ワーキングメモリと英語入門: 多感覚を用いたシンセティック・フォニックスの提案
- 北大路書房 (2017年8月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762829871
作品紹介・あらすじ
なぜ私たちは英語が聞き取りにくいのか? 英語の早期教育はどうあるべきか? 脳のメモ帳=ワーキングメモリの観点から,「日本語耳」の特徴を活かした英語学習のあり方を提案する。音声,文字,動作,絵を用いて子どもの感覚をマルチに刺激,主体的な学びへと導く,ユニバーサルデザインとしての英語指導法を具体的に紹介。
◆主な目次
●Part 1 理論編
Chapter 1 日本の子どもの母語の習得と英語の聞き取り
1.はじめに
2.言語のリズム
3.母語の習得のはじまり
4.母語習得の鍵は応答性
5.日本語の音のリズムへの気づき
6.日本語耳では,英語の音声が聞き取りにくい?
7.日本語耳で英語を聞き取るのは難しい
8.頭の中で起きている処理オーバー
Chapter 2 日本人が,英語を聞き取れないわけは?
1.はじめに
2.日本人は英語を細かく切っている
3.日本人は英語の発音が苦手なわけではない
4.日本語耳のメカニズム
5.英語の隠れディスレクシア
6.すべての子どもに英語学習の機会を
Chapter 3 日本語耳を生かした英語の学習
1.はじめに
2.苦手を得意に変えられる
3.英語の聞き取りにくさを克服するには?
4.ワーキングメモリをフルに活かそう!
5.本書で提案するシンセティック・フォニックス
Chapter 4 多感覚を用いたシンセティック・フォニックスの学習の原理
1.はじめに
2.音声,文字,動作,絵
3.基本活動
●Part 2 実践編
Chapter 5 「言葉のプロジェクト:〝英語″の音の世界を探索する」―概要と成果―
1.はじめに
2.音声体験・基礎活動の効果(事後テストⅠ・事後テストⅡ)
3.発展活動の効果(事後テストⅢ)
Chapter 6 「言葉のプロジェクト:〝英語″の音の世界を探索する」―実践内容―
1.はじめに
2.音声体験活動
3.基礎活動
4.発展活動Ⅰ
5.発展活動Ⅱ
Chapter 7 学びにくさのある子どもたちのための英語の活動―ユニバーサルデザインと一人ひとりの成長―
1.はじめに
2.アセスメントでの子どもたちの姿
3.見えてきた子どもの学び方
4.基礎活動・発展活動の概要
5.基礎活動時の環境構成
Chapter 8 入門期における支援ツール
1.はじめに
2.ジョリーラーニング社製教材
3.自作教材
感想・レビュー・書評
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英語の単語を正しく書けることが英語嫌いを作らない最初のステップだと思います。そんな大切なステップなのに、ひたすら発音して書いて覚えるという方法しか指導できないなら、それは教師の力量不足と感じてました。どうして日本の子どもたちが聞き取るのが苦手で、どうすれば音と綴りを関連付けられるかが丁寧に説明されていて、とても示唆に富んでました。
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テストをすると、どうしてもふたこぶ編成になってしまうこの現象に頭を悩ませながらも、教科の特質上しょうがないと言い訳して逃げ道をつくってきた事実に、一筋の光明を与えてくれる一冊。音と文字のリンク、ワーキングメモリー、それらがキーワードとなり、英語でどうしても結果を出せない生徒に救いの手を差し伸べてくれる。いや、どちらかというと、生徒を救えない英語教師に差し伸べられている手か…。単語で躓き、一切のモチベーションを奪われている低位の生徒を、果たしてどれだけ救えるか。中学校でも、出来ることはたくさんある。
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日本語と英語の「音」の違いの説明はとてもわかりやすい。
そしてその違いを穴埋めする為にはどのような学習法が必要かというのが解説されています。
英語の発音学習としてフォニックスはやはり有効かもしれない。