認知と言語: 日本語の世界・英語の世界 (開拓社言語・文化選書 62)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758925624

作品紹介・あらすじ

「ことば」は言語話者のモノや出来事の捉え方を反映しています。日本語話者は出来事を「見え」のまま認識するのに対して、英語話者は出来事をメタ認知的に捉える認識であり、このために世界の切り取り方が異なっています。本書ではこの認識の違いが日英語の言語的特徴に表れていることを具体的な事例を挙げて述べ、認知的側面から「日本語の世界」「英語の世界」の本質を明らかにします。

感想・レビュー・書評

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  • 日英を認知の観点から対照している本。
    同開拓社の「イメージで捉える感覚英文法」のほうが、取り扱いの範囲が広く、私としては読んでいて楽しかった。
    いや、そちらを先に読んだせいかもしれない。

  • なぜ日本の漫才は二人で掛け合い、欧米のコメディーは一人でボケるのか、この本でその理由が分かった気がした。

  •  日本語と英語の表現の違いは、日本人が話者の視界を時系列にそって表現するのに対し、欧米人は場面の外から見た出来事を表現していることに起因しているという。言われてみれば確かにその通りで、見えたものをそのまま伝えている。そして話者の視点だから日本語は主語がなくても成り立ってしまうという。一方英語は”場面の外から見た出来事”なので必ず主語が必要となる。場面の登場人物には話者自身も含まれるので自分の事を話す場合に I という主語が必要となる。
     ものの見方が言語に影響を与えるというのは当たり前といえば当たり前なのだが、こうやって改めて示されないとなかなか気づきにくい。そして、ようやく英語の持つある種の回りくどさの理由がわかったように思う。これらのことをもう少し早く知っていればもう少し英語を使えるようになっていたかもしれない。

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著者プロフィール

札幌大学地域共創学群教授。
1957年、北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程退学。博士(文学)
2001年~2002年、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員(Langacker教授の指導の下、英語の主要な構文について認知文法の視点から研究)。専攻、認知言語学、英語学
主著 Grammar and Cognition (Kyodo Bunkasha,2002) Grammar of the English Language(テキスト、三浦印刷、2010)
『認知と言語』(開拓社、2016) 『脳のしくみが解れば英語がみえる』(開拓社、2019) 『認知文法の原理』(開拓社、2021)ほか

「2021年 『英文法の正体 ネイティブの感覚で捉える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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