ふしぎの森のふしぎ

  • 化学同人
3.63
  • (1)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 117
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (76ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759822311

作品紹介・あらすじ

花がいっせいに咲く春、どこもかしこも大いそがしの夏、色あざやかな葉に包まれる秋、そして、ひっそりした冬…。森に入れば、いつも何かが見つかります。この本は、森がどんなにおもしろいかを学び、なかなか気づかないことに気づかせてくれます。森にひそむ不思議やひみつを知ったら、散歩する森の景色がまったくちがって見えるようになるはずです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 原題 wonderbos
    by Jan Paul Schutten
    ill by Medy Oberendormm 2020

    塩崎香織 訳 2022

    イラストの素晴らしい絵本

    森にありがとう
    種の多様性
    無言の会話
    世界の支配者
    緑のふしぎ
    森のめぐみでいきていく
     
    自然に元からあるちから
    夜は動物たちのもの

    本の中の世界のような、構成

    色もよいが、白黒の鉛筆画の線の柔らかさが良い

  • 〇テーマごとの鉛筆の風景デッサンが凄い
     生き物や植物の探し絵にもなっている
    〇イラクサって食べられるのか!
    〇一日に百種が絶滅している?
    〇おなかに赤ちゃんのいるメスを産むアブラムシ
    〇原始の森では火事の消火活動はしない

    ・森にありがとう!…森は体にいい
     森はたくさんの命が産み出される工業団地
     葉っぱと空気清浄機
     森林浴

    ・種の多様性…森を守ることがつくるのはだれ?
     生き物たちはお互いを必要としている
     絶滅のドミノ
     森を支える小さな命たち 
     一本の木

    ・無言の会話…見どころはじつは地下
     地下のネットワーク
     木々の言語
     菌類とキノコ
     カビと薬
     だましだまされ、助け助けられ
     母の木と子どもの木
     ボディーガードを呼ぶマメ

    ・世界の支配者…ちっちゃいけれどいっちょまえ
     ヒトは地球の支配者?
     昆虫と人間の戦い

    ・緑のふしぎ…世界を救う緑の巨人
     植物の育つふしぎ
     ←植木鉢の土の重さをはかって苗木を植える。その後育った木は重くなっているが、土の重さは変わらない。
     森は地球の肺、エアコン
     秋、葉緑体は分解され養分は幹におさめられる。緑色が抜ける。

    ・森のめぐみで生きていく…カバ皮サンド、葉っぱソース
     祖先と現代人
     食生活
     原始の森
     飲み水

    ・自然にもとからある力…生き残りの工夫
     山火事の良し悪し
     食う・食われる
     生き物、個体と種
     えじきになる、えじきにする
     警告の色
     外来種

    ・夜は動物たちのもの…夜の森のひみつ
     森林恐怖症
     昼間に闊歩していた恐竜
     獣道
     木の昼と夜
     耳で見る
     光を放つ目

    ・死ぬほどきれいな冬景色…眠ったままで冬を越す 
     雪の中で眠る
     休眠は冬に限らない
     プチ冬眠
     樹木の冬眠
     脂肪
     省エネスイッチ
     もふもふ

    ・永遠のサイクル…おかしな生き物
     冬の森がなければ、夏の森はない。その反対も。
     寄生生物
     寄生生物に寄生する生物
     共生
     腐葉土

    ・体験の森…森では何ができるかな?
     マイクロサファリ
     自然に触れずに生きていける人間はいない
     ペリットをさがそう
     ダムづくり
     自然のドキュメンタリーを撮る
     工作
     生き物探し、痕跡探し、匂い探し
     
    ・最後にひとこと
     絵探しのこたえあわせ

  • 森を形作っている植物、菌類、昆虫、動物たちの驚くべき世界を、美しいイラストレーションとともに柔らかな語り口で伝えてくれる。

    特に興味深かったのは「無言の会話」の章。地面の下で草や木が会話しているということに驚いた。草や木は菌糸を経由してさまざまな物質をやりとりしていて、その物質には栄養だけでなく「情報」を伝える意味もあるそうだ。

    例えば、チョウやガの幼虫に食べられると葉っぱから決まったにおいを出す植物があり、そのにおいはSOSの信号としてヒメバチのもとにとどく。ヒメバチはその幼虫に卵を産みつけ、幼虫は死ぬ。SOS信号によって、ヒメバチと植物のWIN-WINの関係が成り立っている。

    こんなふうに、この本は「森」の不思議を、いろんな視点からたっぷり教えてくれる。

    11のテーマ内の構成は全て、「見開きのイラスト」→「テーマ」への導入文→多様な視点から説明という具合になっている。長い文章がずっとつづくのではなく、11のテーマごとに短い文章の集まりで本が構成されている。また、絵も豊富なため、読むことが苦手な子も手にとりやすいかもしれない。ただ、読んでいると、雑多な情報をつまみ食いしているような感覚になり、逆に内容を掴みづらい気もした。

    ちなみに、意図せず『森は生きている』の次に読んだ。『森は生きている』では、「森は人間にとって不可欠な存在」だというメッセージを伝えている。それに比べて『ふしぎの森のふしぎ』では、森に生きている生き物のことを深堀りして「森の不思議」を深掘りしている。同じ「森」を描いている本でも、かなり方向性が違い面白かった。もちろん、共通している部分もあり、理解が深まった。

    こんなふうに、同じテーマの2冊をつなげて読んでみるということを、子どもたちに教えたい。

全5件中 1 - 5件を表示

塩﨑香織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×