カラー版 図説 デザインの歴史

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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761528348

作品紹介・あらすじ

産業革命以後のデザイン史の変遷について、アーツ・アンド・クラフツ運動やアール・ヌーヴォーの時代から、ポストモダニズム、現代的なテーマまで網羅するコンパクトなデザイン史。図版500点以上を掲載し、見開きスタイルのカラービジュアルでまとめた決定版教科書。デザイナー、初学者、学生必携の本。流れがわかる年表付。

感想・レビュー・書評

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  • 通史としてよかった。最近の事象についてはやや雑多な印象を持つが、どういった流れでどの地域に何が起きたかは分かりやすかった。他方で、西洋・アメリカの話がメインとなるので、他地域のデザインについてはこの本一冊では分からない。

  • これは、いい教科書に出会いました。たまたま直前に「青春20世紀美術講座」という熱い本を読んでいたので、その繋がりもラッキーでした。本書の俯瞰視点と時系列の整理と固有名詞の横繋がりと図番の豊富さはずっと手元に置いておきたくなります。(そんなに日々デザインのこと気にした暮らしをしている訳じゃないけど…)アーツ・アンド・クラフト運動とか、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、バウハウスやミッドセンチュリーとか、あるいは民芸とか、一山、一山、高峰としてそれぞれに見上げていたのですが、本書で初めて「デザイン連峰」という連なりを鳥観図でみた気がしました。そこで改めて思うのは、デザインという塊は産業革命から生まれてきているもので資本主義のある部分のエンジンであることです。もちろん社会主義国ソビエト連邦のデザインも本書では取り上げられていますが、人の心に触って社会の成長を促すものという意味では一緒だと思います。それはこの本でも言及されているオリンピックのデザインだったり、万国博覧会が産業とデザインに果たしている役割に本質が表れているものです。なので、この「デザイン連峰」の地図にヨーロッパ以外は入ってこないのは、産業革命と資本主義がヨーロッパを発祥とすることとシンクロしているのです。資本主義の成熟がヨーロッパ、アメリカを超えてどんなデザインを産んでいくのか、という読後感を持ちました。ホントに教科書であろうとしている本書の最終章は「存在しない女たち」というタイトルでデザインの歴史で黙殺されてきた女性の仕事を網羅する一章で、それも極めて今日的だな、と感しました。

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  • 【書誌情報】
    『カラー版 図説デザインの歴史』
    著者:暮沢剛巳・伊藤潤・山本政幸・天内大樹・高橋裕行
    装丁:KOTO DESIGN Inc. 山本剛史
    版元:学芸出版社
    体裁:B5変・124頁
    定価:本体2800円+税
    ISBN:978-4-7615-2834-8
    発行日:2022-09-25

    ◆図版450点見開きカラービジュアルの決定版
     産業革命以後のデザイン史の変遷について、アーツ・アンド・クラフツ運動やアール・ヌーヴォーの時代から、ポストモダニズム、現代的なテーマまで網羅する決定版のデザイン史教科書。図版450点以上を掲載し、見開きスタイルのカラービジュアルでまとめた決定版教科書。デザイナー、初学者、学生必携書。流れがわかる年表付。
    [https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761528348/]

    【目次】
    デザインとは何か──はじめに
    デザイン史を学ぶために

    第1部 アーツ・アンド・クラフツ運動
    01 近代デザインの源流
    02 アーツ・アンド・クラフツ運動
    03 プライベート・プレス運動とその後継者たち
    04 19世紀の印刷技術とポスター印刷
    コラム1 日本のデザインの源流

    第2部 アール・ヌーヴォー
    05 鉄とガラスのアール・ヌーヴォー
    06 都市と市民層の拡大
    07 工芸と装飾の近代
    08 ユーゲントシュティルと分離派
    09 ドイツ工作連盟
    10 アール・ヌーヴォー期のグラフィックデザイン
    コラム2 明治時代の動向

    第3部 アール・デコ
    11 絵画的モダニズムとアール・デコ様式
    12 ルネ・ラリックとアール・デコ
    13 アメリカのインダストリアル・デザイン
    コラム3 日本のアール・デコ

    第4部 モダニズムのデザイン
    14 バウハウスとその理念
    15 イッテンとモホイ=ナジ
    16 バウハウスの継承者たち
    17 デ・ステイルの理想
    18 前衛芸術運動とグラフィックデザイン
    19 バウハウスとニュー・タイポグラフィ
    20 フランク・ロイド・ライトとル・コルビュジエ
    21 統制下のデザイン
    コラム4 日本の工業デザイン教育のはじまり

    第5部 ミッドセンチュリーのデザイン
    22 グッドデザイン・ミッドセンチュリー
    23 北欧のデザイン
    24 スイス・スタイルと視覚伝達
    25 戦後ヨーロッパの工業デザイン
    26 ポップとサイケデリック
    27 広告・CIデザインとアートディレクション
    28 軽くて小さい製品
    29 よく遊び、よく学べ
    30 オリンピックと万博
    コラム5 高度成長期と日本のデザイン

    第6部 ポストモダン以降
    31 ソットサスと倉俣史朗
    32 脱構築と襞
    33 生活領域横断型ブランド
    34 マーケティングとPR
    35 家電──風と熱の利用
    36 モビリティのデザイン
    37 人間工学とユニバーサルデザイン
    38 形態は機能に従う?
    39 スポーツカジュアル
    コラム6 ジャパン・アズ・ナンバーワン

    第7部 デジタルデザインと現代的課題
    40 アップルとスティーヴ・ジョブス
    41 電子時代のグラフィックデザイン
    42 インターネットとウェブ
    43 地球にやさしく
    44 存在しない女たち
    コラム7 民藝

    図版出典
    参考文献
    索引
    著者略歴
    奥付

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著者プロフィール

1966年、青森県生まれ。評論家として、美術・建築・デザインなどを対象に執筆や翻訳活動をおこなう。東京工科大学デザイン学部教授。著書に『拡張するキュレーション――価値を生み出す技術』(集英社)、『オリンピックと万博――巨大イベントのデザイン史』(筑摩書房)、『美術館の政治学』(青弓社)、『美術館はどこへ?――ミュージアムの過去・現在・未来』(廣済堂出版)、共著に『視覚文化とデザイン――メディア、リソース、アーカイヴズ』(水声社)、『幻の万博――紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』(青弓社)など。

「2022年 『ミュージアムの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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