歩いて読みとく地域デザイン: 普通のまちの見方・活かし方

著者 :
  • 学芸出版社
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本棚登録 : 181
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761527075

作品紹介・あらすじ

マンションと駐車場に囲まれた古民家、途中で細くなる道路、居酒屋が並ぶ商店街…。何気なく通り過ぎてしまう「当たり前の風景」も、「まちのリテラシー」を身につければ、暮らし手と作り手による「まちの必然」をめぐるドラマに見えてくる。「芝居を観るようにまちを観る」達人が贈る、地域づくりのためのまち歩き入門。

感想・レビュー・書評

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  • まちあるき企画「Walkin’ About」のプロデューサーによる、多角的な視点からのまちの見方を提示する本。

    まちあるきといえば、ガイドの説明を聞きながら参加者全員で同じコースを歩く、というパターンが一般的だが、「Walkin’ About」は、参加者が一定の時間自由にまちを歩き、再集合してそれぞれが得た見聞を共有するという方式である。参加者の興味によって異なった視点が生まれるので、とても面白そうな企画だな、と思う。

    著者いわく、「芝居を観るようにまちを観る」ことがまちあるきのポイントなのだそうだ。
    私達は、場面ごとに作り手の意図を推察しながら芝居を観る。同じように、まちを構成するあらゆるものを観察し、なぜこのようなまちになったのか意図を読み解いていくのである。
    こうしてまちのリテラシー(読み解き力)を上げることで、まちを知り、自らがまちづくりに関わる際の土台とすることが本書の目的である。

    本屋で見かけるまちあるきの本は歴史地理学からのアプローチが多いように思うが、本書は、産業や建築、都市計画、防災など、さまざまな視点からまちを読み解いている。建築基準法や都市計画法などの専門的な内容も含むが、事例を挙げてわかりやすく説明してくれるのでそれほど難解ではない(少し横文字が多いけれど)。
    取り上げられている事例は関西地域が多いが、特殊なものが挙げられているわけではなく、自分の近くの地域に当てはめて考えることもできる。

    この本は、読むだけではなく、実際にまちを歩き、自分なりにまちを読み解くまでがセットである。本書ではまちを読み解くために地元の人に聞き取りを行っており、もじもじさんにはややハードルが高いが、まずは毎日歩いている通勤経路の中からなぜ?を探し出し、調べてみることからチャレンジしてみたい。

  • SDGs|目標11 住み続けられる まちづくりを|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/722726

  • 著者は大ガスにいて街づくりに携わってきた人で、神戸アートビレッジセンターや扇町ミュージアムスクエアなんかの企画をしていたらしい。

    内容は、商業的に見たブラタモリ、って感じ。

    関学の裏に残ってる、用水を3つに分ける仕掛け、とか、和田岬駅や甲陽園駅のような盲腸線はなぜそこに線路が引かれたのか、とか。

    兵庫埠頭のコンビニは釣具屋みたいになっている、ポーアイ対岸の小野浜のコンビニはワークマンみたいになっている、などなど。

    やたらと高砂の街が例に出てきたり、大阪神戸の知ってるあたりの話が多いので、飽きずに読める。話題が細切れなのでトイレ本に最適。

  • まちを読みとくための様々なリテラシーを紹介。暮らし手・作り手の視点から「なぜまちのここがこうなっているのか」がわかるようになり、地域らしさを活かした地域づくりを考える力が身につく。

    Walkin' aboutに一度参加してみたい。

  • まち歩きをすることで、都市計画や建築の観点も含めてそのまちの形、成り立ち、人々を知る。関西方面の話がほとんどだったが、本著に記載された視点で私が住む仙台や東北のまちを見て歩き、そこに暮らす人と会話することでまた新たな発見があるのだろうなと感じた。都市計画や建築土木の内容を机上で学ぶと堅苦しくて飽きてしまうが、歩きながら思いをめぐらし、同時に知識も吸収する方法は自分も今後取り入れていきたいと思う。

  • 19/09/19。

  • 東2法経図・6F開架:518.8A/Y38a//K

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著者プロフィール

西宮市生まれ。大阪ガス、神戸アートビレッジセンター、扇町ミュージアムスクエア、扇町インキュベーションプラザでの勤務を経て、現在は大阪21世紀協会で文化プロデュースの仕事につく。
一方でトークサロン企画「扇町Talkin'About」、日替わりマスターによるバー空間維持活動「Common Bar SINGLES」、表現空間としてのカフェの共同維持活動「common cafe」等をプロデュースしている。

「2007年 『コモンカフェ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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