勝ち組が消した開国の真実―新撰組の誠と会津武士道の光跡

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761261894

感想・レビュー・書評

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  • 常に思うことですが。開国派、尊皇攘夷佐幕派、尊皇攘夷倒幕派、公武合体派の争いで結果、尊皇攘夷倒幕派における諸外国の干渉と薩長同盟の利害の一致を見て、幕末クーデーターをなし崩し的に時代が変革したわけですが、なぜ尊王攘夷派が進んで欧米列強に開国をし、富国強兵に慢心し太平洋戦争まで、誤った道を進み、未だにその行動が正義だという思想が根強い。

    この本はそういった事を日米に事情、ペリーの都合 イギリス オランダ フランス スペインの都合がいかに、日本を巻き込んで、日本を破壊の道に進んだ道程が、わかりやすく書かれている。

    ペリーを主軸に置いた観点でそれぞれの利益を考えると、なるほど、今のクリミア、ウクライナ問題に似ているなと思いました。

    ペリーは1846年の米墨戦争でメキシコ湾艦隊副司令官として上陸艦砲射撃作戦の成功で、大きな権力と海軍増強の政治力を活用し東インド艦隊司令長官に就任、日本派遣特派使節を兼任

    その頃の米国は
    1854年 クリミア戦争開始(イギリス・フランス×ロシア)
      1856年 第二次アヘン戦争(イギリス・フランス×清)
      1857年 第一次インド独立戦争(反英運動の高まり)
      1859年 フランス、サイゴン占領
      1861年 アメリカ南北戦争開始
      という時代で、内外共に混濁した世界になっていた。 フィリピンの植民地化
      カリブの制圧などで、事あることに旧宗主国イギリスと派遣を争っていて、イギリスの 清國におけるアヘン戦争などにおける太平洋に向けての覇権争いが激化していった。 

     その頃日本の薩摩は薩英戦争に負け 一気に開国派に傾き、イギリスの傀儡政権になる ペリーはその頃 琉球を太平洋の要衝としての利用に力を注ぐ

    そんな時代の 2014年クリミア ウクライナ紛争 ジレンマの元祖がここにあったと気が付きました。

  • 図書館2017.9.10 期限9/24 読了9/29 返却9/30

  • 攘夷派だった薩長が、何故開国し明治政府を設立できたのか疑問に思ってたが、答えが見つかりそうだ。

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著者プロフィール

1948年、東京に生まれる。近代史研究家。1971年東京大学経済学部卒業後、日本興行銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。2001年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、活動している。
著書には『明治維新の正体』『政府に尋問の筋これあり』(以上、毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(以上、かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』『それでも東条英機は太平洋戦争を選んだ』『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』『昭和の宰相 近衛文麿の悲劇』『雪の二・二六』『三島由紀夫と青年将校』『名将 山本五十六の絶望』(以上、勉誠出版)、『日本陸海軍 勝因の研究』『名将 乃木希典と帝国陸軍の陥穽』『西郷隆盛と大久保利通の明治維新』(以上、さくら舎)などがある。

「2022年 『平和の武将 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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