- Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759267150
作品紹介・あらすじ
どもる著者自らの40年以上にわたる取り組みが生みだした体験の結晶を、いま悩む子どもや親、関係者に贈る。具体的な場面をふまえ、どもりとどうつきあえばよいかをQ&Aでやさしく語りかける。小学校高学年以上向き。
感想・レビュー・書評
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マイノリティがマジョリティの枠の中に納まろうとしても、それは無理というもの。マジョリティの役目は社会を安定させること。そしてマイノリティの役目は社会を変革していくことだ。
孤独は糧になる。
竹内敏治
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鴻上尚史 声の豊かさは一度獲得するとなくならない。
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重松清 きよしこ
ジョセフ・G・シーアン
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吉川英治 三国志
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次郎物語
East of Eden
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アサーショントレーニング
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阿部次郎 三太郎の日記
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Scatman John
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Carl Rogers
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論理療法
https://www.youtube.com/results?search_query=%E8%AB%96%E7%90%86%E7%99%82%E6%B3%95詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浦河で、斉藤道雄さんの紹介でお会いしたのが伊藤伸二さん。どもりに悩み、どもりを治そう治そうとしてきた後に、伊藤さんは「どもりは治らん」ことに気づき、治らんでええやんかという立ち位置に至る。斉藤さんはその「治そうとしない」ところに、べてると通底するものを感じると言っていた。
本がたくさんあると伺ったので、図書館でとりあえず一冊借りてきて読んでみた。『どもる君へ いま伝えたいこと』は、中高生くらいに向けて、Q&A式で、伊藤さんが伝えたいことを書いたもの。
全国をまわって吃音相談会を開いたときのことを伊藤さんはこう書いている。
▼悩む人は当然として、どもるけれども、今は悩んでいないという人が大勢参加してくれたのには驚いた。ぼくは、自分がすごく悩んでいたから、どもる人は誰でもみんな悩んでいるはずだと思っていたんだ。その先入観が大きく、くつがえされた。(p.39)
どもりは、100人に1人くらいの割合でいるそうだが、どもりに悩んできた人たちはほとんどが「こんな人間は自分だけ」と、一人で悩んでいるという。でも、どもりは悩むものやと伊藤さん自身が思い込んでいたことが、くつがえされる。しかも、自分と同じようなどもりの人にたくさん会える。自分一人ではないのだと知ることは、ひとつの力になる。
「話すことに自信がないなら、ほかのことで自信をつけなさい」という親の言葉についての質問への、伊藤さんからのこたえ。
▼劣等感をカバーするために、ほかの人よりもすぐれているもの、勝てるものをもてばいいと大人はよく言う。だけど、そんなことで劣等感が小さくなるとは、ぼくは思わない。勉強でもスポーツでも、人と比べてもつ自信は、またいつか、誰かと比べてなくしてしまう。…
ほかの人と比べるのではなく、自分のいいところを見つけ、自分の価値を知ることだ。(p.52)
「別のところで、すぐれていればいい」というのは、ほんまによくありそうで、どもりに限らず、なんらかの劣等感や自信のなさをもっている子どもは、どこかで言われてるんちゃうかと思う。ここを読んでいて、中畝さんが『ひげのおばさん子育て日記』で言っていた「がんばるは現在を否定すること」を思い出した。別のことでがんばれというのは、今のままではあかんと言ってるのと同じ。こう言う親やセンセイはきっと悪気はないのだろうが(悪気がなくても悪いもんは悪いと思うが)、どもりに対する否定的な見方がその底にあって、言われた子どもはつらいと思う。
どもると、笑う人がいる、どうしたらいい?という質問へのこたえ。
▼…友だちが笑うのは、君がどもることを、たいしたことじゃないと思っているからかもしれない。だったら、自分も一緒に笑ってしまえばいいんだ。…
自分が笑う、人から笑われる、そんなことを一度自分で考えてみたり、親しい人と話してみるといいよ。
でも、その笑いが明らかに悪意の笑いで、とても嫌だったら、ちょっと勇気を出して、「私がどもったとき、笑われるのはとても嫌なんです。やめてくれませんか」と自分の正直な気持ちを、攻撃的にならないで伝えられたらいいね。(p.57)
「友だちが笑うのは、君がどもることを、たいしたことじゃないと思っているからかもしれない」というのは、なるほどなーと思った。どもって笑われる悩みは、笑われる側にとっては「たいしたこと」やからこその悩みなんやろうとも思うし、その「たいしたこと」を、「たいしたことはないと思え」というのも無理な話やろう。でも、その笑いが、もしかしたら、案外たいしたことないんかもなーと思えるきっかけになったら、それはそれでいいような気もする。
巻末には竹内敏晴が文章を寄せている。ここを読んで、竹内が、耳が聞こえず、しゃべれなかったこと、新薬のおかげで右の耳だけ聞こえるようになり、他人と話すことができるようになったのは40歳を過ぎてからだというのを初めて知った。『ことばが劈かれるとき』や『声が生まれる―聞く力・話す力』のあの人は、そういう経験があったのかと思い、昔読んだ本をまた読んでみようかと思った。(cf.竹内敏晴さんによる「どもる人のためのことばのレッスン」http://www008.upp.so-net.ne.jp/osp/ospactivity/takeuchi.html)