改訂版 都市防災学: 地震対策の理論と実践

著者 :
制作 : 梶 秀樹  塚越 功 
  • 学芸出版社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761531959

作品紹介・あらすじ

大都市の地震防災対策の歴史や理論、各領域の最新の知識、実践事例を簡潔にまとめ、体系だてて都市防災を学べるようにした初めての教科書。大学での教科書としてはもちろん、行政担当者にも役立ち、独学にも充分対応できるよう配慮している。今回、東日本大震災をふまえて、液状化、情報伝達と避難、企業防災など増補改訂した。

感想・レビュー・書評

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  • 〇学んだこと
    1.防災対策は、構造的対策(Structural Solution)と非構造的対策(Non-Structural Solution)に大別される。非構造的対策の枠組みの図を参考
    2.地震の危険性を計測する3つの方法(ハザードマップ・地震被害想定・地域危険度)。地域危険度は、防災事業のプライオリティを検討するのに役立つ。
    3.シミュレーションモデルでは、どこまでを前提として行い、その信頼性がどの程度あるのか見極めること
    4.各災害フェイズにおける情報の種類の図を参考
    5.阪神淡路大震災の場合、人的被害の認知度は、発災後72時間で70%強

  •   昨年の4月11日に旧版で読んで、コメントを書いている。

     改訂版を読んでみると、防災担当部局で災害法制を検討していることから、気になる点が変わって来ている。

    (1)防災無線のネットワークが、中央省庁等については、中央防災無線、都道府県との関係は、消防庁がメインだが、国土交通省、気象庁などいろいろな系列がある。さらに、市町村に対しては都道府県の防災行政無線、市町村から市民に対しては、屋外拡声器などの固定系のものと、車載型無線機などの移動系がある。(p158)

     いずれにしても、ごちゃごちゃしているのと、最終的な市民への情報提供の仕組みが時代がかっているのが気になる。

    (2)地域防災組織について、活動が活発なところに資金が流れてかえって格差を拡大しているとする(p183)が、どうか。むしろ平常時に活溌に活動できないところは、高齢化しているとか理由があるので、そのようなところに支援してもはじまらないのではないか。

     民間企業などと連携して活溌に活動している地区に支援した方がいいと思う。

    (3)東日本大震災の津波による火災では、気仙沼港では23基の燃料タンクのうち22基が流出、燃焼しつつ多数の海岸集落を焼失させた。そのほか、久慈市、石巻市、岩沼市、相馬市、女川町でも燃料タンクが流出している。(p83)

     自分が、より具体的な論点について、課題を感じるようになってきたのは、少しは成長したためと思いたい。

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著者プロフィール

1942年 大連市生まれ
1965年 東京工業大学建築学科卒業
1970年 同大学院博士課程修了、工学博士
1970年 東京工業大学社会工学科助手
1972年 建設省建築研究所研究員
1974年 東京工業大学社会工学科助教授
1985年 筑波大学社会工学系教授
1993年 国際連合地域開発センター所長
1999年 慶應義塾大学総合政策学部教授
2007年 東京工業大学特任教授
専門分野:都市計画・都市防災・シミュレーション

「2012年 『改訂版 都市防災学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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