみんなGを殺してしまった。蜚蠊だけはと思ったけど、愛には勝てなかったか。そして敗者はGを殺せない。
    物語の真ん中にGが据えられるなんてなかなかないから面白かった。が人間の都合で連れてこられて殺されるGが1番可哀想ではあった(虫好き目線)

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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