- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442459
作品紹介・あらすじ
<見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ>(「星とたんぽぽ」)。大正末期、彗星のごとく登場し、悲運の果てに若くして命を断った天才童謡詩人・金子みすヾ。彼女は子供たちの無垢な世界や、自然や宇宙の成り立ちをやさしい詩の言葉に託し、大切な心のありかを歌った。いま、歴史の闇に散逸した幻の名詞が再び発掘者の手でテーマ別に編まれた。殺伐たる時代の中で、もう一度目に見えぬ「やさしさ」や「心」を見つめ直すために。(新装版)
感想・レビュー・書評
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金子みすゞさんの詩集ですね。
童謡集になっていますが、みすゞさんは童謡詩人として認められているからです。
でも、みすゞさんの詩は、限りなく宇宙と人間の本質を詠えあげています。
やさしく、子供心を浮かびあげながら、心の宇宙を讃えます。自然の生業と人間の生業の交差を、豊かな感受性で詩に託しています。
繊細な感受性で灯される命の詩は、子どもたちから大人まで、心地よく心に響きますね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自然
愛
『星とたんぽぽ』、『木』が特に良かった。 -
谷川俊太郎詩集と同時購入。
だからではないけど、女性的な文章表現が印象的だった。
「〜なの」とか「〜ないわ」とかの言葉が柔らかくて優しい。読みやすかった。 -
書店でなんとなく惹かれて衝動買い。思えば「わたしと小鳥と鈴と」しか知らなかった。全文にはどこで触れたんだろう。
カバーのマットな質感と、ささやかな挿画がとてもかわいらしい一冊。あまり馴染みのないレーベルだけど、これはけっこう好きかも。カバーの折り返し部分が長いのも特徴。
あったかい。いずれも小さな、やさしく切ない歌の数々がすっと沁みてくる。今まで通り過ぎてきたなんでもない景色ひとつや、抱いた端から忘れていく感慨の切れ端までも、大切に拾い集めて差し出してくれているみたい。
科学の目、理性による観察とセットのやさしさが、幻想的な魅力となって表れているようにも思う。幻想と現実は相反するものではないって、たぶんこういうところなんだなあ。
特に好きなのは美しくロマンティックな「空と海」、そしておそろしく刺さる「誰がほんとを」。
解説以降は衝撃的だった。むごい……。