一途 新・剣客太平記(四) (ハルキ文庫 お 13-15 時代小説文庫 新・剣客太平記 4)
- 角川春樹事務所 (2016年4月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758439879
感想・レビュー・書評
-
大剣客となっても、人情派
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回も痛快な4話収録。
立派な道場の師範となった竜蔵。
弟子の教育には心を配る。
腕の上達がめざましく、直心影流派の試合に出る若き剣士、幸之助は、子離れできない母親がうるさくて仕方がない。
知恵を絞って母親と引き離してやると、幸之助は立派な結果を残した。。。
かつて、竜蔵の命を狙うために雇われた殺し屋は、嫌な奴しか殺さない流儀。竜蔵を気に入った五十嵐左内はその剣の強さから、揉め事が寄ってくる人生だった。だが本人は、そんな暮らしから離れて本当の意味での自分の生きがい人生を探して江戸に舞い戻る。漁師の仲間になりやっと生き生きとした暮らしになった矢先、剣豪に狙われる。
行きつけの居酒屋の主人は頭も薄い50代、色っぽい話もなくただのジジイになるのかと思っていた時、親しくなった女性が出現。なんとなく元気になった。がその裏には陰謀が。
昔から顔を見れば喧嘩ばかりしていた相弟子沢村からの救援を忍ばせる手紙が届き、出稽古もやめてひた走る。
そこで、友の窮地を救うべく友人猫田とともに大活躍!
痛快!! -
時代小説、大好きである。
しかし、この本の作者 岡本さとる氏を、あまり知らなかったので、沢山 剣客太平記を書いているのに 拝読していなかった。
第4弾の本を手にした時、毎度遠くにいる息子からの電話が、無かったので心配の種が、伸びていた時であった。
主人公の直心影流の世話役の狭竜蔵(はざまりゅうぞう)の道場に内田幸之進という18歳の弟子が居るのだが、、、、
母親千佳が、息子の事が心配でならない。
しかし、どちらも、思いやる気持ちが、嫌みでなく上手に描かれていた。
第2話 「剣の重荷」
釣具屋の大浜 香具師のの元締めでもあり浜の清兵衛が、足をくじいたのを聞いて、竜蔵は、見舞いに行くのだが、、、、そこで、昔会った事のある、人斬りの五十嵐佐内に出会う事になる。
五十嵐佐内に、生き甲斐になるものを、、、と、投網を教えたら、上手になり、芝の漁師たちとも仲良くなるだが、、、、岸井と葦原の2人から果たし状を貰う。
五十嵐佐内に、その2人以外にも5人の浪人が現れる。
竜蔵は、そこに現れて、剣の技がうなる。
諦めてはならぬ。人は些細なことによって次から次へと不幸せにみまわれるが、それと同じに、ふとしたきっかけで、幸せを手に入れる事が出来ると、、、、
第3話 「たなごころ」
居酒屋のごんたの主人 権太は、好いたお紺の嘘と、その後ろに不良御家人に騙される所であった。
竜蔵が、取り押さえったのだが、、、、
権太の女房お仙は、全てお見通しだったみたいである。
第4話 「喧嘩の友」
竜蔵と沢村直人は、同門でありながら、剣では、争っていた仲間であるが、直人は、6年前に九州で医学の勉強をしに旅に出ていた。
その直人が、金品強奪に殺しの罪の濡れ衣を着せられる。
宿の女将のお滝と一緒に旅を共にしていた文之助は、グルであった。
それを暴いた竜蔵は、ひと暴れ!
「喧嘩の友」も、深い意味合いがあり、、、何か男の友情のようなものが、、、心地よい話であった。 -
ここのところ大変気に入っている時代小説。
直心影流の道場主で凄腕剣客の峡竜蔵を主人公とする、単純、明快、人情的で爽やかな時代小説である。
この巻では、ちょっと竜蔵の凄腕を見れる機会が少なかったような気がする。
今までの巻と比較すると読後の爽快感が多少薄かった。
しかし気持ちの良い時代小説だ!