- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763406002
作品紹介・あらすじ
誰も書かなかった現代フランス映画事情
栄光のヌーヴェル・ヴァーグ以降、フランス映画はどのような運命をたどってきたのか?
映画に浸食する数の論理、業界の力学、押し付けられた価値観――日本人の知らない現代フランス映画の状況と展望。
気鋭のパリ在住日本人ライターが迫る、芸術大国の苦悩と模索、そして光明。
感想・レビュー・書評
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90〜00年代近辺のフランス映画に関する話をしっかり知ることができる機会は本にしろ講義にしろあまりない。この本で、フランスの「映画」を起点にテレビ、映画館のシステム、国の助成制度など広範囲にわたって知ることができ「へえ」がいっぱいあった。若干例えや引用の挿入がまどろっこしく感じた部分もあったが、全体的に肩肘を張らない雰囲気で、非シネフィルの映画好きとしてはとっつきやすい文体で助かった。
最終章での「フランス映画は疑いの眼差しを持つ」というような言葉がめちゃくちゃ腑に落ちた。複雑なものを複雑なまま提示することが許されるのが文学であり映画であり、芸術である。その混沌に触れることが現実世界と接点を持つ機会となり、それが映画のユニバーサルさに繋がっていくのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふむ
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フランス映画の現状と問題点をわかりやすく説明されていて時間はかかったけど、読了出来て良かった。フランス政府とフランステレビ界、ヌーヴェルヴァーグとは何だったのか、ハリウッド映画と日仏映画界の違いとか、わかりました。結局お金の問題です。今後フランス映画を見る目が変わってくると思うし楽しみです。
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フランス映画映画の衰退(?)の要因を探ったもの。
着眼点が大変興味深い。
特にテレビの普及による映画の衰退は日本と比較しても面白い。
昨年公開の「Intouchables(邦題:最強のふたり)」を筆者がどう捉えたか非常に気になるところ。 -
2-3 映画論