自由なき世界 上:フェイクデモクラシーと新たなファシズム

  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766426656

作品紹介・あらすじ

▼ロシアはなぜクリミアに侵攻したのか
法の支配を無効化し、民主主義を混乱に陥れ、歴史を葬り去る「永遠の政治」。
プーチンによる「永遠」の体制は、純潔無垢なるロシアの復活を唱え、
EUの破壊を画策し、遂にはウクライナの混乱に乗じてクリミアを併合する。


ロシアはなぜクリミアに侵攻したのか――。

20世紀末、ソ連が崩壊し、冷戦が終結したのに伴い、
自由民主主義の勝利が確定したかに思われた。
一部の識者は、平穏でグローバライズされた未来を確信し、「歴史の終焉」を宣言した。
だが、そう信じたのは見当違いだった。
2000年にロシアの大統領となったプーチンは、
オリガルヒ(新興財閥)とファシズムを混交させた新たな権威主義体制を構築し、
ロシアに新たなファシズムが現れたのである。
法の支配を無効化し、民主主義を混乱に陥れ、
歴史を葬り去るプーチンの「永遠の政治」は、やがて、
純潔無垢なるロシアの復活を唱え、EUの破壊を画策し、
遂にはウクライナの混乱に乗じてクリミアを併合する。

プーチンの思想に鋭くメスを入れ、右傾化する世界の実態を捉える世界的な話題作。

感想・レビュー・書評

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  • ロシア政治が世界的諸問題の本質なのか?
    大原俊一郎 / 亜細亜大学法学部准教授・国際政治史・国際関係論
    週刊読書人2020年6月12日号(3343号)
    https://dokushojin.com/review.html?id=7243

    『自由なき世界――フェイクデモクラシーと新たなファシズム』(ティモシー・スナイダー 著、池田 年穂 訳)| 慶應義塾大学出版会
    https://www.keio-up.co.jp/kup/gift/freedom.html

    慶應義塾大学出版会 | 自由なき世界 上 | ティモシー・スナイダー 池田年穂
    https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766426656/

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001173262

  • ロシアの侵略についてのヨーロッパ各国の反応である。原題はThe road for unfreedomであり、サブタイトルにはフェイクニュースという言葉は全くないので、これこそフェイクタイトルである。実際は、ロシア、アメリカ、ヨーロッパである。

  • 「個人主義が政治的美徳であることがーーそれも他のすべての美徳に力を与える美徳であることがーーはっきり見えてくる。この世のなかには素晴らしいことがたくさんあるし、政治に必要なのは完全性のビジョンなどより責任ある考慮と選択だということを、私たち一人ひとりは理解しているだろうか。世のなかには自分以外にも同じことに取り組む人々がいることを、、私たちはわかっているだろうか。個人であることとは、果てしなく現れる事実を絶えず考慮することであり、単純化っできない情熱のなかから絶えずいずれかを選択しなければならないことだと、私たちは理解しているだろうか。(P.51)

  •  2022年2月24日、ロシア(プーチン)がウクライナへの軍事侵攻を突如開始した。その背景が理解できる一冊だ。2014年のロシアによるクリミア併合や2016年の米国大統領選でのトランプ勝利の背景が分かりやすく描かれている。
     プーチンやラブロフ等は、ユーラシア構想(リスボンからウラジオストックまでファシスト政権が支配すべき)、反ユダヤ主義、民主主義批判(ゲイなどの性的倒錯者等による陰謀だ)などの立場で、現実の世界で折り合いをつけるのではなく、「純潔無垢なロシア人」を破滅させようとする外敵から身を守り自分達の理想の国を作るんだという「永遠の政治」を展開している。ウクライナやアメリカだけでなく、サイバー攻撃や各国主要人物の抱き込みなどによる右傾化の罠を仕掛けられ、すでに分断の危機が訪れていることに恐怖を感じた。

  • 今起こっていることを理解する上で必読の書。プーチンの思想が立体的に立ち上がってくる。そしてクリミアの危機を黙殺した我々の罪も。詳しくは下巻に。

  • 東2法経図・6F開架:312.38A/Sm9j/1/K

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00603505

    ロシアによるクリミア併合、ヨーロッパにおける相次ぐ右派政権の誕生、イギリスのEU離脱、トランプ大統領誕生など、近過去のトピックを歴史化し、右傾化する世界の実態を捉える話題作。
    (出版社HPより)

  • 特設サイト〈https://www.keio-up.co.jp/kup/gift/freedom.html

    【書誌情報+内容紹介】
    著者:Timothy Snyder
    版型:四六判/上製/276頁
    初版年月日:2020/03/20
    ISBN:978-4-7664-2665-6(4-7664-2665-7)
    Cコード:C0031
    定価:2,750円(本体 2,500円)

    ◆ロシアはなぜクリミアに侵攻したのか――。
     20世紀末、ソ連が崩壊し、冷戦が終結したのに伴い、自由民主主義の勝利が確定したかに思われた。一部の識者は、平穏でグローバライズされた未来を確信し、「歴史の終焉」を宣言した。
     だが、そう信じたのは見当違いだった。2000年にロシアの大統領となったプーチンは、オリガルヒ(新興財閥)とファシズムを混交させた新たな権威主義体制を構築し、ロシアに新たなファシズムが現れたのである。
     法の支配を無効化し、民主主義を混乱に陥れ、歴史を葬り去るプーチンの「永遠の政治」は、やがて、純潔無垢なるロシアの復活を唱え、EUの破壊を画策し、遂にはウクライナの混乱に乗じてクリミアを併合する。
     プーチンの思想に鋭くメスを入れ、右傾化する世界の実態を捉える世界的な話題作。


    【簡易目次 上巻】
    プロローグ(2010年)
    第1章 個人主義か全体主義か(2011年)
    第2章 継承か破綻か(2012年)
    第3章 統合か帝国か(2013年)
    第4章 新しさか永遠か(2014年)
    上巻原註

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著者プロフィール

ティモシー・スナイダー(Timothy Snyder):イェール大学教授。1969年、アメリカ合衆国オハイオ州生まれ。専門は中東欧史、ホロコースト史。著書に『ブラッドランド──ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(筑摩書房)、『赤い大公——ハプスブルク家と東欧の20世紀』、『ブラックアース──ホロコーストの歴史と警告』、『暴政──20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』、『秘密の戦争──共産主義と東欧の20世紀』(いずれも慶應義塾大学出版会)など。

「2022年 『ブラッドランド 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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