わたしの本の空白は (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 494
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758444217

作品紹介・あらすじ

気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし。
目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。
夫を名乗る人が現れたけれど、嬉しさよりも違和感だけが立ち上る。
本当に彼はわたしが愛した人だったの? 何も思い出せないのに、自分の心だけは真実を知っていた……。
〝愛〟を突き詰めた先にあったものとは──。
最後まで目が離せない傑作サスペンス長編! (解説・千街晶之)

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の一人称の視点で語られる物語です。
    とても面白かったですが、私は初読み作家さんなので、他の作品も全部こういう感じなのかどうかはよくわかりません。

    三笠南は病院のベッドで目覚めますが何も思い出せません。
    看護師さんに呼ばれて初めて自分の名前を知り、26歳で夫の慎也と今年の四月に結婚したばかりであり、夫の家に夫と義母と義姉の祐未と同居していたことを知ります。

    だけど、南は妹の小雪のことは思い出せますが、夫ではない他の男性のことを思い出してばかりで、本当に夫とは愛し合って結婚していたのか疑問を持ちます。

    何とか妹の小雪と二人で過ごす時間を作り、昔自分が他に好きだった男性はいなかったのか聞き出そうとしますが、小雪は「そんな人はいない」と言い張ります。
    そして義姉の祐未は、南は慎也によって階段から突き落されて記憶を失ったのだと真実を言い出します。

    何か自分は騙されていると南は思います。
    自分で真実を突き止めようとしますが…。

    サイコサスペンスかスリラーのような感じで一気に大変面白く読めました。
    真実は知らなかった方がよかったと思うもので、途中までのロマンティックな雰囲気はラストで見事に壊されました。

  • 目覚めたら、そこは病院だった。

    自分が何者か?
    なんで病院へいるのか?
    夫と呼ばれる人物に好意を抱くことができないのは何故なのか?

    そこから始まるミステリ。

    中々に重たい内容でした。

  • 祝文庫化!

    記憶を失くしてまでも、誰かに恋い焦がれる想いを抱えることの哀しさ 近藤史恵『わたしの本の空白は』 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/554039

    わたしの本の空白は|書籍情報|株式会社 角川春樹事務所 - Kadokawa Haruki Corporation
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=5791

    • まことさん
      猫丸さん。

      ご紹介ありがとうございました。
      近藤史恵さん、なんと初読みでした。
      また読みたい作家さんが増えました。
      ありがとうご...
      猫丸さん。

      ご紹介ありがとうございました。
      近藤史恵さん、なんと初読みでした。
      また読みたい作家さんが増えました。
      ありがとうございます。
      猫丸さんは、もう読まれましたか?
      2021/07/16
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まことさん
      きゃー読む読む詐欺の猫に読まれましたは禁句。。。はぁ追いつかない

      実は全然で、読んだのは2冊「タルト・タタンの夢」(創元...
      まことさん
      きゃー読む読む詐欺の猫に読まれましたは禁句。。。はぁ追いつかない

      実は全然で、読んだのは2冊「タルト・タタンの夢」(創元推理文庫)と「サクリファイス」(新潮文庫)、、、随分前。
      「ときどき旅に出るカフェ」(双葉文庫)「スーツケースの半分は」(祥伝社文庫)も読みたいと思っているのですが手付かず。。。
      2021/07/16
  • 階段から転落し記憶を失った女性、三笠南が主人公。周りにいた人たちの話から記憶を紡ぐ作業は、想像しただけで心細い。その人が良い人なのか、本当のことを話してくれているか判断の仕様がないからだ。実際、南の置かれていた環境はハードすぎる。そういう結末か!という展開で、はらはらしながら一気に読み進められた。南の今後の幸せを願う。

  • 一人称の語りで進んでいく上、その語り手が自分のことがよくわからない…という状態から始まるので、読み手はなんだなんだ、どういうことなんだ、と思いながら、先を読まざるをえない。何がどうなっているんだ、と語り手から見えること、語り手が感じていることにひっかかりながら、読まされる。
    そして、なんと結末は…。怖すぎ。

  • 記憶喪失から始まる、極上の恋愛ミステリー。
    2番目に好きな人と結婚するといいという話をふと思い出した。晴哉が慎也で、慎也は慎也で。
    ゆみさんがいるから、悲観的にならずに、現実感を保ったまま話を読みすめられた。
    渚さん、これからどうなるのかな…。

  • 記憶をなくした主人公の疑心を抱きながら少しずつ行動している感じが、何も知らない読者として共感を持って体験できた。

  • 目覚めたら病院、記憶喪失になっている主人公。何も思い出せないところに夫が現れるけれど、ピンと来ない。日々を過ごしても、上手く記憶が戻らない。でも何かが強く心に残っていて、時に蘇る。

    あのひとは誰なのか。このひとは本当に味方なのか。すべてが不確かで、何もかも疑わしく思えてしまう。

    わからないことだらけの中、少しずつ真実の切れっ端のようなものが見えてくるので、読む手が止まらなかった。

    思いもかけないからくりもあって、楽しめた。最初から最後まで面白かったな。

    読み終えてから冒頭の序文のようなページを読み返したんだけど、最後の一文だけ何のことを言っているかわからなくて今も気になってる。

  • これはまじでおもしろかった!結末がどうとかじゃなくてほんとに気になって気になって仕方なくてめっちゃすぐ読んだし、読む手が止まらんかったし、続きが気になった。

  • 再読。記憶喪失になってしまった主人公の不安に巻き込まれるように一気に読み終えた。ミステリーと恋愛が話の核なのだろうが、記憶喪失になって周囲の誰も自分自身さえも信じられなくなる心理描写が面白かった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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