- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763131850
感想・レビュー・書評
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著者は韓国の心理学者。心理学の成果をふんだんに盛り込んで、やるべきことを先延ばしにしないためのノウハウを幅広く綴っている。
前に読んだ『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』(ピアーズ・スティール)の類書だが、あの本が先延ばしの克服に的を絞っていたのに対し、本書はもっと幅広い自己啓発書になっている。
この手の本を何冊も読んでいるのは、私自身が(原稿の)先延ばし癖克服に苦慮しているからである。
ピアーズ・スティールは先延ばしの研究をライフワークとしてきた心理学者だから、学術的な深みに関しては『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の圧勝だ。
ただ、実際に読者の背中を押してくれる効果については、本書のほうが上であるような気がする。
過去の偉人たちがどのようにして先延ばしを排してきたかの実例が豊富に紹介され、読み物としても面白いし、昔の『西国立志編』(『自助論』)の現代版という趣もある。
もちろん「原稿の先延ばし」だけを扱っているわけではなく、もっと普遍的な内容だが、私にとっては原稿先延ばし癖の克服に役立つ(役立てたい)本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やるべきことを先延ばしにしがちで、出来ない言い訳を後付けですることが本当に多いな、と思う今日この頃。そんな自分を問いただす意味を込めて読んでみた。
<全体>
実行力は「生まれつきの資質」ではなく、学んで練習すれば誰でも開発出来る「技術」だ、と説く。本章では、決意・実行・維持の3段階に分けて解説しており、それぞれの段階で実行力を高める為の具体的な技術を提案してくれている。
個人的には、非常に思い当たる節が多かった。出来ることから「実行する」ことに注力したいと思う。
<印象に残った部分>
・組織であれ人であれ、実行力こそが真の競争力
・行動に移さないアイディアはゴミだ
・言い訳する暇があったらプランBを考えろ
・人は、スタートをキリの良い未来に設定すると、何故か出来る気がするが、実際に出来ることは、ほんとど無い。やるべきベストなタイミングはいつだって「Now&Here」
・Think big!Act small!
・締切デッドラインだけでなく、開始デッドラインを設けよ。
・実際にやってみたのか?
・全てが実験だと思え。人生が180度変わる。
・助けを求めるのは世の中に「実行したい!」というシグナルを送るのと同じ。
・人は、本当に大切な仕事から逃げるために、重要でない仕事を作って一生懸命にやることがあることを知れ。
・自分が見ないふりをしている「大切な仕事」は何かを問いかけろ。
・気の進まない仕事を断れないと、頼みごとをした人に無意識に腹を立てることになり、結果関係が悪化する。また、振り回されているという被害妄想から、自信を喪失しうつ気分に陥りやすくなる。
・効率と効果の違いを認識せよ。
・世の中のすべての変化には臨界点があるという事実を知れ。
・STAR。Stop、Think、Action、Review -
今やる
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著者は韓国の心理学者。端的に言うと、あれこれ考える前にとにかく小さくても良いのでまず実行せよ、そうすれば慣性力でそれ以降も進む。というところか。すごく良かった。
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個人的には少し読みにくかったが、ためになる箇所もあった。
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公開宣言、なるべく色んな形で繰り返す
変化しないのは、変えようと思うほど切実で無いから
変化出来る人は、将来の苦痛を前倒しして自分を追い詰める
自己動機化能力
派生効果
ミケランジェロ動機
誰もみてなくて、絵の隅々まで手を抜かない
この動機が働く仕事はなんだろう?
経験を実験と呼びかえる
仮説をもって日常をすごし、失敗を次の成功へのチャンスと捉える
ウォーミングアップを減らす
事前措置戦略
囲い込み技法
退路をたつ、やらざるをえなくする
人は他人に親切をすると満足感を覚えるので、わざと頼み事をしてみる -
意志力を高めて目標を実現するために実行に移すことを励ましてくれる本だと思って読み始めたが、それ以上の内容だった。
ほとんどどのトピックでも、パラダイムシフトを起こしうるほど貴重なアドバイスが載っている。今まで願いながら克服・改善できなかった問題の真の原因がどこにあるのかについて啓発を得た。
知っていた名言などもいくつかあったが、その本当の意味も、そこから学べる教訓も知らなかったと思い知らされた。例えば「やらなくてもよいことを効率的にやるほど意味のないことはない」。この言葉は「やらなくてよいことを効率化するために時間やエネルギーを浪費しないで、すっぱりとやめるべきだ」と解釈していた。ところが著者は「効果と効率は違う。効果の低い仕事をやめて効果的な仕事をやりなさい」と説く。
著者は心理学者なので、心理学では「こういう現象を○○という」といった説明が随所に現れる。また、名言・格言もたくさん出てくる。個人的にはこういう知識も求めているので非常に興味深く読めた。 -
少し前に書かれたものだが、けっこう参考になる内容が多かった。こうした啓発ものはときどき手にするが、韓国の著者によるものは初めてで、少しアジアっぽいエッセンス(中国の古典や韓国の著名人に由来するものなど)のくだりもあって、割と新鮮に読めた。
一番印象に残ったのは、「人は“自分はこういう人間だ”というイメージ通りに行動する欲求がある」というもの。それゆえ、否定的に自分をイメージをしている人(例えば「自分は飽きっぽい性格だ」とか「自分は勉強が苦手な人間だ」といったような)は、そのイメージにしばられ、なかなか成長しない。なるほどねぇ、多少盛ってでもいいから、自分のキャラ像は理想を交えて高めに設定した方がいいんですね、と参考になり、早速実践してみたりしている。 -
イメージすれば叶う、のではない。
イメージが、希望、なぐさめ、勇気を与えてくれるから。自分だけのプロセスが見つかる。スタートと持続するモチベーションが必要。
目標から逆算して現在の行動を選択する習慣が目標達成に導く。
プランb、プランcを考えておく。他人や外部環境のせいにしない。
偉大なリーダーはみんな怖がり。だからプランbが必要な理由。
公開宣言効果=自分の言葉を守ろうとする。
禁煙の村と知られるとタバコを吸えないくなる。繰り返し公開する。
人間は頑固な動物であると認識する。外部から苦痛を受ける前に行動を変える。
「もたもたしているうちにこうなると思ってた」バーナードショーの墓石に刻んである言葉。
もっとも実践に適した日は今日。いま。
早起きするには、ただパッとお起きる、だけ。映画俳優のアクション、と同じ。
意欲がわかないのは、始めないから。まず始めてみる。
開始のデッドラインを設ける。その前にまず始める。
もしあと5分しか生きられないとしたら=どドストエフスキー。
人生は実験の連続だ。何事も経験ではなく実験と考える。あれこれ実験する。実験は失敗が当然、創造性が高まる。テレビや新聞を見ない、など普段と違う生活を実験してみる。
する親切よりされる親切。親切にされるよう誘導する=フランクリンがライバルから本を借りた話。
「お母さんが見ている」「神様が見ている」誰かに見られていると意識すると行動が変わる。
他人の目があったほうが行動できる=自分の行動を記録したほうが行動できる=日記、記録の効用。
意志の力で決心を実行しない。洋服を預けたビクトルユゴーのように自分を縛る仕組みを作る。
お金が余ったら貯金しよう、はできないのと同じように時間が余ったら勉強しよう、はできない。
セイレンの歌に打ち勝ったオデュッセウス。
今日の15分の行動が10年後の自分をつくる。目の前のことで10年後の自分を隠さない。自分の北極星を持つ。
ウサギと亀。亀は目標を失わなかった。
昨日と1%だけ違うことを実行しよう。実行は目標を成果に導く結び目。