- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759240634
作品紹介・あらすじ
被差別部落史研究の現水準をふまえた入門的な通史。
前近代(寺木)、近現代(黒川)を専門研究者が分担執筆し、
図版・写真を多用した、わかりやすく信頼できる部落の歴史。
感想・レビュー・書評
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4.14/29
『被差別部落史研究の現水準をふまえた入門的な通史。 前近代(寺木)、近現代(黒川)を専門研究者が分担執筆し、 図版・写真を多用した、わかりやすく信頼できる部落の歴史。』(「解放出版社」サイトより)
『入門 被差別部落の歴史』
著者:寺木 伸明, 黒川 みどり
出版社 : 解放出版社
単行本 : 302ページ
発売日 : 2016/5/31
ISBN : 9784759240634
目次
前近代編 寺木伸明
第1章 国家の成立と身分差別の発生・変遷
第2章 古代律令国家体制の成立と身分制度
第3章 中世社会の成立・展開と被差別民の生活・文化
第4章 近世社会と皮多/長吏身分(近世部落)の成立
第5章 近世の多様な被差別民衆
第6章 近世社会の展開と被差別民衆
第7章 近世社会の動揺・崩壊と被差別民衆
近現代編 黒川みどり
第8章 近代における部落問題とは何か
第9章 つくり出される差別の徴表
第10章 〝発見〟される被差別部落
第11章 帝国の一体化を求めて
第12章 米騒動/人種平等
第13章 自らの力で解放を
第14章 解放か融和か
第15章 「国民一体」とその矛盾
第16章 戦後改革と部落解放運動の再出発
第17章 「市民」をつくる/「市民」になる
第18章 「市民社会」への包摂と排除
第19章 部落問題の〈いま〉を見つめて詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/591244 -
関西に生まれ育って、親から聞いたことのある部落という言葉。20年間部落のイメージは親の言葉でしか作られてこなかった。偏った意見では、駄目だと思ってこの本を手に取りました。そもそもの部落の起源や歴史を知ることで、彼らはなぜ差別されるのか。今まで分からなかったものが、頭の中で整理された気分です。普通に生きていては知ることのできなかった部落事情を知れてよかった。教科書のような作りで、一から説明してくれるので、とてもわかりやすかったです。
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東2法経図・6F開架:361.86A/Te48n//K
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4.0 日本の歴史を別の側面から見る本。西光万吉がいつか豊臣秀吉みたいに学ばれる時代が来ればいいと思う。
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部落の歴史(部落史)の基礎・基本を知る上で必読の書。
しかも、この書を読むことで、日本の歴史も同時に学んだり復習できたりするので、歴史に興味ある人や私のような社会科の教員には、常に傍らに置いておきたい1冊でもある。
とくに印象に残ったフレーズをいくつか…
・部落問題を存続させてきたという歴史的事実は消すことはできない。(p291)
・当事者が立ち上がることは運動の原点でもあるが、1つの問題にしっかりと足場を築きながら、そこを拠点に他の問題にも視野を広げていく、その研ぎ澄まされた人権感覚が求められている。(p293)
・部落問題はたんに感性のレベルにとどまらず、社会構造のなかで論理的に理解することが重要であり、そのためには、その歴史を知ることが不可欠である。マジョリティが何をしてきたのかをしっかりと見据え、学び、その史実を正面から受けとめていかなければならない。(p294)