ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)
- 角川春樹事務所 (2018年8月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441964
感想・レビュー・書評
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食堂のおばちゃん シリーズ第四弾。
今回も姑 一子、嫁 二三子、アルバイトだけど若頭の万里が営む「はじめ食堂」が舞台。
今回は万里の元同級生の青木皐とその仲間のニューハーフ3人組の活躍も。
料理もどんどんグレードアップしているよう。
今回もほっこりなよいお話でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過去の自分の思い出は音楽や書籍とともにあるように、食事や飲み物もともにその時代を彩る。
ローストビーフってお弁当に入れるものではない。我が家では一度だけ入っていたことがある。姉妹は弁当を開けてすぐに蓋をしたが、私は完食した。そして夕方救急車で運ばれた。夏の日の出来事だった。一子や二三と違って、我が家の母は大雑把でその血をみんな引き継いでいる。
複雑なメイの気持ちとそれを弄ぶヤツ、メイにとっては大きな良い経験だと割り切ってほしいと思った。
不倫はそれぞれが幸せになることができるのだろうか?一子の「老いるのではなく大人になりなさい」という説得の仕方が、きっと相手に響く言葉なんだろう。
花見は三原さんのマンションで、桜の花の天幕のあるマンションってステキだなぁ。そしてその美しさに負けないほどの三原さんの思い出に、儚く寂しさを感じた。
今回は1月から5月の季節の物語5話だった。はじめ食堂に集う人たちの温かく、思いやりのある言動がなんとも心地よく目の中に飛び込んできた。
要や万里の成長も美しい文章で描かれている。人もお店も時間とともに変化していくものだ。季節の移り変わりだけでなく、時代の流れも上手く表現された作品だった。
今回もほわほわさせられた。私の時の思い出とともに。山口恵以子さんに感謝だ。 -
万里君の成長を嬉しく思ったり、新しいメニュー気になるとか思いながらニヤニヤして読めた。
今回も色々な料理に癒された。特に白菜のクリーム煮と季節野菜のゼリー寄せが気になって自分でも作りたいと思った。
美味しいものはやっぱり人を笑顔にしたり幸せにするなーっと思えた。 -
食堂のおばちゃんシリーズ第四弾
サクサクと気軽に読めるのでやめられない
今回は、2017年の仕事納めから2018年の新年のお節
2月の節分、3月お雛祭り、4月のお花見と季節の行事を上手に取り込んで、お得意さんに楽しくもてなしする様子が描かれていた
そして5月のゴールデンウィーク。この時ばかりははじめ食堂は休業、一子と二三は一切料理をせず、嫁と姑で日頃気になっているレストランの食べ歩きをすることが恒例となっている
何というすばらしい思いつきか
何という仲の良さか
読むだけで、楽しく羨ましくワクワクする
そして、いつものことながらハッと大切なことに気付かされる一子の言葉
歳を重ねる覚悟とはどういうことなのか
今回もいろんな料理を文字と雰囲気で味わわせてもらった ごちそうさまでした
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食堂のおばちゃんシリーズ4冊目。
姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂。
一子は80歳代半ばになり、アルバイトの万里も3年目を迎えた、
この定食屋兼居酒屋での人情話を味わう短編集。
第一話 おせちのローストビーフ・・・年末最終日の人間模様を経て、
迎える正月。おせちを味わいながらの団欒での話題は、着物。
万里が関わった初詣での事件での、ジョリーンの活躍も。
おせちのローストビーフの如く、奇抜もいつか、普通になる。
第二話 福豆の行方・・・鰯の話から生み出される、節分のメニュー。
ショーの話から始まる、メイの恋人について。寿司職人?
メイの部屋でその彼を紹介された万里は違和感を感じる。
その正体を探る、はじめ食堂と常連たち。そして・・・。
第三話 不倫の白酒・・・雛祭には雛あられと白酒のおもてなし。
そんな中、要は人気作家の担当になる。ビビる彼女だが、
姪と来店した彼は気さくな人。だが、店貸し切りで行った
その姪の会社の送別会は不倫発覚の修羅場に。その原因とは。
第四話 ふたりの花見弁当・・・常連の三原が発案した花見は、
他の常連たちも参加し、楽しい宴会になった。桜の景色に
導かれるように思い出すのは、一子も二三も、そして三原も、
過去の花見の風景。想い出が沢山ある。これからも。
第五話 サスペンスなあんみつ・・・常連のダンス教室のパーティーで
始まったゴールデンウイーク。一子と二三は食べ歩きで
過ごす日々を送る。だが、懐かしい店の様子や味の変化に
戸惑う。そして偶然に入った甘味処。店内の違和感に気づく。
突然、二人は思わぬ場面に遭遇。まるでサスペンス劇場!
<巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。
優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
今回は、季節の行事に纏わる物語が中心。
新しい常連たちを交えながらも、変わらぬ店の雰囲気。
調理の様子、食べる人々の表情までも浮かび上がるような、
美味しさ溢れる描写は、相変わらず食欲を誘う。
だが、季節の移ろいと同時に語られるのは、時代の変化。
歩く街、生活、そして味。長い時代の流れの中、人にも店にも
運命がある。それは理不尽で予想のつかないものかもしれない。
一子も80歳代半ばになり、老いを今更ながらに感じている。
でも、はじめ食堂はここにある。若頭の万里の成長も著しい。
そう万里君。
味の追求だけでなく、人としても格段に成長しています。
彼に導かれるように常連になった、ニューハーフの三人も素敵♪ -
食堂のおばちゃん第4弾!
気持ちは自分もすっかり常連!
週に何回来店するかな?笑
人生決して楽じゃない。
しんどい思いをする事も多々。
でも「はじめ食堂」の常連でいたらそれらをなんとか乗り越えられるかもしれない。
「はじめ食堂」は、そんな心の拠り所。
今回も心とお腹をたっぷり満たしてもらいました! -
4巻にもなると、常連さんの1人にでもなったかのような錯覚をしてしまいます
一子と二三の関係性が素敵です
血の繋がりはないのに、大切にしている思い出と今を共有している素敵な家族です
万里くんの料理のレベルアップにもワクワクします! -
一子おばちゃんはもう80歳代も後半なんだ。それでも元気に厨房に立っている。はじめ食堂のご飯は確かに偏りがちな食生活によさそう。季節ごとのイベントをちょっとずつ盛り込む万里の提案に大賛成!食堂が盛り上がりそう。
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山口恵以子さんのトーク&サイン会に行きました。あっという間に時間が流れてます。ほんと毎回同じ言の葉ですね、もう5月だよって 3冊なのにもう優れた&気に入った章があります。万里のやる気と諌める絶妙なタイミングとか、シェフの登場ですかとここぞの使い方、要の登場する所が好きで物語に厚みが出てくるしなによりも安定した登場人物だと思う=屋台骨。あーあのトークは忘れられないよ、川端康成のチョイ話もあったね。文庫本読み始めて途中で止めることが後ろめたいと思い込んでたけど、相性だから止めるのは必然だと言ってくれたのが1番
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食堂のおばちゃんシリーズ、もう4作目。
今回は、登場人物たちにとっての変化は、二三の娘要が、勤務先の出版社で歴史小説の大御所先生の担当になったことくらいだろうか。
万里も料理人としての自信をつけてきて良い感じだし、一子と二三は相変わらず。
歳の離れた叔父に憧れを抱いている女性に対して、一子が言った言葉が、ちょっと泣けたなぁ。
歳をとるということは、十年前にできたことができなくなる、五年前にできたことができなくなる、そして昨日できたことができなくなるということだ、と。
最近、よく考える。60代半ばの私の母、十年後は同じようにいてくれるのだろうか?と。
歳をとるということ、出来ないことが増えていく。30代の私にとって十年はあっという間だ。60、70代でも、そんな体感時間なんだろうか。あっという間に、以前できていたことができなくなっていく恐怖、不安。それに向き合えるのだろうか。自分自身のことも、親のことも、お世話になった人たちのことも。
歳をとることについて、改めて考えた言葉だった。
ゼリー寄せは以前から「作れるなら作りたい!」と思っていたもののひとつ。
今回登場して、レシピも載っていた。
なんだか作れそう!
夏野菜が合うだろうなぁ。
オクラのさっと茹で、きゅうり、ミニトマトをコンソメスープで洋風に寄せたら、見た目も鮮やかで美味しそう。