- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762823152
作品紹介・あらすじ
学校という場を「生活の場」としてとらえ直す視点を提起。学校に求められるのは,「勉強」「しつけ」を軸にした統制関係ではなく,人と人が学校という場で共に生き,生活の内実を共有するという生活的な関係であろう。学校の中で起こっていること,学校の外で生きる子どもたち,学校の中の教師たちのありようをとらえる。
感想・レビュー・書評
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浜田寿美男さんが編者に関わっているということで手に入れて読んでみました。
以前読んだときには,レビューを書かなかったので,遅ればせながら再読後の感想を少しだけ書いておきます。
本書が書かれたのは2003年のことですが,ここに書かれている学校現場の現状は,解決するどころか段々ひどくなっています。学校に来ることに意義を見いだせない子がどんどん増えているし,学びから逃走する生徒も増えています。教師にとっても働きにくい職場となり,教員採用試験の倍率は下がる一方。さらには,産休補助教員さえも準備できないという現状があります。こんな学校にだれがしたの??
本書の「はじめに」で,浜田寿美男さんは,次のように語ります。
学校というシステムを長く支配してきた管理・統制的なパラダイムを抜け出て,私たちはいま新たに,「共生」ないし「共居」的なパラダイムを求めなければならないところにきているのではないだろうか。こうした発想は,個体の能力を軸に効率を競い,この市場経済社会で生き抜くことを求められる今日の時代には逆行するようにみえるかもしれない。しかしそのまさに同じ理由で,それは時代の最も深い要請であるともいえる。(本書p.7)
浜田寿美男さんの主張もむなしく,この20年,日本の教育界は上述のような状態です。「共居」という素敵な言葉からはほど遠い子ども同士・子どもと先生の姿があります。「一緒にその場を共有している」ということに意味を見いだせない教育界は,子どもにとり生きにくいだけです。
何も言わずに,その場にいてあげる。そんな時間を大切にしたいな。してほしいなと思います。
とりあえず,放課後や休み時間には子どもたちとたわいもない話をしようじゃありませんか。
現場の忙しい先生方に読んで欲しい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<石上浩美先生コメント>
子どもにとって安全・安心な学校を考えるための一冊。
<閲覧スタッフより>
「学校」は“生活の場”であり“社会”である。そのなかで人はどのようにして人間関係を築き、学習してゆくのか。学生だけでなく、教職員も含めた学校空間の検証。
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所在番号:370.4||ハス
資料番号:10151153
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学校の場の新たなパラダイムを求めて
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分類=教育施設・生活空間・学校。03年5月。