- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784765313926
感想・レビュー・書評
-
奥田 千恵子教授(横浜薬科大学)による統計の翻訳書。
原書はMichael Harris、Gordon Taylor 『Medical Statistics Made Easy』
医学統計の解説なのだけども、統計を”使う”というよりも、論文を読むための統計入門の書になっている。
要点をおさえて、難しい数式は使わずに、論文を読む上で登場する統計をどのように解釈するのか?どのように読み取るのかを身につけるためのものになっている。
各統計手法に英語も併記されているので、理解しやすかったし、巻末の用語集も意外に役にたつ。
ざっくりと知りたい場合には、このくらいコンパクトな内容がいいと感じた(とくに、僕のような怠け者にはちょうどよい)。
最終章には、BMJ,NEJM,LANCETなどの論文アブストラクトを引用し、論者がなぜその統計を使用したのか?何を訴えたいのか?を読み取るトレーニングが用例として掲載されている。
----------------
【内容(金芳堂より)】
高度な統計手法を使った論文を読みこなすための「これだけ必要」に絞った画期的な解説書.
論文で使用された統計手法を重要度・難易度ランキングで選定.統計学を基礎から学ぶ目標はひとまず置いて,「読むために必要な統計手法の理解」を目標にすえた.
———————
【目次】
データ記述のための統計
パーセント/平均値/中央値/最頻値/標準偏差
信頼度検定のための統計
信頼区間/P値
差の検定のための統計
t検定およびその他のパラメトリック検定法
マン-ホイットニー検定およびその他のノンパラメトリック検定法
カイ2乗検定
リスク比較のための統計法
リスク比/オッズ比/リスク減少および治療必要数
関係解析のための統計
相関/回帰
生存分析のための統計
生存分析:生命表およびカプラン-マイヤープロット
コックス回帰モデル
臨床研究およびスクリーニングのための統計
感度,特異度および予測値
一致度およびカッパ値
その他の手法
最近の主要医学論文に見る使用例
標準偏差,相対リスク,治療必要数
オッズ比,信頼区間
相関および回帰
生存分析
感度,特異度および予測値
用語集
————————詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相関:2つの変数の直線関係の強さを測る、回帰:変数の関係を敷きで表して定量化する
-
統計学をやるうえでの最初の一冊なので平易で最後まで読みきれそうなものを購入。難しい数式は一切でず統計の概念だけでも理解する。医学や薬学部で使われる統計というのも自分にとってアピールポイントだった。
読み終わってみて、まずは読みきれたことに満足。難しいのをとばしてくれたおかげだが、今後はその難しい数式について勉強していこう。
一冊目にこれを選んで正解だった。 -
いろんな統計書を読んで頭の中が混乱しているとき、それをすっきりさせてくれる一冊。 医学論文に出てくる各種統計用語(オッズ比とかカプランマイヤーとか)について、出現頻度をもとに、押さえておくべきか否かを提示してある。複雑な統計概念の中で、どこがツボなのかも明示してある。 最後に、実際の論文を提示し(抜粋はすべて和訳。英文はウェブ参照となっている。)、そこに記載された情報から読みとるべきはこれだけ、と教えてくれるのも非常にわかりやすい。 翻訳書であるが、統計の専門家である奥田先生の訳なので、深い理解に基づいた和訳となっている。