[続]少子化論:出生率回復と<自由な社会>

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  • 学文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762030680

作品紹介・あらすじ

日本の少子化の特徴と背景要因について、全面的、総合的に分析を行い、これからの少子化対策のあり方、および個々具体的な政策を提言する。
未婚化、夫婦の出生、少子化の国際比較などについても具体的に論じていく。
最新の知見をふまえ、多角的な視点から日本の少子化の全体像を明らかにする。
少子化について考えるのにかかせない1冊。

・日本の少子化の全体像を分析、背景要因を俯瞰的に論じる。
・分析結果をふまえて具体的な政策提言を行う。
 (今後の少子化対策に求められる9つの基本的な考え方、大きな1つのコンセプト、30以上の具体的な施策を提案。)
・結婚・出産についての<個人の選択の自由>と人口面での<社会の存続>が対立することの問題に対して正面から向き合い、その解決策を論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 結婚意欲があるが、結婚できない若者→劣化した若年雇用。職縁結婚の減少と職縁に関わる出会いの機会が少ないこと。
    結婚意欲がないまたは低いので、結婚をしないか先延ばしする若者→自分の仕事生活を重視。結婚生活を重視しない。性別役割分業意識がリベラルな女性は結婚しない可能性が高い。
    個別の政策は有意な効果は見られないが、幅広いメニューを用意することは人口3万人以上のまちは効果があると実証されている。
    保育と両立支援は正社員の共働き世帯への支援。

  • 【書誌情報】
    『[続]少子化論――出生率回復と〈自由な社会〉』
    著者 松田茂樹
    ジャンル 社会学
    出版年月日 2021/03/01
    ISBN 9784762030680
    判型・ページ数 4-6・300
    定価 3,080円(本体2,800円+税)
    https://www.gakubunsha.com/book/b559329.html

    【目次】
    まえがき

    序章 少子化の状況と少子化対策の必要性
      1.少子化の進行
      2.出生率、未婚化、夫婦の子ども数
      3.少子化が社会にもたらす負の影響
      4.出生率を回復させるための少子化対策に求められる視点

    第1章 未婚化はなぜすすむのか――雇用、出会い、価値観
      1.未婚化が出生率を下げる
      2.出会い・結婚意欲・配偶者選択
      3.未婚化の背景要因――検証する仮説
      4.若年雇用の劣化
      5.職場における出会いと結婚
      6.仕事や結婚の価値観と性別役割分業意識
      7.仕事と子育ての両立の影響は?
      8.未婚化にどう対応するか

    第2章 夫婦の働き方と出生率の関係――夫婦の就労はどう変わり、それは出生率上昇につながったのか
      1.近代家族
      2.家族構造変動論vs家族構造安定論
      3.分業型夫婦、共働型夫婦、選好
      4.共働きが増加しているのに、出生率が上昇しないのはなぜか?
      5.夫婦の出生意欲は低下したのか
      6.ひとり親家庭の子育て
      7.夫婦の働き方の変化にどう対応するか

    第3章 父親の育児参加とハードワーク社会
      1.父親の育児参加を促す取り組み
      2.父親の育児参加はどの程度増えたのか
      3.父親の育児参加の規定要因
      4.長時間労働の国
      5.24/7Economyと非典型時間帯労働
      6.父親の育児参加と追加出生の関係
      7.父親の育児参加をどうするか

    第4章 少子化の国内地域差――地域に合った対策を
      1.都市と地方の両方に目を向ける
      2.各地域の出生率はどう変化したのか
      3.出生率の地域差を生む要因
      4.地方から東京への若年人口移動
      5.地域により大きく異なる保育状況
      6.自治体の少子化対策が出生率回復に与えた効果
      7.各地域の出生率の回復と若年人口の移動の問題に対処を

    第5章 少子化の国際比較
      1.国際比較に必要な姿勢
      2.出生率の国際比較
      3.東アジア諸国の少子化を説明する既存理論
      4.東アジア諸国の少子化を捉える理論枠組み
      5.結婚・同棲・子ども数
      6.四大要因の分析結果
      7.諸外国における少子化対策
      8.国際比較から日本への示唆

    第6章 日本の少子化対策――その特徴と問題点
      1.どのような少子化対策がなされてきたか
      2.少子化対策の経緯と特徴
      3.少子化対策の効果と従来の対策の問題点
      4.追加出生に効果がある施策――ヴィネット調査を用いた研究
      5.諸外国の少子化対策との比較
      6.出生率回復のために必要な視点

    終章 総域的な少子化対策――出生率回復と〈自由な社会〉
      1.出生率を回復させるための少子化対策の基本的な考え方
      2.具体的な施策の提案

    あとがき
    文献リスト

  • 社会学者さんにしては珍しく提言が書かれているところは良いと思いました。単身者に対する視線が若干冷たい感じがするのは気になりましたが・・・。

    若くして結婚できるために若いときに経済的安定を、というのはまさにその通りなんだけど、そうするためには、書いている方には耳が痛いかもしれませんが、やはり大学を減らして、中卒・高卒で働いても子育てが出来る給料がもらえて、その給料が上がっていく社会を作る必要がある気がします。

    結局今の日本社会は、20代の若者が、仕事か家庭かを選ばないと生活できないという構造が問題な気がします。男性は今も「家庭だけ」を選ぶことは実質的にできないでしょうから、そうすると女性にしわ寄せが行きます。楽に、仕事も家庭も、という社会にならなければ、少子化を食い止めるのは難しそうです。

  • 下記のリンクでご利用ください。
    学外から利用する場合は「マイライブラリ」もしくはリモートアクセスサービス「RemoteXs(リモートエックス)」をご利用ください。
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000126623

  • 東2法経図・6F開架:334.3A/Ma74s/2/K

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著者プロフィール

(まつだ しげき)中京大学現代社会学部(コミュニティ学専攻)教授。


「2021年 『[続]少子化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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