「数学的センス」を磨く フェルミ推定

著者 :
  • かんき出版
2.83
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本棚登録 : 144
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761276737

作品紹介・あらすじ

数学を勉強して得られる力「数学的センス」が、たったこの一冊で身につく!
痛いほど耳にする「数学ができるようになれ!」という風潮。「AI時代で必須スキル」「数字で考えよ」「ロジカルに考えるためには数学を学べ」……。
しかし、“今”から数学を学び直すのも大変です。手っ取り早く身につけたい、「文系だから……」とあきらめたくなるものです。
本書は中学生から大人まで数学を教える大人気数学塾の塾長、永野裕之先生によるフェルミ推定トレーニング本です。
クイズ感覚で読み進められて、これからの時代に生きる能力が身につきます。

感想・レビュー・書評

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  • 初学者でもわかるような簡単な方法でフェルミ推定のやり方を教わりました。何をどのように数値化するということが少しだけ理解できた本です。 まずは色々と数値化してみることから始めてみます。

  • 図書館で借りて途中p80まで読んだ。

    PART1とPART2の数学のメリットについては全部読んだ。PART3の冒頭まで読んだ。

  • フェルミ推定をちゃんと学んだことがなかったので改めてインプット用に読んでみた。
    わかりやすいといえばわかりやすいが、数学が苦手な人にも…的な書き出しの割には結構数学要素強いなと思ってしまったw

    とりあえず、フェルミ推定ってこんな感じなんだーという雰囲気を掴むのにはページ数も少なく情報量も少ないので良いかも。

  • 面白いなと思った。
    こういう考え方があることを初めて知った
    ただこれを日常使うことは、私の頭だとできないな〜と思ってしまった
    考える力をつけていかないとなぁ…

  • 面白いな、と全編通してつぶやいてしまった。倍や半分は許容、桁違いじゃなければいい、というのには勇気をもらえた。「たとえ出口が見えなくても、自分を信じてまずは一歩を踏み出す度胸ー私はこれを『論理勇気』と呼んでいます」。「離れて暮らす2人が、たまたま同時に月を見る確率」なんて、正解を検証することはできないけど、面白い。考えるって、楽しいかもと思わせる内容だった。

  • フェルミ推定の事例的なものが多い本。
    フェルミ推定とは何か的な要素は希釈されてる感じ。

  • 自分の頭で仮説検討できる力を養うのに役立つ、フェルミ推定を学べる本です。
    先の見えない時代では誰かが答えを知っているわけでもなく、AIも万能ではありません。
    自分の頭で方向性を考えて、行動してみることが重要となっています。
    フェルミ推定で数学的センスを磨くことは、そのために役立つことが多いようです。
    必要となる数学的センスの力や、実際のフェルミ推定の事例を学ぶことで、視野、視座が広がりそうです。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「答えを見つけるより『正しい考え方ができる』ほうが大切。最後に頼りになるのは自分の頭。“答えらしきもの”はたくさんあるが、今の自分の状況にピッタリの最適解を決めるのは自分。価値観の多様化で問題の複雑化・個人化が進む現代は自分しか『正解』を導けない。」
    「未知の時代を生き抜く上では、自分がわかる範囲の知識と経験を使って『推定する思考力』は極めて重要。何か困難にぶつかったとき、『これが答え』というものはなかなか見つからない。だからこそ、自分の頭で考えて見積もる力が必要。」
    「結果を伝える際、答えだけ伝えても受け取る側は疑問が残る。信頼を獲得するためにも、議論を深めるためにも、『どう考えてそういう数字になったのか』を丁寧に説明すると、フィードバックが得られ、自身の評価も容易になり、よりよい推定につながるかもしれない。」
    →なぜ、フェルミ推定を学んだほうがよいかということになりますが、変化の激しい時代に、仮説を立てて答えを自分で考えるためのトレーニングになるというのがまずあるようです。そして、そのプロセスまで含めて他人に説明できるようになれば、議論が深まります。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・AIは、学習データに誤りや偏りがあれば、間違った結果を出力するので、頼りすぎるとリスクもある。現代こそ、人間は自分の頭で考えて、次々に起きる新しい問題に臨機応変に対処する必要がある。
    ・先が見えない時代だからこそ、「正解」はわからなくても、ある程度「ハズさない」答えを出して未知の能力を解決できる思考力が、これからはますます重要。「数学的センス」があれば、自分で答えを導き出せるようになる。
    ・「出口の見えない」問題も、情報を整理し、さまざまな視点からの具体的なイメージによって問題を細かく分解すれば、モデルができあがり、徐々に出口が見えてくる。成功体験を持つと、自分を信じて一歩踏み出す度胸が持てる。

    ○「数学的センス」が必要な理由
    ・答えを見つけるより「正しい考え方ができる」ほうが大切。最後に頼りになるのは自分の頭。“答えらしきもの”はたくさんあるが、今の自分の状況にピッタリの最適解を決めるのは自分。価値観の多様化で問題の複雑化・個人化が進む現代は自分しか「正解」を導けない。

    ○数学的センスの7つの力
    ・問題解決にあたり最初にすべきことは「情報の整理」。物事はたいてい複数の情報が絡み合っているので、箇条書き、分類、表や図などでその情報を解きほぐして整理すると、「何が問題なのか」「何を優先すべきか」が明確になる。
    ・ある視点からでは見えていなかったことが、別の視点に立つと見えることがある。多様な視点の基本は「逆の視点」で、「それ以外」を見る方法と、「立場を変えて」見る視点の2つがある。
    ・情報を整理し、さまざまな視点から眺めてみても状況がわかりづらいときは、具体化してみる。「こういう条件だったら」「ちょっと条件を変えたら」など、いろいろ思考実験をしているうちに、イメージが豊かになっていくはず。
    ・抽象化はあいまいなものだと思われがちだが、むしろ、その物事の特徴や強調すべき点を明確にすることで、「対象をモデル化」することでもある。安易な抽象化は危険で、さまざまな具体例をその抽象化で説明できるかを見極めたい。
    ・たくさんの情報を持つ対象を一度に捉えることは容易ではないが、場合ごとにグループを分割してそれぞれを1つずつ見ていくと、全体を捉えやすくなる。必然的に分かれる以外にも、最初のケースを土台にして他のケースを積み上げる自発的の2種類がある。
    ・言い換えによって、より問題が鮮明に考えられたり、見方が変わって取り組み方が変わったりする。うまい言い換えは、それだけで納得を促す、魔法のような思考技術。
    ・自分の思考プロセスを総合して人に説明し、人の理解を得られてはじめてその価値がある。自分の理解を人に伝え、フィードバックをもらうことで、さらなる改善や発展が可能になることは多い。

    ○フェルミ推定 解法の技術
    ・未知の時代を生き抜く上では、自分がわかる範囲の知識と経験を使って「推定する思考力」は極めて重要。何か困難にぶつかったとき、「これが答え」というものはなかなか見つからない。だからこそ、自分の頭で考えて見積もる力が必要。
    ・総量=単位量あたりの大きさ×単位数、という「超基本公式」が非常に重要で、フェルミ推定ではそれを重ねていく。一見どうしたらいいかわからないものでも「超基本公式」に戻って考えてみると、糸口が見つかる。
    ・多くの要素に分解するほど、正しい値に近づく可能性が高まる。通常は、あるものは大きすぎ、あるものは小さすぎる。一個一個が外れていても、複数を組み合わせれば、それぞれの過不足がお互いに打ち消し合い、結果として本当の値に近い推定値が得られる。
    ・結果を伝える際、答えだけ伝えても受け取る側は疑問が残る。信頼を獲得するためにも、議論を深めるためにも、「どう考えてそういう数字になったのか」を丁寧に説明すると、フィードバックが得られ、自身の評価も容易になり、よりよい推定につながるかもしれない。

    ○数学的センスを磨くトレーニング
    ・推定の中で、大胆な計算の醍醐味を感じられるようになる。一方で、「大きな数字」はそのまま言っても伝わらない。大きな数をイメージしてもらうには、大きな値を持つ「単位量あたりの大きさ」で測る、ダウンサイジングしてイメージしてもらうなどの工夫が必要。
    ・結果の検証を通じて新しい気づきが得られることも少なくない。単に正しい値に近かった、遠かったというゲーム感覚を楽しむだけでなく、数字が示してくれる物語を感じ取れるようになれば、フェルミ推定の価値は高まる。
    ・特に未経験のものは推定しにくいが、そんな時は臆せず肌感覚で数字を入れてみることが大切。日頃から感覚で捉えておく経験をすると、自分には縁遠い分野の推定量も入れられるようになる。

  • 分解後の具体モデル化でシンプル数

  • 「フェルミの推定」by 永野裕之

    副題:数学的センスを磨く

    エンリコ•フェルミ。ノーヘル物理学賞を受賞した理論物理学者。

    シカゴ大学教授のフェルミが学生達に「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」との問いを投げかけたとのこと。

    最近では就職試験で「東京にマンホールはいくつあるか?」「ボーイング747にゴルフボールはいくつ詰め込めるか」なんてが出題されたりしているとか。

    そんな例題を使いながら、推定の仕方を解説するもの。


    要するに見当もつかないような問いかけに匙を投げるんじゃなくて、分解し、抽象化し、数値化する。

    そのためには、余りにも仔細の正確さにこだわるんじゃなくて、倍、半分なら正解。桁違いなら何か問題。ぐらいの感覚でOKってことか。

    でも、これって誰もが日常的にアバウトな腹積りを出すのにやってることと違うんかなぁ?

    例題の解説もあんまり面白くなかったかな...

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著者プロフィール

1974年、東京都生まれ。永野数学塾塾長。東京大学理学部地球惑星物理学科卒業。同大大学院宇宙科学研究所(現JAXA)中退後、ウィーン国立音楽大学(指揮科)への留学。副指揮を務めた二期会公演が文化庁芸術祭大賞を受賞。わかりやすく熱のこもった指導ぶりがメディアでも紹介され、話題を呼んでいる。著書に『とてつもない数学』(ダイヤモンド社)、『ふたたびの高校数学』(すばる舎)、『教養としての「数学Ⅰ・A」』(NHK出版新書)など。

「2023年 『大人のための「中学受験算数」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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