英語教育学と認知心理学のクロスポイント: 小学校から大学までの英語学習を考える

  • 北大路書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762829154

作品紹介・あらすじ

英語教育の低年齢化や受験英語からの脱却の流れの中,記憶研究の知見を応用しようとする試みは,近年目立ってきている。しかし,よりよい実践に結びつけがたく,理論と応用とのギャップがあることも否めない。本書では,双方の研究者間のコラボレーションを通して,外国語習得研究における認知心理学の重要性を提言する。

◆推薦の言葉
認知科学理論と英語教育実践との橋渡しをする画期的な試み。
今後の英語教育学に大きな刺激を与えるだろう。
バトラー後藤裕子(ペンシルバニア大学准教授)

英語学習のさまざまな研究課題を認知心理学の科学的な枠組みで包括的にとらえる本書は,最新の研究成果を網羅しており,授業過程を検討するうえで大変貴重なリソースである。英語(外国語)の教師,教師志望者にとっては必読の書である。
白井恭弘(ケース・ウェスタン・リザーブ大学教授)

◆執筆者一覧(執筆順)
太田 信夫  (編著者)
豊田 弘司  奈良教育大学学校教育講座
寺澤 孝文  岡山大学大学院教育学研究科
齊藤 智   京都大学大学院教育学研究科
湯澤 正通  広島大学大学院教育学研究科
湯澤 美紀  ノートルダム清心女子大学人間生活学部
横山 悟   千葉科学大学薬学部
佐久間康之  (編著者)
箱田 裕司  京都女子大学発達教育学部
松本 亜紀  九州共立大学スポーツ学部
森 敏行   福島県教育センター
前田 啓朗  元広島大学外国語教育研究センター
野呂 徳治  弘前大学教育学部
中山勘次郎  上越教育大学大学院学校教育研究科
鈴木 渉   宮城教育大学教育学部
板垣 信哉  宮城教育大学教職大学院
森島 泰則  国際基督教大学教育学部
渡邊 兼行  仙台白百合女子大学人間学部
小林 千夏  宮城教育大学教育学部卒業生
三浦 隆行  日本大学経済学部
千葉 克裕  文教大学国際学部

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  • 『英語教育学と認知心理学のクロスポイント――小学校から大学までの英語学習を考える』
    編著者:太田信夫,佐久間康之

    執筆者(執筆順):
    太田 信夫  筑波大学名誉教授
    豊田 弘司  奈良教育大学学校教育講座
    寺澤 孝文  岡山大学大学院教育学研究科
    齊藤 智   京都大学大学院教育学研究科
    湯澤 正通  広島大学大学院教育学研究科
    湯澤 美紀  ノートルダム清心女子大学人間生活学部
    横山 悟   千葉科学大学薬学部
    佐久間康之  福島大学人間発達文化学類教授
    箱田 裕司  京都女子大学発達教育学部
    松本 亜紀  九州共立大学スポーツ学部
    森 敏行   福島県教育センター
    前田 啓朗  元広島大学外国語教育研究センター
    野呂 徳治  弘前大学教育学部
    中山勘次郎  上越教育大学大学院学校教育研究科
    鈴木 渉   宮城教育大学教育学部
    板垣 信哉  宮城教育大学教職大学院
    森島 泰則  国際基督教大学教育学部
    渡邊 兼行  仙台白百合女子大学人間学部
    小林 千夏  宮城教育大学教育学部卒業生
    三浦 隆行  日本大学経済学部
    千葉 克裕  文教大学国際学部

    【書誌情報】
    版型: A5判 320頁
    定価:本体3600円+税
    ISBN:978-4-7628-2915-4 C3037

    英語教育の低年齢化や受験英語からの脱却の流れの中,記憶研究の知見を応用しようとする試みは,近年目立ってきている。しかし,よりよい実践に結びつけがたく,理論と応用とのギャップがあることも否めない。本書では,双方の研究者間のコラボレーションを通して,外国語習得研究における認知心理学の重要性を提言する。
    http://www.kitaohji.com/books/2915_4.html


    【目次】
    推薦の言葉 [/]
    まえがき(太田 信夫,佐久間康之) [i-ii]
    [特別寄稿]認知科学と教育:必要不可欠な議論[ロバート・H・ローギー] [iii-v]
    もくじ [vi-x]

    ◆Part 1 認知心理学の理論的枠組みと学習研究◆ 
     Part 1 はじめに:英語教育学に関連した認知心理学研究 002
     
    第1章 認知心理学と教育――記憶研究を中心に 004
    1 認知心理学 004
      1. 認知心理学とはどんな学問か
      2. 認知心理学の学習指導への影響
    2 記憶研究の現状 009
      1. 記憶のメカニズムと分類
      2. 記憶研究の方法
      3. 記憶の原理と法則

    第2章 学習と記憶実験――精緻化を中心にして 023
    1 精緻化の有効性を決める要因 023
      1. 精緻化の量
      2. 精緻化の質
    2 学習者による精緻化の生成・選択および修正 027
      1. 自己生成精緻化(self-generated elaboration)
      2. 自己選択精緻化(self-choice elaboration)
      3. 自己修正精緻化(self-corrected elaboration)
    3 個人的エピソードに関する精緻化 032
      1. 自伝的精緻化(autobiographical elaboration)
      2. 社会的精緻化(social elaboration)
      3. 情動的精緻化(emotional elaboration)

    第3章 潜在記憶と学習の実践的研究 037
    1 潜在記憶と顕在記憶 037
    2 ひっくり返る記憶の常識 039
      1. 間接再認手続き
      2. 感覚記憶の長期持続性
      3. 再考を促される認知理論
    3 英語教育に対する教育ビッグデータのインパクト 044
      1. 意識にのぼらない潜在記憶レベルの学習効果の積み重ね
      2. 潜在記憶レベルの学習効果の連続測定の実現
      3. マイクロステップ計測法(スケジューリングの原理と技術)
    4 潜在記憶レベルの語彙習得のプロセス 047
      1. 覚えようとしなくても学習効果は積み重なる
      2. たった1度の学習の効果が少なくとも半年程度残り続ける
      3. 1日あたり5回以上の英単語の反復学習は効果をもたない可能性
      4. 実力レベルの成績の上昇が個別に可視化される
      5. 英単語の難易度は語彙習得のスピードに影響しない 
      6. 教育支援と学術研究の融合
    5 学習を継続しようという意識の向上 053

    第4章 ワーキングメモリと学習活動 056
    1 ワーキングメモリと短期記憶 056
    2 言語情報の短期的保持 057
    3 ワーキングメモリにおける保持と処理の関係 061
      1. ワーキングメモリスパン課題の特徴 
      2. 保持に対する処理の影響 
      3. 処理に対する保持の影響 
      4. ワーキングメモリにおける領域普遍的な制御機能 
    4 学習活動におけるワーキングメモリの役割 065
      1. ワーキングメモリと課題目標の保持 
      2. ワーキングメモリと課題無関連思考 
      3. 課題無関連思考と学習活動 
      4. ワーキングメモリと課題セット 
    5 まとめ 068

    第5章 言語的短期記憶と英語の音韻学習 070
    1 言語的短期記憶と語彙獲得 070
      1. 言葉の獲得と言語的短期記憶 
      2. 言語的短期記憶と音韻認識 
      3. 言語的短期記憶における音声の保持および音韻知識とプロソディの役割 
    2 日本語母語話者による英語の音声知覚 074
      1. 言語的短期記憶と外国語の音韻学習 
      2. 日本語母語幼児と中国語母語幼児における英語音韻習得能力 
      3. 日本語の韻律が英語音声の分節化に及ぼす影響 
    3 日本語母語幼児による英語の音韻学習 079
      1. 多感覚音韻認識プログラム 
      2. 多感覚音韻認識プログラムの方法とその効果 
      3. 小学校の外国語活動に対する示唆 

    第6章 英語学習と脳機能 084
    1 脳の構造と機能 084
    2 脳機能計測法 089
    3 日本人英語学習者を対象とした脳機能研究 090
      1. 母語の日本語と外国語の英語は脳内での使われる部位が同じかどうか 
      2. 習熟度が変わることで脳活動も変わるか、変わるならどう変わるか 
      3. 子どもの英語学習 
      4. 日本人英語学習者への文法教育効果 
    4 結語 096


    ◆Part 2 英語教育学(外国語習得)の諸研究◆
    Part 2 はじめに:認知心理学の理論的枠組みに基づく英語教育学の研究 100
     
    第1章 小学校全学年の外国語活動経験者のワーキングメモリ内の認知的特徴 104
    1 はじめに 
    2 外国語活動におけるWMモデル(2011)の役割 
    3 方法 
    4 結果と考察 
    5 結論 
    佐久間論文1へのコメント 125

    第2章 外国語活動経験者の母語(日本語)および外国語(英語)におけるストループおよび逆ストループ効果:小学5年から中学3年の認知発達的特徴 129
    1 はじめに 
    2 日本語版および英語版の検査Ⅱに関する先行研究 
    3 本調査研究 
    4 方法 
    5 結果と考察 
    6 おわりに 
    佐久間論文2へのコメント 149

    第3章 タスクの繰り返しが日本人高校生のスピーキングに与える注意焦点の変化 151
    1 研究背景:タスクに基づく言語指導の問題点
    2 理論的背景
    3 実験
    4 結論と教育的示唆
    森論文へのコメント 164

    第4章 英語指導における個人差の把握と介入 
    1 研究の背景と目的 166
    2 研究
    3 結果:個人差に応じた分類
    4 結論
    前田論文へのコメント 181

    第5章 英語リスニング不安とその対処方略 183
    1 リスニング不安とは何か
    2 リスニング不安の構成概念モデルと生起のメカニズム
    3 リスニング不安の影響
    4 リスニング不安の対処
    野呂論文へのコメント 196

    第6章 インプット中心・アウトプット中心のフォーカス・オン・フォームの効果:言語学習と内容理解のトレードオフ 199
    1 はじめに
    2 先行研究
    3 研究方法
    4 結果
    5 考察と結論 
    鈴木・板垣論文へのコメント 211

    第7章 英単語学習過程としての「記銘」と「想起」の役割:手がかりとしての文脈か,符号化特殊性か 214
    1 英単語の学習過程:「記銘」と「想起」 
    2 方法 
    3 結果 
    4 全体的考 
    板垣・渡邊・鈴木・小林論文へのコメント 227

    第8章 ワーキングメモリ容量における言語産出および言語理解の維持可能性 229
    1 話し続け理解される明瞭度を維持すること 
    2 聴き続け理解を維持すること 
    3 まとめ 
    三浦論文へのコメント 248

    第9章 MEGによる第二言語語彙処理プロセスと習熟度に関する研究 250
    1 はじめに 
    2 脳機能計測法の種類 
    3 先行研究
    4 研究方法
    5 実験結果と考察
    6 今後の課題
    千葉論文へのコメント 266

    引用参考文献 [269-294]
    人名索引 [295-299]
    事項索引 [300-305]
    執筆者一覧 [301]
    編著者紹介 [302]

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著者プロフィール

太田信夫(おおた・のぶお)
1971年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満了
現 在 筑波大学名誉教授,東京福祉大学教授,教育学博士(名古屋大学)

【主著】
記憶の心理学と現代社会(編著) 有斐閣 2006年
記憶の心理学(編著) NHK出版 2008年
記憶の生涯発達心理学(編著) 北大路書房 2008年
認知心理理学:知のメカニズムの探究(共著) 培風館 2011年
現代の認知心理学【全7巻】(編者代表) 北大路書房 2011年
Memory and Aging(共編著) Psychology Press 2012年
Dementia and Memory(共編著) Psychology Press 2014年

「2021年 『教育・学校心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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